Slack Webhookとは、外部サービスからSlackへ自動的に通知を送信できる仕組みのこと。Webhookはイベント発生を契機に通知が行われる。APIに比べて導入が容易。
目次
Slackは多くの企業で利用されているコミュニケーションツールであり、単なるチャットアプリにとどまらず、外部サービスや社内システムと柔軟に連携できる点が特徴である。その連携の中でも特に便利なのが「Slack Webhook」である。Webhookを使えば、アプリやサービスからの通知を自動的にSlackへ投稿できるようになり、業務の効率化や情報共有の迅速化につながる。
本記事では、Slack Webhookの仕組み、導入方法、活用事例、注意点を具体的に解説する。
Slack Webhookとは
Slack Webhookは、外部のシステムやサービスからSlackへ直接メッセージを送信できる仕組みである。リアルタイムに通知を受け取りたい場合に役立ち、開発チームや運用担当者にとって強力なツールとなる。ここでは、その基本概念と特徴を整理する。
■Webhookの基本概念
Webhookとは、特定のイベントが発生した際に自動的に指定されたURLへ情報を送信する仕組みのことである。APIと似ているように思えるが、APIがリクエストを送る側から呼び出すのに対し、Webhookはイベントをトリガーとして自ら通知を行う。
■Slack Webhookの役割
SlackにおけるWebhookは、システムやサービスからの通知をチャネルに自動投稿するための仕組みである。例えば、ECサイトで注文が入った際に通知を送る、サーバーの異常を知らせる、タスクの進捗を共有するなど、あらゆる場面で活用できる。
■Slack APIとの違い
Slack APIは高度な双方向通信が可能であり、メッセージ送信だけでなく情報取得や管理操作も行える。一方、Webhookは片方向でメッセージを投稿するシンプルな仕組みに特化している。そのため、導入や設定が容易であり、まずはWebhookから利用を始めるケースが多い。
Slack Webhookの導入方法
Slack Webhookを利用するには、アプリの作成、Webhook URLの取得、送信テストといった手順が必要である。ここでは、Googleフォームから送信された内容をSlackに通知する例を取り上げ、導入の流れを具体的に示す。
■Webhook URLの取得
- Slackの管理画面から「アプリを作成」を選択

- Incoming Webhooksを有効化する

- 通知を送信したいチャネルを指定してWebhook URLを取得する

■Googleフォームとスプレッドシートの連携
Googleフォーム単体ではWebhookを呼び出せないため、回答をスプレッドシートに保存する設定を行う。
1.スプレッドシートと連携させたいGoogleフォームを開き、画面上部の「回答」を選択

2.「スプレッドシートにリンク」をクリックする。

3.スプレッドシートが作成されて、Googleフォームからの回答が入力されるようになる。

これにより、フォーム回答のたびにシートが更新される仕組みが整う。
■Google Apps Scriptの設定
スプレッドシートの拡張機能としてGoogle Apps Scriptを利用し、フォーム回答を受け取ったときにSlack Webhookへ通知を送るスクリプトを作成する。


この関数を「フォーム送信後に実行されるトリガー」として登録すれば、回答が送信されるたびにSlackに通知される。実務に応用すれば、問い合わせフォームやアンケート結果をリアルタイムでチームに共有できる。
Slack Webhookの活用事例
Webhookは業務のあらゆる場面で活用可能である。ここでは代表的な利用シーンを紹介する。
■システム監視の通知
サーバーやアプリの稼働状況を監視するツールと連携し、エラーや障害が発生したときにSlackへ通知する仕組みを構築できる。これにより担当者は迅速に対応できるようになる。
■アプリやサービスのイベント通知
顧客からの注文や問い合わせをWebhookで通知することで、担当者がすぐに状況を把握できる。メールよりもリアルタイム性が高く、対応スピードの向上につながる。
■タスク管理ツールとの連携
TrelloやJiraなどのタスク管理ツールと連携すれば、タスクの追加や更新を自動でSlackに投稿できる。チーム全体の進捗が可視化され、作業効率が上がる。







DIME MAGAZINE











