AIを活用することで、会議議事録の作成から整理、共有までの作業を効率化できる。プロンプトを工夫して、正確で実務に役立つ議事録を作成しよう。
目次
会議のたびに時間を取られる議事録作成は、多くのビジネスパーソンにとって負担の大きい業務だ。AIを活用すれば、この作業を効率化できるだけでなく、内容の精度を高められる。本記事では、事前準備から具体的なプロンプト例まで、実務でそのまま役立つ方法を解説する。
会議議事録をAIで作成する方法
AIを活用すれば、従来は手間のかかった会議議事録を効率的にまとめられる。ここでは準備から実際の作成までの流れを解説する。
■事前に準備しておくこと
AIで会議の議事録を作成するには、まず議論の内容をテキスト化するための素材が欠かせない。具体的には、会議中に取ったメモや録音データを文字起こししたものが必要だ。
録音からの文字起こしは、専用ソフトや自動変換ツールを用いると効率が良い。元のテキストが正確であればあるほど、AIが出力する議事録の質も高まるため、ノイズの少ない録音環境を整えたり、発言者を識別できるようにしたりする工夫をしておくと良いだろう。
また、会議の目的や議事録に求められる形式(箇条書き、要点中心、詳細記録など)を事前に整理しておけば、後のAI活用がよりスムーズに進められる。
■AIを使った議事録作成の基本的な流れ
AIを用いた議事録作成は、大きく「素材準備」「AI処理」「内容確認」の3ステップに分けられる。
まず、会議を録音・録画し、それを文字起こしツールなどでテキスト化する。次に、そのテキストをChatGPTに読み込ませ、議事録としてまとめるよう指示を与える。
最後に、AIが生成した議事録を人間が必ず確認し、誤字脱字や意図の誤解を修正することが重要。その上で社内フォーマット向けに整えれば、実務で使える完成度の高い議事録が完成する。
議事録作成プロンプトに含めるべき要素
AIに正確で実用的な議事録を作成させるには、プロンプト設計が重要だ。具体的に盛り込むべき内容と実用例を見ていこう。
■プロンプトに盛り込むべき基本内容
議事録作成の精度は、プロンプト設計に大きく左右される。単に「議事録を作って」と指示するだけでは十分な成果は得られず、必要な要素を明示することが不可欠だ。
基本として、まず会議の目的を明確に伝えることが重要。意思決定の記録なのか、進捗確認なのかを指定するだけで、抽出される情報が変わる。また、日時・場所・参加者・議題・決定事項・次のアクションといった出力フォーマットを指定すれば、整然とした構成で出力されやすい。
さらに、敬称の省略や文体の指定など表現ルールを加えれば、後編集の負担を軽減できる。最後に「感情的な表現を避け、事実のみを記録する」と明示すれば、客観的な議事録作成が可能。これらを組み込むことで、業務で活用できる実用的な成果物が得られる。
■汎用的に使えるプロンプト例
議事録作成においては、会議の種類や目的が異なっても共通して役立つプロンプトを準備しておくと効率的だ。以下のプロンプトは、どのような会議にも適用可能なテンプレートだ。会議内容を文字起こしして入力すれば、誰でも理解しやすく整理された議事録を効率的に得られる。
【実際に使えるプロンプト例】
あなたは議事録作成のアシスタントです。以下の指示に従い、会議の内容を整理してください。
#会議情報
日時:2025年1月1日 13:00-14:00
場所:Zoom
参加者:田中、佐藤、鈴木
議題:新規プロジェクト進捗確認会議
#出力要件
- 会議の基本情報(日時/場所/参加者/議題)を冒頭に整理する
- 発言内容は参加者ごとに簡潔に要約する
- 決定事項は「決定事項」として明示し、太字で強調する
- ネクストアクションは担当者と期限を明記する
- 文体は簡潔で客観的にまとめ、感情的な表現は避ける
#出力形式
- 会議情報
- 議題ごとの要点
- 決定事項(箇条書き)
- 次のアクション(担当者/期限)
実務に役立つ応用プロンプト例
AIを使った議事録作成は、用途や目的に応じてプロンプトを工夫することで精度と効率が大きく向上する。実務で使いやすい例を紹介するので、参考にしてほしい。
■シンプルな要約プロンプト
AIに文章を要約させる基本的なプロンプトだ。重要ポイントを押さえつつ、指定文字数で簡潔にまとめることを目的とする。
【プロンプト例】
以下の文章を200文字程度で要約してください。
※ここに文章を貼り付け※
重要なポイントを3つ含め、文章形式で出力してください。
■発言者別に整理するプロンプト
会議記録を発言者ごとに整理し、長文や雑談を省きながら要点を簡潔にまとめる際に用いる。
【プロンプト例】
次の会議記録をもとに、発言者ごとに簡潔にまとめてください。
- 長すぎる発言は要約
- 重複や雑談は省略
— 会議記録 —
※ここに記録を貼り付け※
■会議目的別に使い分けるプロンプト
会議の種類に応じて議事録形式を変えることで、実務上の利便性を高める。進捗、営業、企画の会議例を紹介しよう。
進捗会議
次のプロジェクト進捗会議をもとに、議事録として以下の形式でまとめてください。
###タスク進捗
| タスク名 | 担当者 | 進捗率 | 課題 | 期限 |
###課題とアクション
– [課題]:[対応策](担当:[名前]、期限:[日付])
進捗率や課題はできるだけ具体的に反映し、未解決事項や次回までのアクションが明確にわかるようにまとめてください。
営業会議
営業会議の議事録として「成果と今後のアクション」を重視してまとめてください。
・売上やKPIの進捗状況
・課題と改善策の提案内容
・次回までのアクションプランと責任者
・顧客・市場から得られたインサイト
・ 次月の営業戦略
数字は必ず明記してください。
企画会議
企画会議の議事録として創造的発想と実務的観点を重視してまとめてください。
・提案されたアイデアや着想のポイント
・ 実行可能性やリスク評価
・予算見積りと進行スケジュール
・関与するメンバーの役割と責任
ブレインストーミングの過程や意見交換も要約に含めてください。
AIを活用した会議議事録の作成ポイント

AIを使えば議事録作成の効率は大きく高まるが、精度や安全性を確保する工夫も欠かせない。ここでは、実務で意識すべき重要なポイントを整理する。
■精度を高めるために生成後に見直す
AIが作成した議事録は、一見整って見えても重要な発言が抜け落ちていたり、意味が微妙に変化していたりする場合がある。そのため、生成された内容をそのまま利用するのではなく、必ず人の目で確認することが必要だ。
特に決定事項や担当者に関する記述は、誤りがないかを重点的にチェックしよう。また、同じ会議を異なるプロンプトで処理すると出力が変わる場合があるため、社内で統一したフォーマットや指示文を整備しておくことが望ましい。
■セキュリティ・機密保持を徹底する
議事録には経営戦略や個人情報など、外部に漏れると深刻なリスクを伴う情報が含まれる場合が多い。そのため、AIに入力する前に内容を確認し、固有名詞や数値などは匿名化してから利用すると良い。
さらに、ツール側のデータ管理設定を見直し、履歴が学習に使われないよう制御することも重要だ。機密度の高い会議ではAIの利用を避ける判断も必要であり、社内ガイドラインを策定して使い分けを明確にしておく必要がある。
■議事録をタスク管理ツールや共有ツールと連携する
会議の記録をただ保存するだけでは、業務改善にはつながらない。生成した議事録をタスク管理ツールに連携すれば、決定事項をその場でタスク化でき、担当者や期限の設定も容易になる。
また、共有ツールを使えば遠隔地のメンバーともリアルタイムで情報を共有でき、プロジェクト全体の透明性が高まる。検索性の高いツールを選べば過去の議論の参照も迅速になり、会議の生産性がさらに向上するだろう。議事録を単なる記録ではなく、次の行動につなげる仕組みと組み合わせることが重要だ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部







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