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DSTDEV関数を使ってExcelで条件付きの「標準偏差」を計算する方法

2025.10.01

類似関数との比較と使い分け

標準偏差を扱う関数は他にもあるため、用途に応じた使い分けが重要である。

■DSTDEVP関数との違い

DSTDEV関数は標本を前提とした関数であるのに対して、DSTDEVP関数は母集団全体の標準偏差を求める関数である。

DSTDEVP関数を用いて母集団全体の標準偏差を求めたエクセルの売上表
  • DSTDEVは「標本標準偏差」→ 分母が (n − 1)
  • DSTDEVPは「母集団標準偏差」→ 分母が n

つまり、分母が違うことで、結果も異なる値になる。

調査や抜き取り検査など「全体の一部」による分析にはDSTDEVを用いる。

■STDEV.S関数やAVERAGE関数との違い

STDEV.S関数はセル範囲の標本標準偏差を求めるが、条件指定はできない。下記のように指定範囲のデータのばらつきが得られる。

STDEV.S関数を用いてセル範囲でしていた売上データの標本標準偏差を求めたエクセル売上表

AVERAGE関数は単純な平均値であり、ばらつきはわからない。

AVERAGE関数を用いて売り上げの平均値を求めたエクセルの売上表

DSTDEV関数は「条件付き×標本標準偏差」である点が特徴となる。

DSTDEV関数を使う際の注意点

正しい結果を得るためには、いくつかの注意点を理解しておく必要がある。

■データ件数が1件以下ではエラー

標本標準偏差は2件以上のデータが必要であり、1件だと #DIV/0! エラーになる。条件によって抽出件数が1件になる場合には注意。

■条件範囲の見出しに注意

条件範囲の見出しはデータベースと完全一致させる必要がある。スペースや全角・半角の違いが原因で正しく動作しないことがある。

まとめ

DSTDEV関数は、エクセルの中でも条件付きの標本標準偏差を求められる貴重な関数である。構文は少々独特だが、使いこなせれば「条件付き分析」の幅が広がり、データの信頼性と分析精度が格段に向上するだろう。類似の関数との違いや注意点を理解し、目的に応じて正しく活用していきたい。

本記事の内容を以下で簡単におさらいしよう。

  • DSTDEV関数とは
    • 条件に合うデータのみを対象に標本標準偏差(ばらつき)を計算する関数。
  • 標準偏差との違い
    • 標準偏差には「母集団」用(DSTDEVP)と「標本」用(DSTDEV)がある。
    • DSTDEVは全体の一部データに基づいてばらつきを推定する。
  • 構文
    • =DSTDEV(データベース, フィールド, 条件)
    • データベース:列見出し付きの表範囲
    • フィールド:計算対象の列名または番号
    • 条件:抽出基準を含む範囲
  • 使用手順
    • 表と条件範囲を用意
    • 関数を入力
    • 条件に該当するデータから標本標準偏差を自動算出
  • 活用シーン
    • 営業成績の比較、品質管理、アンケート結果の分析など
  • 類似関数との違い
    • DSTDEVP:母集団の標準偏差
    • STDEV.S:条件なしの標本標準偏差
    • AVERAGE:平均のみでばらつきは分からない
  • 注意点
    • データ件数が1件以下だとエラー
    • 条件範囲の見出しと表の見出しは完全一致させること

関連記事:「超かんたん!Excelで標準偏差を計算する方法

構成/編集部

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