
コロナ禍以降、通勤スタイルの多様化や気候変動を背景に、男性のオフィスでの服装も“脱スーツ”へと変化しているといわれているが、実際にどの程度カジュアル化が進んでいて、また、カジュアル化について職場の女性はどのように感じているのだろうか?
オンワード樫山のマーケティンググループはこのほど、全国の20代〜50代の女性220名を対象に「職場における男性の服装のカジュアル化」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
女性の4割が「職場で男性のカジュアル化が進んでいる」と実感
「あなたの職場では男性のカジュアル化(脱スーツ)が進んでいると思うか」と尋ねたところ、約42%が「進んでいる」(だいぶ進んでいる+少しずつ進んでいる)と回答した。約4割の職場でスーツからカジュアルへの移行が進んでいることがわかった。
男性の服装について約7割は無関心だが、それでも3割が“気になる”と回答。職場ファッションの盲点
「職場の男性のカジュアルスタイルについて気になるか」と尋ねたところ、「気になることがある(すごく気になる+まあまあ気になる+気になるときがたまにある)」は28.2%、「まったく気にしない」は26.4%と、ほぼ同数という結果に。人によって意識の差はあるものの、服装が気になる層は一定数いることがうかがえる。“どうせ誰も見てないから…”と服装に気を配らないのは、危険な態度と言えるかもしれない。
服装は「印象を左右する」との意見多数。「服装は印象につながらない」との回答はわずか13.6%
「職場の男性の服装が、その人の印象をどのように左右すると思うか?(複数回答可)」という設問に対し、「きちんとしている」(50.0%)が最も多く、以下「親しみやすい」「仕事が出来そう」といった声が続いた。逆に「服装は印象につながらないと思う」と答えたのはわずか13.6%となった。服装が人の印象に大きく関わると考える人が多数派であることがわかる。他方「年齢より若く見える(10.0%)」は少数派だった。服装で“若さ”を演出しようとしても、それが印象に強く結びつくとは限らないようだ。
「清潔感」は今も昔も好印象の絶対条件
「いい印象をもつ服装」の条件として最も多かったのは「清潔感がある」(71.8%)だった。また、「サイズ感があっている」(25.0%)も好印象の要素として挙げられ、サイズが合っている、という基本が今も支持されていることが明らかになった。一方で、「毎日変化があり新鮮(7.7%)」という意見は少数だった。
カジュアル化することで“毎朝コーデに悩んでいる”という人も多いはずだが、バリエーション変化より“清潔感とサイズ感”が好印象を生む近道のようだ。
ワースト印象は「シワのある服」(49.5%)
逆に「イマイチな印象」の理由としては、「シワのある服」(49.5%)、「靴やバッグが汚れている」(45.5%)が上位に。清潔感の欠如=即マイナス評価という傾向がはっきり出ている。とはいえ、忙しい朝に、丁寧にアイロンをかける時間が取れないという人も多いなかでは、“シワになりにくい服”もしくは“シワが気にならない服”は、働く男性の強い味方になり得る条件の一つと言えるかもしれない。
他人の服装へのコメントは時代を反映して“減少傾向”
他人の服装へのコメントについては、「以前からそうした風潮はほとんど見られない」が51.4%で最多だが、「最近はかなり減ってきている(14.1%)」「少しずつ減ってきている(13.6%)」を合わせると、約8割が“服装に対する指摘はしづらくなっている”と感じている。ジェンダー平等の意識が進む中で、女性から第三者の声を得る機会は少なくなっている傾向があることがわかる。
<調査概要>
調査主体:株式会社オンワード樫山マーケティンググループ
調査方法:インターネットアンケート
調査システム:Questant
調査対象:全国の20代から50代の女性220名
調査期間:2025年7月11日(金)~7月12日(土)
出典元:株式会社オンワード樫山
構成/こじへい