小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

AIに仕事を奪われてしまうのか?一石を投じる「ケンタウロス・モデル」とは

2025.09.24
久我 吉史 (リスマネ部長 & 複業記者)

あなたの仕事で実践すべきケンタウロス・モデルの例

言葉の名称や意味が浸透してなくても、ケンタウロス・モデルの考え方自体は、実際のビジネス現場に浸透し始めているだろう。

そのため、自身が仕事をする上で「何をAIに任せるべきか?」が重要な論点になる。

そこで、様々な仕事をケンタウロス・モデルに当てはめてみた場合の例を紹介するので、自身の仕事と照らし合わせ、より“知性あふれる仕事をする糧”としてもらいたい。

ケース1:企画・マーケティング職の場合

●AIの役割:
・市場の膨大なデータを分析してターゲット顧客のペルソナを作成する。ChatGPTに特定の役割を与えてペルソナ案を生成し、SEO/SEMツールなどで競合分析
・そのペルソナに向け広告コピーのA/Bテスト案を数十パターン生成するJasperやCopy.ai、Microsoft 365 Copilot in Excel/Wordが使える
・キャンペーン用のブログ記事やSNS投稿のドラフトを作成する。ChatGPTに広告コピー案をINPUTし、必要な文書の構成案を伝える

●人間の役割:
・AIの分析結果から本質的なインサイトを読み解き、ブランド全体の戦略を策定する
・生成されたコピーに、情緒的な価値や企業理念を書き込み、血の通った文書とし、最終的なキャンペーンを決定する
・複数の顧客チャネルを横断する全体最適なマーケティングプランを設計する。

ケース2:デザイナーや開発者の場合

●AIの役割:
・デザインのコンセプト案やムードボード用の画像を複数提示する。Midjourney, Stable Diffusion, DALL-E 3,nano Banana,Adobe Fireflyなど
・Webサイトなどのコーディングを補助させ、デバッグ作業を自動化するGitHub Copilot, Amazon CodeWhispererなどでコーディングが効率化できる。
UIデザインのプロトタイプ作成やコンポーネント生成を補助する。Figma AI,Uizard, Galileo AIなど

●人間の役割:
・プロジェクト全体のビジョンを定義し、AIが生成したパーツを取捨選択したり改良したりして、最終的なクリエイティブ(アウトプット)を完成させる
・ユーザー体験(UX)の核心部分を設計し、プロダクトに一貫性のある世界観や企業理念やプロジェクトの魂を込める
・コードの全体的なアーキテクチャを設計し、セキュリティや保守性を担保する

ケース3:ガバナンス・リスクマネジメント職の場合

●AIの役割:
・膨大な国内外の法規制、判例、社内規定のデータベースを常に監視し、自社に関連する変更点を即座にアラートさせる。規制変更をモニタリングする専門サービス、ChatGPTやClaudeに特定のドキュメント群を読み込ませて要約・分析する
・契約書や利用規約をスキャンし、LegalForceやGVA assistなどのリーガルテックツール潜在的なリスク箇所や不利な条項を瞬時に色付けする。
・膨大な取引データやアクセスログを分析し、不正会計やサイバー攻撃の予兆といった異常パターンをリアルタイムで検知する。

●人間の役割:
・AIが「リスクの可能性」として提示した項目に対し、ビジネスの文脈、企業倫理、社会通念に照らして、その重要性と影響度を最終的に判断する。
・AIの分析結果に基づき、全社的なコンプライアンス体制や情報セキュリティポリシーを策定・改善する。
・グレーゾーンな事案や前例のない問題に対して、法的解釈を行い、経営陣や関連部門に対して具体的な対応策を提言する。監督官庁や監査法人との高度なコミュニケーションを担う。

AIは「脅威」ではなく、知性を拡張する「相棒」である

「AIに仕事を奪われるか」という問い自体が、もはや時代遅れなのかもしれない。いま考えるべきは「人間とAIの協業で、いかにして新たな価値を創造するか」である。

ケンタウロス・モデルは、AI時代における人間中心の働き方を示す羅針盤となる。

AIを恐れるのではなく、自らの知性と能力を拡張するための最強の「相棒」として受け入れ、乗りこなす覚悟を持つこと。それこそが、これからのビジネスパーソンに求められる姿なのである。

リスマネ部長 & 複業記者
久我 吉史
金融・IT・ビジネス系の記者歴20年超で、現役のビジネスパーソンでもある”複業”記者です。最近のキャリアでは、持株会社での子会社リスク管理や投資M&A関連のリスク管理を行なうリスマネ部長を務めてます。  過去の金融機関や事業会社でのIT企画・経営企画の経験も活かし、”現役”品質と”部下に読んでほしい視点”を大切にした記事制作を心がけています。もちろん最近注目しているのはAI関連のリスクです。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年9月16日(火) 発売

DIME最新号は、「あなたの知らない ポケポケの秘密」。開発の舞台裏やヒットの軌跡、今からでも楽しめる効果的な遊び方まで、知ればもっとポケポケが楽しくなる“ポケポケ現象”の秘密を徹底解明!特別付録は、BIGサイズの超限定「フォルクスワーゲンBUZZトート」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。