
求人において求職者から重視される条件の一つといえば「給与」だ。では正社員とパート・アルバイト、それぞれの雇用形態で求職者が求める年収額はいくらがボリュームゾーンなのだろうか?また、各雇用形態においてもっとも多い応募理由とは?
アイデムはこのほど、2025年8月に総合求人サイト『イーアイデム』を通じて求人に応募した会員387名を対象に仕事探しに関する調査を実施し、その結果を発表した。
希望の年収
求人に応募した人に、応募した求人での希望の年収額を聞いた。
希望の雇用形態別にみると、「パートまたはアルバイト」では、「100万円~106万円未満」が最多で26.7%、次いで「~100万円未満」が21.7%、「160万円~201万円未満」が12.1%となった。106万円を超えない年収を目安にしている人の割合が約5割のようだ。一方で、201万円以上を希望する割合は約2割で、いわゆる年収の壁を気にせず収入を得たいと考える人も一定数いることがわかる。
「正社員」を希望する人では、「300万円~400万円未満」が最多の45.6%、次いで「400万円以上」が31.6%、「201万円~300万円未満」が17.5%となった。300万円以上を望む割合が約8割のようだ。
求人に応募した理由(パート・アルバイト希望の場合)
求人に応募した、パートまたはアルバイト雇用を希望する人に、自身が応募した求人を選んだ理由をきいた(複数回答)。最も多かったのは「自宅から通いやすいから」で45.8%、次いで「希望の勤務時間数・日数が選べるから」が43.8%、「希望の勤務時間帯だから」が37.1%となった。限られた時間の中で就労をしたいことから、通いやすさも同時に意識していることがわかる。
性別との関係をみると、「男性」のほうが「女性」よりも「休日・休暇が取得しやすい環境だと思ったから」が4.7pt高くなった。一方、「女性」のほうが「男性」よりも「希望の勤務時間帯だから」が10.4pt、「自宅から通いやすいから」が9.8pt、「希望の勤務時間数・日数が選べるから」が9.0pt高くなった。
求人に応募した理由(正社員希望の場合)
求人に応募した、正社員雇用を希望する人に、自身が応募した求人を選んだ理由をきいた(複数回答)。多かったのは「希望する仕事内容だから」が38.6%、「能力や経験を活かした仕事ができそうだから」が36.8%、「自宅から通いやすいから」が28.1%となった。
性別との関係をみると、「男性」のほうが「女性」よりも「正当に評価される仕組みがあると感じたから」が17.8pt、「能力や経験を活かした仕事ができそうだから」が10.8pt、「自宅から通いやすいから」が10.7pt高くなった。自身の持つ力を発揮しつつ、評価につながる環境を探している人が多いようだ。
一方、「女性」のほうが「男性」よりも「交通費が全額支給されるから」が11.4pt、「賃金が高いから」が11.3pt、「会社の知名度が高いから」が9.9pt高くなった。収入面を重視して仕事探しを進めている傾向がうかがえる。
応募件数の目安
求人に応募した人に、今回の求職活動期間の中で、求人に応募する件数の目安があるかどうかを聞いた。全体では、「2~5件」が最も多く42.4%、次いで「件数に目安はなく、よい条件があればすべて応募したい」が29.7%、「1件だけ」が20.7%、「6~10件」が4.7%、「11件以上」が2.6%となった。「1件だけ」以外を選んだ割合は全体の約8割となった。
希望雇用形態別にみると、「契約社員または嘱託社員」では「2~5件」応募するとした割合が37.5%、「1件だけ」が31.3%となった。応募件数に目安を設けて活動している人が多い。
■調査・分析担当者のコメント
8月のアンケートでは、応募した求人での希望の年収額をきいています。「パートまたはアルバイト」を希望する人では「100~106万円未満」が26.7%で最も多く、次いで「~100万円未満」が21.7%となり、106万円を超えない年収を目安にしている人の割合が約5割となりました。一方で201万円以上を希望する人も一定数おり、いわゆる年収の壁を気にしないという人も少なくなく、約2割となりました。個人の事情に配慮しやすい柔軟な制度設計が、会社の従業員定着につながるかもしれません。
<調査概要>
調査対象:総合求人サイト『イーアイデム』の会員で、2025年8月1日~8月31日の期間に『イーアイデム』から求人に応募した人
調査方法:インターネット調査
調査主体:株式会社アイデム
調査期間:2025年8月2日~9月5日
有効回答:387名
※調査結果は四捨五入のために合計が100%にならない場合がある
出典元:株式会社アイデム
構成/こじへい