世界中で加速するEVシフト。実は今、日本でも選べるモデルがぐんと増えたことをご存じですか?最新の補助金制度や電費、注目のバッテリー技術など、気になる疑問をQ&Aでやさしく解説。これからのカーライフを考えるヒントとして、最新モデルの魅力や実用性をチェック!
今どう変わった?最新EV事情Q&A
今一番気になるクルマといえばEVだけど、よくわからない……でも気になりすぎる! そんなアナタを〝EVの伝道師〟こと自動車評論家の国沢光宏さんがナビゲート。編集部と一緒に、EVの気になるあれこれを学びましょう!
教えてくれるのは・・・

自動車評論家 国沢光宏
1958年生まれ。とりわけEVに深い知見を持つことで知られる自動車評論家。現在はホンダ『N-VAN e:』を所有しEVライフを送る。
教わるのは・・・ 編集部EVビギナーズ

寺田
ホビーやアウトドア担当。自宅は戸建てでEVコンセント設置済。

髙栁
登山が趣味の行動派。マンション暮らしゆえEVにはハードルを感じる。
「EV特集」担当編集部員の目線は「ややネガティブ」?
国沢 今回「EV特集」を通じてEVの現状や魅力を伝える担当となったわけですが、ご両名の率直な「EV観」は?
寺田 昨今EVも普及率が鈍化してきている感がありますので、手を出すのはちょっと早いかと感じています。
髙栁 周囲にEVオーナーがおらず、自分の中に判断材料がありません。ただ編集長から「EVは未来のクルマ!」と聞いて興味が湧いてきたところです。
国沢 「ややネガティブ」ですね(笑)では、ずばり不安は?
寺田 値段かな。補助金があると聞きますが実際よくわからない。
国沢 私が買ったホンダ『N-VAN e: L4』なんて補助金をフルに使って半値になりましたよ!![]()
寺田・髙栁 ええっそれはすごい! でもその後の電費が悪いようでは元も子もないですよね。
国沢 言うと思った(笑) EVはおしなべて1kWhで6~8km走れると見積もっておけばいいですよ。
髙栁 ということは……やっぱりお得ですね!![]()
Q1: 実際どれくらい補助金がでるの?

「EVの補助金はいくらか?」は車種や自治体、再エネの設置条件によって変わるので私のケースを紹介します。東京都在住でホンダ『N-VAN e: L4』を購入。車両は269万9400円ですが、国の補助金が57万4000円、東京都の補助金が40万円、給電機能付きにしたことで10万円、V2H(VEHICLE to HOME)など充放電設備設置で10万円、太陽光発電設備導入で30万円=補助金総額122万5400円となり、半値以下で『N-VAN e:』を手に入れることができました。

Q2 ガソリンと比べて〝電費〟はどう?

ガソリン車の燃費に相当する数値をEVの場合は〝電費〟で表しますが、基本的には「1kWhでどれくらい走れるか?」が目安になります。車種や車両の特性により差はありますが、EVの実電費は1kWhで6~8kmと考えて良いと思います。そうすると、例えば東京電力なら1kWhで40円くらい(深夜電力ならより割安)ですから、ガソリン1L(平均170円)分買う料金で25.5~34km走れる計算になります。従ってお得です!

寺田 航続距離も気になります。今回テスラの『モデル3 ロングレンジ』で往復400km超のドライブに行き、実際のところ全く問題なかったのですが、どこか心理的に不安が……。
国沢 それも「EV不安あるある」。航続距離は車載バッテリー容量に左右されるので、まず〝日常的にどう使うか〟を考えましょう。![]()
またスズキ初のEV『eビターラ』も積んでいるLFPバッテリーはEVのゲームチェンジャーになりますよ!![]()
寺田 安くて長持ち、発熱も少ないなんて夢のバッテリーですね。今後に期待!
髙栁 私はアルファロメオ初のEV『ジュニア エレットリカ』で都内を巡りました。クルマの操作性としては普通ですぐなじめたし、EVらしい静かでパワフルな走りも魅力と映ったのですが、もし導入した場合の車検や保険、それに充電環境などが気にかかりました。
国沢 保険や車検についてはEVだから特に高額ということはありませんし、保険はエコカー特約もあります。
ただ輸入車の場合、ディーラー数が限られるためサービスに時間や費用がかかることもあるようなので下調べしたほうがいいですね。また充電は自宅での普通充電を基本に、出先や緊急時のみ急速充電を活用するのが賢く、お得でもあります。![]()
髙栁 となるとEVを所有するなら戸建て、ですよね?
国沢 マンション暮らしならHEVも視野に入れてほしい! HEVだって環境負荷低減に貢献しますし、実際燃費もいい。もちろん戸建てならEV導入のハードルはぐっと下がります。![]()
Q3 航続距離はどれくらいみておけばいいの?

航続距離を考えるときに大事なのは用途。軽自動車を足にしている人なら150kmあれば十分ですし、サンデードライバーでドライブや旅を楽しむなら400kmは走れる余裕がほしい。地方ではガソリンスタンドも減少しているので、この点でも家庭充電で走れるEVはアリだと考えます。私がリアルな航続距離の情報源として信頼する海外のサイト「Electric Vehicle Database」もぜひ参照ください。

(出典)「Electric Vehicle Database」







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