
会社内や自部署でのインセンティブとしてよく利用されているカタログギフトは、もはや時代遅れかもしれない。
物価高での生活費が足らないので、ご褒美には現金が欲しい。という声があるのも事実だが、組織全体の動機づけを考えた場合、とりわけ30代未満のZ世代のメンバーにカタログギフトを渡した時の反応が薄く困惑したことはないだろうか。
そこで、次世代のマネジメントを考える上で、Z世代の価値観からアプローチして、インセンティブの在り方を本記事で考えてみたい。
ビジネスギフトの視点では、カタログギフトの満足度が低い
ミドル世代が理解すべきZ世代の価値観を、いま一度おさらい
筆者が、組織マネジメントをする中で見聞きする範囲での感覚値では、「Z世代」は他の世代と価値観がまるで異なり、ネガティブなものとして捉えてしまうミドル世代のビジネスパーソンは少なくない。
一方、各世代に優劣はなく、特長を現しているにすぎないので、その特長をよく理解することが必要だ。Z世代の特長や価値観自体は様々なメディアで把握できるので、ここでは、動機づけやご褒美の効果を高める視点に注目してまとめる。
Z世代の特長を4タイプに分けて理解すると分かりやすいかも
●Z世代の行動原理4選
1. モノ消費から「コト消費」・「イミ消費」に
モノの所有よりも、特別な「体験(コト)」をしたり、その選択が社会や自分にとってどんな「意味(イミ)」を持つかを重視する。ブランド品所有の満足よりも、友人と楽しめるグランピング体験や、自分のスキルアップに繋がる自己投資に価値を見出す傾向に。
2. 「タイパ(タイムパフォーマンス)」の重視
カタログギフトでいえば、分厚い紙カタログや長ページのWebカタログをめくり、商品を比較検討し、ハガキやWebで申し込むという一連のプロセスが、時間対効果の悪い「面倒なタスク」と認識されがち。瞬時に情報を処理し、価値を判断する彼らにとって、この手間はムダにしかならない。
3. 「パーソナライズ」欲求の強さ
「会社から与えられた唯一の選択肢」ではなく、もっと自分の趣味嗜好に合うものを求めている。「私のために、上司が考えて選んでくれた」雰囲気が重要で、誰にでも同じ選択肢になるカタログギフトはその対極と言ってよい。
4. 「ウェルビーイング」への関心の高さ
心身の健康や、自分らしい働き方・生き方を重視する。モノによる一時的な満足よりも、継続的な心身の充足や自己成長に繋がるものに価値を求める傾向が強い。