ChatGPTは、時間や場所に制約されず利用でき、幅広い分野の知識を持つ相談相手として役立つ。特化型のGPTやカスタマイズ機能を用いれば、より個人に合わせた利用が可能になる。
目次
AIは検索や作業支援の枠を超え、日常の相談にまで活用されるようになってきた。実際に、ChatGPTへ悩みを打ち明けたり、学習やキャリア形成に関するアドバイスを求める利用者は増えている。ただし「AIに本当に相談できるのか」という懸念も根強い。
本稿では、ChatGPTを相談相手として利用する利点や事例、自分専用に設定する方法、さらに留意すべき点を整理して解説する。
ChatGPTは相談相手になるのか
AIを相談相手とする発想は新しいが、現実的にどこまで可能なのかを見極める必要がある。
■AI相談の広がり
生成AIの利用者は世界的に拡大している。調べ物や資料作成だけでなく、気持ちを整理する相手として使う事例が目立ち始めた。深夜や休日など人に頼みにくい時間帯でも、AIであればためらいなく相談できる。その気軽さが利用の広がりを後押ししている。
■人間の相談相手との違い
人間の相談には共感や情緒的な支えが伴うが、AIは感情を持たない。したがって、真の意味で共感することはできない。それでも、客観的な整理や別の視点を提示する点では有効である。人間の温かさとは性質が異なるが、情報整理の補助役として位置づける価値がある。
ChatGPTを相談相手にするメリット
AIに相談することには、人間にはない利点が複数存在する。
■24時間いつでも利用できる
AIは常に稼働しているため、深夜や休日でもすぐに相談が可能だ。相手の都合を気にせず利用できる点は、最大の強みといえる。
■幅広い分野の知識に対応
学習、業務効率化、趣味など幅広い分野の知識に対応できる。例えば、学習方法の整理や会議資料の構成といった具体的な課題にも応用できる。
■匿名性と安心感
人に伝えにくい悩みを匿名のまま相談できるのはAIならではである。プライバシーが守られることで、安心して話せる環境が整う。
相談相手になるGPT
ChatGPTには特定の分野に特化したバリエーションも登場している。
■法律相談向けGPT

「法律相談」(作成者: Yuka Ishiyama)は、ユーザーが提示する民事問題を読み解き、潜在的なリスクを抽出する。弁護士の代替にはならないが、相談前の整理には有効である。
■転職相談GPT

「転職活動アドバイザー」(作成者: community builder)は、履歴書や企業情報をもとに志望動機や面接準備を支援する。転職活動の効率化に資する仕組みである。
■メンタル相談向けGPT

「心の相談室」(作成者: watson300)は、日常の悩みに耳を傾け、考えを整理するための支援を行う。共感を模倣する設計で、気持ちの言語化に役立つ。
ChatGPTを自分専用の相談相手にする方法
カスタマイズ機能を使えば、利用者のスタイルに合った相談相手を作れる。
■カスタマイズ機能の活用
ChatGPTには「カスタム指示」が用意されている。この設定により、望ましい回答スタイルや前提情報を事前に登録できる。結果として、利用者の意図に沿った回答が安定して得られる。
■カスタマイズする設定手順
設定方法は次の通りである。
(最新のインターフェースでは更新されている場合もあります)
1.自分のアイコンをクリック

2.「パーソナライズ」を開く

3.「パーソナライズ」を有効にし、ChatGPTの性格を設定する。相談相手には「聞き役」がおすすめ

4.「カスタム指示」で動作やスタイルに指示をし、自分のこととして職業やその他の詳細情報を入力して保存する。

■入力例

- 職業:中堅企業の会社員 部下10名の課長
 - あなたについての詳細:妻と高校生の息子がいる。仕事が忙しく家族とのコミュニケーションがうまくいっていない。
 - どのように答えてほしいか:「落ち着いたですます調で返答し、否定は避ける。回答は①要約 ②質問 ③提案の順に構成し、最後に励ましの一言を加える」
 
■相談の流れを固定するコツ
あらかじめ返答の型を決めておくと相談が続けやすい。
- 話の要約
 - 考えを整理する質問
 - 提案や視点の提示
 - 励ましの一言
 
この流れを指示すれば、安定した回答が得られる。
■スマホ・音声利用の工夫
スマートフォンでの利用では、音声入力や読み上げ機能を組み合わせると便利である。移動中や作業中でも相談でき、返答を耳で確認できるため、自然な会話に近づく。







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