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【図解】ExcelでDSTDEVP関数を使って「標準偏差」を計算する方法

2025.09.30

DSTDEVP関数は、データベースから条件に合致するものを抽出し、それらを母集団とみなして標準偏差を求める関数だ。テストの点数の分散状況を把握する場合などに役立つ。

DSTDEVP関数の使い方がよく分からない、という方もいるのではないだろうか。DSTDEVP関数は標準偏差を求められる関数で、他のデータベース関数に比べて難しいのが特徴だ。

本記事ではDSTDEVP関数の使い方について解説する。DSTDEVP関数とSTDEV.P関数の違いについてもまとめている。

DSTDEVP関数とは?

DSTDEVP関数とは、特定条件に合致する値の標準偏差を求める関数である。データベース関数の1つであり、データベースからデータを抜き出し、集計処理を行うことができる。

DSTDEVP関数は、特定条件に合致するデータ群を母集団とみなし、その母集団の標準偏差を返す。データベースのデータ全体を母集団とみなすわけではない点には注意だ。

■分散とは?

分散とは、データのばらつき度合いを示す指標のことである。分散の値が大きいほど、データのばらつきが大きいということである。たとえば、クラスのテスト点数結果の分散が大きい場合、点数が高い人と低い人のばらつきが激しいということになる。

テストの平均点を見るだけでは、クラス全体の習熟度を把握することができない。何人か飛び抜けて点数が高い人がいる、という可能性も考えられるためである。

平均点に加えて分散状況が分かれば、クラス全体の習熟度を把握しやすくなる。

■標準偏差とは?

分散の1つに「標本分散」というものが存在する。標本とは、母集団から抽出した一部のデータ群のことである。標本分散はその標本データから求められる分散のことだ。

標準偏差とは、標本分散の平方根を取ったものである。たとえば、標本分散が144なら、標準偏差は12ということになる。

標準偏差の特徴は、標本分散よりも感覚的に理解しやすいことである。そのため、標本分散よりも標準偏差が用いられることが多い。

たとえば、テストの偏差値も標準偏差を元に計算されている。

■DSTDEVP関数の基本的な構文

DSTDEVP関数の基本的な構文は次のとおり。

  • =DSTDEVP({データベース},{フィールド},{検索条件})

それぞれの意味は次のとおりである。

  1. データベース ⇒ データベースのセル範囲を指定する
  2. フィールド ⇒ 標準偏差を求めたいデータがあるフィールド名を指定する
  3. 検索条件 ⇒ 検索条件が記載されているセルの範囲を指定する

DSTDEVP関数で標準偏差を計算する方法

DSTDEVP関数で標準偏差を求める具体的な方法を解説する。

DSTDEVP関数によって次の3つを行う方法を順番に解説しよう。

  1. 1つの条件に合致する値を検索
  2. 複数条件に合致する値を検索
  3. 条件範囲の値を検索

■1.1つの条件に合致する値を検索

以下のように、テストの点数がまとめられたデータベースを作成しよう。出席番号・クラス・性別・名前・点数のラベルがある。

データベース横に検索条件を記載する。(クラス=”B組”)

今から、B組の点数を母集団とみなし、標準偏差を求めてみる。

B組の点数

以下では「=DSTDEVP(A1:E10,E1,G1:G2)」としている。

B組の点数の標準偏差

実行すると「13.572…」と表示され、B組の点数の標準偏差が求められている。

標準偏差が表示

■2.複数条件に合致する値を検索

今度は検索条件を複数にしてみよう。以下のように検索条件を記載する。(クラス=”B組”,性別=”女”)

B組の女性の点数を母集団とみなし、標準偏差を求めてみる。

B組の女性の点数

以下では「=DSTDEVP(A1:E10,E1,G1:H2)」としている。

B組の女性の点数の標準偏差

実行すると「16.5」と表示され、B組の女性の点数の標準偏差が求められている。

標準偏差が表示

■3.条件範囲の値を検索

今度は、検索条件を次のように指定しよう。(クラス=”B組”,点数>=”80”)

B組で点数が80点以上の得点を母集団とみなし、標準偏差を求めてみる。

80点以上

以下では「=DSTDEVP(A1:E10,E1,G1:H2)」としている。

80点以上の標準偏差

実行すると「6.5」と表示され、B組で80点以上の得点の標準偏差が求められている。

「6.5」と表示

DSTDEVP関数とSTDEV.P関数の違い

DSTDEVP関数はデータベース関数の1つであり、基本的には、データベースに対して使う。データベースから特定条件に合致するデータを抜き出し、それらのデータを母集団とみなして、標準偏差を求める関数である。

STDEV.P関数は同じく標準偏差を求める関数である。だが、STDEV.P関数はデータベース関数ではない。与えられたデータ全体をそのまま母集団とみなして、標準偏差を求める。

たとえば、「=STDEV.P(100,90,80)」とすれば、100・90・80の標準偏差が求められる。

関連記事:「Excelの分散」って何?覚えておきたい標本分散、不偏分散、標準偏差を求める関数の使い方

まとめ

本記事ではDSTDEVP関数の使い方について解説した。最後に、DSTDEVP関数の基本的な構文についておさらいしよう。

  • =DSTDEVP({データベース},{フィールド},{検索条件})

それぞれの意味は次のとおり。

  1. データベース ⇒ データベースのセル範囲を指定する
  2. フィールド ⇒ 標準偏差を求めたいデータがあるフィールド名を指定する
  3. 検索条件 ⇒ 検索条件が記載されているセルの範囲を指定する

また、分散や標準偏差などの意味についてもおさらいしておく。

  1. 分散:データのばらつき度合いを示す指標
  2. 標本分散:標本データから求められる分散
  3. 標準偏差:標本分散の平方根を取ったもの

DSTDEVP関数を使えば、本来は複雑な計算が必要である標準偏差も簡単に求められる。

関連記事:覚えておくと便利!Excelの変動係数を使ってデータのバラつき具合を数値化する方法

構成/編集部

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