
顧客や取引先への第一印象を左右する重要なツールであるホームページは、情報発信や採用活動の要としても機能するので、近年ではリニューアルやデザイン改善に注力する企業も増えている。だが会社の顔ともいえる自社ホームページに対して、不満を感じている社員も少なくないという。インターネットリサーチなどを展開するNEXERは、Wix特化の制作会社のラジャと共同で、会社に勤めている全国の男女300名に「自社のホームページ」についてのアンケート調査を実施して結果を公開した。
約7割が自社にホームページが「ある」と回答
自社にホームページがあるかについては、69.0%が「自社にホームページがある」と回答。デジタル化が進む中で、まだホームページを持たない企業も約3割も存在している。自社にホームページがあると答えた人に満足度を質問すると、「とても満足している」と回答した人は14.5%で、「やや満足している」は53.6%と半数を超えていた。
「とても満足している」と回答した人の満足しているポイントでは、「必要な情報が要約されているから」(30代・女性)、「情報が整理されていて見やすく、知りたい内容にすぐアクセスできるところが気に入っています」(30代・女性)などのコメントがあった。「やや満足している」と回答した人の満足しているポイントでは、「大きく色彩もはっきりしていて見やすいから」(30代・男性)や「無駄な情報がなくシンプルにまとまっている点」(40代・女性)などのコメントがあった。
自社のホームページに満足している人の多くは、情報が整理されていて見やすい、必要な情報にすぐアクセスできるといった点を高く評価していた。ほかにも「色使いが見やすい」、「コンテンツが豊富」、「痒いところに手が届く」など細かな配慮にも好感を持っているようだ。定期的に更新されている点や無駄を省いたシンプルな構成など、実用性とデザイン性の両立が満足度の高さにつながっているという。
「満足していない」と回答した人も3割以上いたが、具体的には「あまり満足していない」が27.1%、「まったく満足していない」が4.8%という結果で、合計で31.9%が不満を感じていた。満足していないポイントでは、「デザインが古臭い」(20代・女性)や「情報があまり更新されていないから」(30代・男性)、「必要な情報が見つけづらい」(30代・女性)などの意見があった。デザインの古さや更新頻度の低さ、情報の不足といった点が不満につながっており、とくに「情報が見つけづらい」、「内容が簡素すぎる」といった声が多く、使いやすさや視認性の低さを課題として感じているようだ。第一印象やビジュアル面での不満も多く、ホームページの役割や印象の重要性が課題につながっているようだ。
35.7%が情報の更新頻度やデザインを改善してほしいと回答
自社のホームページに満足していない人に改善してほしいポイントを質問すると、「情報の更新頻度を上げてほしい」が19.3%でもっとも多い回答だった。それに「デザインの改善を望む」が16.4%、「事業内容や強みがわかりやすく伝わるようにしてほしい」が14%で続いた。「情報が古いので、もっと頻繁に更新してほしい」と回答した人は、「見る人が困ると思うから」(20代・女性)や「そういうのに得意な人が少ないので、更新が遅い」(30代・女性)、「退職した人が映り込んでいるから」(50代・男性)などさまざまな理由があった。「デザインの改善を望む」と回答した人の理由では、「2000年代みたいな雰囲気が漂っていてダサいから」(20代・女性)や「型にはまったような堅苦しくなく、面白みがあるものにしてほしい」(40代・女性)、「一目で必要な情報に辿り着けるようにしたい」(50代・男性)などがあった。
古いデータや退職者の掲載、更新の遅さによる信頼性低下を指摘する声が目立ったが、時代にマッチしないデザインや見づらさを改善して欲しいという人も多かった。分野や特徴が伝わらずに地味な印象になっている点や情報過多で読まれにくい構成も課題になっており、全体を通して最新性・視認性・訴求力を高める改善が求められているようだ。
自社のHPを制作するときに求められるポイントとは?
会社に勤めている人の69%が自社のホームページがあると回答しているが、そのうち31.9%が「満足していない」と感じているという。課題としては、「情報が見つけにくい」、「デザインが古い」、「更新されていない」といったことが挙がった。自社HP制作では、「お客さん目線」、「分かりやすさ」、「デザイン性」に加えて、採用ページの充実や費用の安さ、正確な情報発信も重視されており、視認性や内容の充実度、スマホ対応・多言語対応などユーザー目線に立った改善も必要だろう。働く人が満足するホームページ運営の必要性が感じられる調査結果だった。
「自社のホームページに関するアンケート」調査概要
調査対象者:会社に勤めている全国の男女
調査期間:2025年7月31日~2025年8月6日
調査手法:インターネットでのアンケート
有効回答:300サンプル
出典:NEXERとラジャによる調査
構成/KUMU