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怒りのピークは6秒間!アンガーマネジメントで冷静さを取り戻す3つの方法

2025.09.22
藤野綾子 (ライター・編集者・カウンセラー)

怒りは誰にでも湧き上がる自然な感情ですが、衝動のまま行動すると人間関係や職場環境を壊しかねません。この記事では、アンガーマネジメントの基本を解説し、深呼吸や固定観念の見直しなど、今日からできる怒りとの付き合い方を紹介します。

「もっとこうするべき」「普通はこうあるべき」。そうした思いが裏切られたとき、人はついカッとなってしまいがちです。しかし、その怒りの感情をそのまま表に出してしまっては、職場の雰囲気を悪化させたり、人間関係を損なうなど、円滑なコミュニケーションの妨げになりかねません。

実は、怒りの感情そのものは、自分を守るための自然な防衛本能なのです。大切なのは、怒らないことではなく、その怒りとどう向き合うか。そんな怒りを上手にコントロールするスキルを「アンガーマネジメント」と言います。

この記事では、アンガーマネジメントについて紹介し、怒りとの上手な付き合い方をお伝えします。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、簡単に言うと、怒りやイライラといった感情と上手く付き合い、コントロールするための心理トレーニング、またはスキルを指します。

アンガーマネジメントと聞くと、つい「怒らないことを目指す」ことだと考える方が多いですが、実はそうではありません。怒りの感情そのものを否定したり、無理に抑えつけたりするのではなく、怒りに任せた衝動的な言動を避け、その場の状況に合わせて適切に問題解決を図ることをアンガーマネジメントは目的としています。

アンガーマネジメントは1970年代にアメリカで生まれ、当初は軽犯罪者などのための矯正プログラムとして活用されていました。現在ではその有効性が広く認知され、教育やスポーツ、家庭、そしてビジネスの現場など、あらゆる場面で重要なスキルとして取り入れられています。

怒りの感情の正体は?

次に怒りについて解説していきます。冒頭で触れた通り、怒りは自分を守るための自然な防衛本能の1つと心理学では捉えられています。

人が怒りを覚えるときを考えると、日常生活では身の危険というよりも、自分の理想と現実とのギャップが起こったときに生じることが多いとされています。自分が描いた理想が満たされない、つまりは承認欲求が満たされないと人は怒りの感情を持ってしまうのです。

承認欲求は、人に認められたいという願望であり、誰もが持つものです。認められない思いが満たされないときに人は怒りよりも悲しみや不安という感情が生じます。その不安を自身の中では消化しきれなくなると、人は怒りを外部に放出させます。怒りを外部に出すことでストレスを発散しようとしているのです。これが怒りの正体となります。

怒りとうまく付き合っていく方法

怒りは自分を守るための自然な防衛本能であり、誰にでも湧き起こる感情です。しかし、周囲には、いつも穏やかで人間関係を円滑に築いている人がいるのも事実です。

その人たちも決して怒らないわけではありません。生まれた怒りの感情との付き合い方が上手なのです。

怒りの感情が生まれること自体をなくすことはできませんが、その後の付き合い方を知るだけで、不要なトラブルを減らし、自分自身も楽になるはずです。ここでは、怒りと上手く付き合っていくための方法をご紹介します。

1.イラっとしたら深呼吸をする

怒りの感情には、カッとなりやすい「衝動性」という特徴があり、そのピークは最初の“6秒間”と言われています。つまり、このわずかな時間をやり過ごせるかどうかが、衝動的な言動で後悔しないための分かれ道となります。

そこで有効なのが、怒りを感じた瞬間に、深呼吸をすることです。怒りを覚えたら、口からではなく鼻からゆっくりと息を吸い込み、心の中で6秒を数えてみてください。深呼吸にはリラックス効果があり、冷静さを取り戻す助けになります。ポイントは、呼吸や数を数えることに意識を集中させることです。

もちろん、6秒で怒りが完全に消え去るわけではありません。しかし、反射的に言葉を発したり、行動に移したりするのを防ぐことはできます。売り言葉に買い言葉で人間関係を損なうといった、取り返しのつかない事態を避けるために、まずは深呼吸を試してみてください。

2.固定観念にとらわれない

人が怒りを感じる根本的な原因の1つに、「~べき」という思考、すなわち固定観念があります。

「自分ならこうするのが当たり前」といった自分の中の価値観が強いと、相手の言動がそこから外れたときに「裏切られた」と感じ、怒りが生まれやすくなります。

しかし、自分にとっての常識が、必ずしも相手の常識であるとは限りません。人はそれぞれ異なる価値観や考え方を持っています。この怒りを根本から減らしていくためには、まず「自分の考えだけが正しいわけではない」と認識し、相手の価値観を一度受け入れてみることが大切です。

他者の考え方を受け入れ、許容できる範囲を広げていくことで、価値観の違いによる摩擦は自然と減っていきます。固定観念にとらわれず、思考を柔軟にすることが、不要な怒りを生まないための大切なステップです。

3.自分のできることに注目する

怒りの感情に振り回されないためには、問題の原因を、自分でコントロール“できること”と“できないこと”に切り分けて考えることが効果的です。

例えば、電車の遅延や交通渋滞など、自分の力ではどうにもならない事柄に対してイライラしても状況は改善しませんし、自分自身ではどうすることもできません。こうした外的要因による事柄に怒りのエネルギーを注ぐことは、心身を消耗させてしまうだけです。

大切なのは、「これは自分に変えられる問題か?」と自問し、コントロール不可能なことであれば仕方ないと受け入れる姿勢を持つことです。

解決できない問題は手放し、自分が変えられる行動や考え方にのみ意識を向ける。この習慣が身につけば、不要な怒りを感じる場面が減り、無駄なエネルギーを使わずに済むようになります。

【参考】日本アンガーマネジメント協会

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ライター・編集者・カウンセラー
藤野綾子
精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。

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