よくあるエラーと対処法
EFFECT関数を使用する際に発生する代表的なエラーについて、その原因と対処法を解説する。
■#NUM!エラー
期間数に0以下の数値を入力した場合に表示される。
対処法:期間数は「1以上の正の整数」で指定する必要がある。
■#VALUE!エラー
数値として認識できない文字列を引数に入れた場合に表示される。
対処法:引数には数値(実数または%形式)を正しく入力すること。
まとめ
EFFECT関数は、複利効果を考慮した正確な利回り計算を行うための非常に便利なエクセル関数である。名目年利だけでは判断できない実質的な金利を明らかにし、投資判断や借入評価において大いに役立つ。
また、NOMINAL関数や他の金融関数と組み合わせて使うことで、より多角的な金利分析が可能となる。実務でも使える場面が多いため、ぜひ習得しておきたい関数の一つである。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
- EFFECT関数とは
- 名目年利と年間の複利回数から、実効年利を求める関数。
- 実効年利とは?
- 複利効果を加味した実際に受け取る・支払う年利率のこと。名目年利より高くなるのが一般的。
- 構文
- =EFFECT(名目利率, 期間数)
- 名目利率:例)5% → 0.05(または 5%)
- 期間数:1年あたりの複利回数(例:月複利なら 12)
- 使用手順
- 名目年利と複利回数を確認
- Excelでセルに =EFFECT(利率, 回数) を入力
- 実効年利が小数で表示される
- 使用例
- 月複利:=EFFECT(0.05, 12) → 約5.12%
- 四半期複利:=EFFECT(5%, 4) → 約5.09%
- 日次複利:=EFFECT(5%, 365) → 約5.13%
- 活用シーン
- 投資商品の実質利回り比較
- ローン商品の実効金利算出
- 企業の資金調達コスト分析
- 関連関数との違い
- NOMINAL:実効年利 → 名目年利を逆算
- RATE:支払い条件から利率を推定
- FV/PV:将来価値・現在価値の計算
- 注意点
- 期間数は1以上の正の整数でなければ#NUM!エラー
- 引数に文字列など不正な値を入れると#VALUE!エラー
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構成/編集部