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揚げ物の油で飛行機が飛ぶ!? 次世代航空燃料『SAF』製造装置に親子で潜入【PR】

2025.09.22PR

揚げ物に使った油を燃料として再利用する――そんな夢のような技術が、いよいよ現実のものになった。それが化石資源以外を原料とする次世代航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」だ。日本でもSAFの活用に向けた取り組みが加速するなか、コスモエネルギーグループは国内初となる大規模製造装置を建設し、国産SAF製造を牽引する企業として注目を集めている。今回はそのSAF製造装置を構える大阪府堺市のコスモ石油 堺製油所を親子で訪問。家庭で生じた使用済み油が航空燃料へと生まれ変わる現場を、間近で体験してきた。

1.空のエネルギーを変えるのは“使用済み油”!?

いま、エネルギー分野で世界的に注目されている航空燃料が「SAF」だ。Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略で、化石資源以外を原料としており、使用済み油や木くず、植物などその種類や製造方法は多岐にわたる。

ICAO(国際民間航空機関)の算出に基づくと、使用済み油を原料としたSAFは石油燃料と比べ、生産から流通、廃棄といったライフサイクル全体でCO2排出量を最大84%削減できる。そのため、環境負荷の大幅な軽減が可能だ。

2016年にはユナイテッド航空が定期便での使用を開始し、欧州でも2025年からSAFの供給義務化が始まるなど、海外では実用化に向けた動きが加速している。日本でも2030年までに国内ジェット燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標が掲げられた。そして2024年12月、コスモエネルギーグループにより国内初となる国産SAFの大規模製造装置が完工し、4月より稼働をスタートしている。

各家庭から回収された使用済み油は、全国の収集拠点に集められ、水分や夾雑物を取り除いたうえで製造装置へ送られ、SAFへと精製される

2. 潜入!SAF製造装置 in 堺

今回特別に、SAF製造装置を田中さん一家が見学することに。小学2年生のみなと君は「唐揚げの油で飛行機が飛ぶなんて信じられない。とても楽しみ!」とワクワクが隠せない様子。

田中さんの家庭では、みなと君の好物である唐揚げをよく作っている。使用後の油は、今まで固めて捨てていたそう。

訪れたのは、コスモ石油堺製油所内にあるSAF製造装置。年間約3万キロリットルのSAF製造能力を持つ、国内で初となる量産設備だ。

製造装置へ運ばれた使用済み油は、およそ1日かけてSAFへと生まれ変わる。3万キロリットルあれば、飛行機で東京とイギリスの首都ロンドンを350往復(※)できるそうだ。
※30%混合のSAFを利用してジャンボジェットで東京-ロンドン間約1万キロメートルを飛行した場合。

SAF製造の事例がまだ少ない中、国内初となる国産SAF製造の事業化には多くの苦難があったと担当者は明かす。

「本事業にはコスモ石油に加え、原料調達や輸送を担うレボインターナショナル、サプライチェーン全体の構築を担う日揮ホールディングスが参画しています。2022年には3社の共同出資によりサファイアスカイエナジーを設立しています。これにより、各社の知見とノウハウを結集するだけでなく、綿密な原料調達ネットワークと安定した製品供給のサプライチェーンを構築することができました。」(コスモ石油担当者)

茶色い廃食用油(左)から生まれるSAFは無色透明(右)。臭いもほとんどなく、鼻を近づけたらかすかに灯油のような臭いがする程度だ。

製造されたSAFは配管を通って製油所内の桟橋近くのタンクへ送られる。その後タンカーに積載されたSAFは空港へと届けられ、航空燃料として使用される。

回収された使用済み油は専用のタンクで保管される。タンク内に保管されるのは半日程度で、すぐにSAF製造のために消費される。

次に向かったのはモニタリングルームだ。ここではSAF製造装置を含む製油所内全ての機器を一括管理している。

「バルブを含むほぼすべての装置は、ここで一元的に制御されています。ただし、ガス検知や地震発生といった異常時には、すべての装置が一斉に停止する仕組みになっており、トラブルが起きても安全が確保されています」(コスモ石油担当者)

家や学校では見かけない数多くの計器やモニターを前に、みなと君は目を輝かせていた。

3. SAFの未来と、私たちにできること

家庭からの使用済み油の持ち込みを促す取り組みも広がりつつある。日揮ホールディングスが推進し、コスモエネルギーグループも参画するプロジェクト「Fry to Fly Project」では、家庭や店舗などで発生する使用済み油を原料とするSAFで航空機が飛ぶ世界の実現をめざし、自治体イベントや商業施設での使用済み油の回収・周知を行なっている。

コスモエネルギーグループは、大阪府堺市と協定を結び、市内のコスモ系列サービスステーションに使用済み油の回収ボックスを設置している。

向かったのはセルフステーション長曽根。ここでは月間30~50リットルの使用済み油が回収されている。

回収用ボックスはサービスステーションのサービスルーム内に設置されている。油を入れる容器は、スクリューキャップ式のペットボトルのような密閉性が高いものであれば種類は問わないそうだ。

回収可能な油の種類は、常温で液体の植物油のみ。牛脂やラードなどの動物性油脂、バターやマヨネーズといった常温で個体のものは不可。

国内の使用済み油の発生量のうち、事業系のものは年間40万トン、家庭用は年間10万トンにおよぶ。事業系のものは大部分を回収し、飼料や工業原料などに再利用しているが、家庭で発生したものの多くはまだ活用されていないのが現状だ。

「廃棄している分をSAFという形でリサイクルできれば、未利用資源を活用できますし、環境への影響も抑えられる。さらに、事業系の使用済み油のうちおよそ12万トンは、いま海外でSAFなどに加工されて再び輸入されています。国内でのSAF製造が安定すれば、この国外流出分を国内で循環させることも期待されます」(コスモ石油担当者)

これを実現するためには市民の協力が欠かせない。そこでコスモ石油は大阪府堺市と吹田市、そして東京都内のコスモ系列サービスステーションで回収ボックスを設置している。

「いずれは多くの自治体を巻き込んで、ペットボトルやプラスチックと同じように、資源回収のような形で使用済み油も回収されることを期待したいです」(コスモ石油担当者)

小学5年生のすみれちゃんも、今回の見学を通じて意識が変わったようだ。

「これからはお母さんと一緒に油を集めて、飛行機を飛ばすお手伝いをしたいです」(すみれちゃん)

SAFを通じて地球環境がより良いものになるのはもちろん、次の世代の学びになり、それが未来を守る行動にも繋がるかもしれない。まずは身近な一歩として、普段の料理で使った油をペットボトルに詰めて、近くのサービスステーションに持ち込んでみよう。

SAF特設サイトはこちら
サービスステーションの検索はこちらから

※上記の検索ページにて、「サービス」→「廃食用油回収」で廃食用油回収対応のサービスステーションを検索できます。

<HugKum記事はこちら

取材・文/桑元康平(すいのこ) 撮影/安河内聡

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