面接の質問作成や回答準備にAIを活用すれば、作業の効率化や模擬面接が可能になる。本記事では、面接の質問を作成するプロンプトについて、例文を用いて詳しく解説する。
目次
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIは、あらゆるビジネスシーンでその能力を発揮している。面接においては、質問作成にAIを活用することで応募者は実践的な面接練習が可能になり、面接官は候補者の本質を見極める質問を効率的に作成できるようになる。
しかし、その真価を引き出せるかは、AIへの指示文、プロンプトによるところが大きい。
本記事では、面接の質を向上させるための具体的なプロンプト例から、応募者・面接官それぞれの立場でのプロンプトの活用法、AI利用における注意点までを網羅的に解説する。
【シチュエーション別】面接質問プロンプト例一覧
プロンプト(AIへの指示)は、具体的で明確であるほど精度が高まる。以下で紹介するプロンプト例を参考にしつつ、状況に合わせて情報の追記や修正を加え、面接対策や採用業務の効率化に役立ててほしい。
■新卒面接のプロンプト例
新卒採用の面接では、志望動機の他に学生時代の経験や将来像などが問われる。「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」や自己PRは、重要な判断材料だ。プロンプトには、エントリーシートに記載される内容も含めることで、より実践的な質問が生成される。
【プロンプト例】
あなたはの新卒採用面接官です。一次試験において学生の主体性と課題解決能力を見極めるための面接質問を5つ作成し、各質問の意図と評価の観点をリスト化してください。学生のバックグラウンド情報(○○学部・○○専攻)について深掘りする形式でお願いします。
■転職面接のプロンプト例
転職面接で面接官が判断するポイントは、即戦力としてのスキルと実績だ。過去の職務経歴での実績と、それらが自社の課題解決にどう活かされるかが慎重に評価される。また、前職の退職理由や仕事に対する価値観、組織への定着性なども見極められる。
【プロンプト例】
あなたは、当社のWebマーケティング部門の採用責任者です。候補者の職務経歴書を参照し、その実績の具体性と再現性を測るための質問を5つ作成してください。特に、○○について、具体的な課題内容と候補者がどのような根拠で何を行ったのかを明確にする質問を重視してください。
■パート・アルバイト向けのプロンプト例
パートやアルバイト向けの面接では、勤務可能時間やコミュニケーション能力、仕事への責任感など実務に直結する項目の確認が中心だ。接客業であれば、明るさや店の雰囲気に合った対応ができるかなど、人柄もポイントになる。
【プロンプト例】
あなたはカフェの店長です。パート・アルバイトの応募者に対し、勤務条件と自店への適合性、仕事への責任感を確認するための簡潔な質問を5つ作成してください。
■逆質問のプロンプト例
面接終盤に面接官より「何か質問はありますか?」と問われる逆質問は、応募者と面接官のコミュニケーションや相互理解を深める機会となる。応募者としては、企業研究の深さや入社意欲の高さをアピールできる絶好のチャンスだ。プロンプトでは、企業の未来や自身の貢献度などに触れることを意識した設計をしよう。
【プロンプト例】
私は○○社の営業職に応募しています。近年の業務展開の内容を踏まえ、面接官に入社意欲が高いと感じさせる逆質問を3つ作成してください。
面接の質問をAIで生成する際のプ注意点
実際の面接では、応募者へのプライバシー配慮や法令遵守が求められる。特に、個人の思想信条や家庭環境など、能力とは無関係な質問は就職差別につながる恐れがあるため注意が必要だ。そのため、AIへのプロンプトもセンシティブな話題を避ける点や、時代に適した倫理観に沿うことなどを意識する。
ここでは、応募者への配慮をプロンプトに反映させる方法と代表的なNG質問について確認しておこう。
■NGワードの除外方法
NGワードや触れるべきでないトピックをプロンプトに明記することで、差別的な質問やプライベートに踏み込むような質問が生成されるリスクを低減できる。
【プロンプト例】
あなたはITサービスを提供する企業の採用担当で、面接官です。新卒採用面接で想定される質問を5つ生成してください。
ただし、次のテーマは質問から除外すること。
家族構成/結婚/出産計画/宗教/思想/本籍地/健康状態
■倫理的配慮の指示例
より包括的な対策として、プロンプトに倫理的な制約条件を加える方法がある。公正な採用選考を行うという役割と目的を明示することで、不適切な質問をフィルタリングするよう促せる。
【プロンプト例】
あなたは、食品会社○○の採用担当者です。応募者の潜在能力とチームへの貢献度を見極めるための質問を5つ作成してください。質問は、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」に準拠し、プライバシーを尊重する内容でお願いします。
■NG質問の一覧
プロンプト作成の有無にかかわらず、NG質問に関しては応募者も面接官も一通り把握しておこう。
・家族構成や恋愛、結婚などプライベートに関する内容
・出身地や本籍地など、本人に責任のない内容
・政治思想や信条、宗教など、個人の自由である内容
・病歴や障害の有無など、健康状態に関する内容
・資産など経済状況に関する内容
【応募者向け】面接質問プロンプトの活用法
面接質問のプロンプトは、単なる想定問題集を作るだけでなく、工夫次第でより実践的な活用ができる。一人では難しい客観的なフィードバックを得たり、深掘り質問への対応力を身に付けたりと、さまざまな面接スキル向上に役立つだろう。
■模擬面接のシナリオ作成
AIに面接官役を演じてもらい、対話形式で模擬面接をすると効果的だ。ChatGPTなど、音声モードに対応しているAIであれば、本当に面接官と会話しているように練習ができる。
フィードバックを求めるプロンプトを追加すれば、自分の回答の傾向や改善点が洗い出され、より質の高い模擬面接が可能になる。
■よくある質問と回答の作成
自己PRや志望動機といった必ず聞かれるであろう質問に対し、あらかじめ自分の経験をインプットしてAIに回答を生成してもらうのも良いだろう。
単に文章を作らせるだけでなく、論理的で説得力のある構成にすることで、定番の質問でライバルに差をつける回答ができる。
■深掘り2層質問の設計
面接において、最初の回答の後に聞かれる「なぜ?」「具体的には?」といった深掘り質問は、対応力の評価につながる。
AIに自分の回答を提示し、それに対して想定される深掘り質問を複数作成させることで、自身の回答の弱点を事前にチェックでき、より精度の高いシミュレーションが可能になる。







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