カバートアグレッションとは、善意を装いながら相手を攻撃することをいいます。自分を守るためにうそをついたり、相手に罪悪感を持たせたりするのが特徴です。
目次
カバートアグレッションとは?
表面的には親切で良い人に見えるのに、なぜか一緒にいると疲れてしまう人はいませんか。そのような人は、善意を装いながら巧妙に他人を心理的に攻撃する『カバートアグレッション』を、持っている可能性があります。
まずは、カバートアグレッションの基本的な概念や、原因について知っておきましょう。
■善意を装って攻撃すること
カバートアグレッションとは、表面的には善人を装いながら、実際には他人を心理的に攻撃することをいいます。
直接的な暴力・暴言を使わず、優しい態度や親切な言葉を巧みに使って、相手をコントロールしようとするのが特徴です。
周囲からは良い人に見られがちですが、本心では他者を自分の思い通りに動かそうとする意図が、隠れていることがあります。
特に、「この人は攻撃しても大丈夫そう」と判断した人には、徐々に攻撃を強めていく傾向があるでしょう。
■カバートアグレッションになる原因
カバートアグレッションの主な原因には、他者への強い不安や恐怖心のほか、劣等感や過去の心理的傷、承認欲求など、さまざまな心理的要素が絡んでいます。
過去のトラウマや幼少期のいじめ、虐待などの経験により、他人を信用できなくなった結果、自己防衛として攻撃的な態度を取るようになります。
また、自己肯定感の低さも大きな要因の一つです。ありのままの自分に価値を感じられず、他人を攻撃することで相対的に自身の優位性を保とうとします。
承認欲求の強さから、周囲からの評価を操作するために、相手を貶める行動を取ることもあります。これらの要因が組み合わさり、カバートアグレッションの行動パターンが形成されるのです。
■カバートアグレッションの末路
カバートアグレッションを行う人は、表面的には友好的に見えても、その行動が徐々に周囲に見抜かれてしまうこともあります。
時間がたつにつれて、同僚や友人は違和感を覚え、次第に距離を置くようになるでしょう。権力や役職を持っていた人がその立場を失うと、それまで周囲にいた人々が離れていくこともあります。
長期にわたってカバートアグレッションを続けていると、信頼できる友人関係を築きにくくなるかもしれません。無意識に他人を振り回し続けた結果、年齢を重ねてから孤独な状況に陥ってしまう可能性もあります。
カバートアグレッションの主な特徴

カバートアグレッションを持つ人には、特徴的な行動パターンがあります。ここでは、代表的な特徴を紹介します。
■巧妙にうそをつく
カバートアグレッション傾向のある人は、自分が優位に立つため巧妙なうそをつきます。完全なでたらめではなく、事実に近い内容を巧みに歪曲するのが特徴です。
例えば、職場でミスをした際、「実は自分も違和感があったが、○○さんの意見に従った」などと、実際にはなかった事実を作り、責任を他者に転嫁する場合があります。
また、注目を集めるために、過去を美化したうそをつくこともあるでしょう。カバートアグレッションのうそは巧妙に隠されているため、見抜くのが困難です。
しかし、注意深く観察すれば、発言内容の一貫性や不自然な被害者ぶりに気付けるでしょう。
■相手に罪悪感を持たせる
相手に強い罪悪感を抱かせることで、自分に有利な立場を得ようとするのも特徴の一つです。自分の立場が悪くなると、被害者のように振る舞い、相手の行動を誘導するケースがあります。
例えば、「○○さんのために頑張ったのに、そんなひどい言い方をするなんて」と言われた相手は、「私が悪いのかな」「申し訳ないことをした」と感じてしまうでしょう。
また、問題を指摘されると、感情的に反論して相手を困惑させることも挙げられます。頻繁にこうした言動をする場合、カバートアグレッションの可能性があるでしょう。
■突然怒り出す
普段は穏やかに見えても、矛盾を指摘されたり、仕事がうまくいかなかったりすると、急に激しく怒り出すことがあります。
これは、周囲の人を動揺させて主導権を握るための戦略的な手段です。大勢の前で感情的になると、周りの人は場の空気を読んで何とか丸く収めようとします。
カバートアグレッション傾向のある人は、周囲の心理状態を利用し、相手の行動・反応を制限して自身の要望を通そうとすることがあります。
このような突然の態度の変化に直面した際は、相手が意図的にコントロールを試みているのだと認識し、冷静に対応することが重要です。
カバートアグレッションへの対処法

カバートアグレッションによる攻撃を受けていると感じた場合、どのような対処法が効果的なのでしょうか。以下、主な対処法を三つ挙げて解説します。
■できるだけ距離を置く
最も効果的な方法は、可能な限り距離を置くことです。完全に関わりを断てない場合は、必要最低限のコミュニケーションにとどめましょう。
職場では、業務上の連絡だけを簡潔に行い、個人的な話題や感情的な内容は避けることが重要です。また、相手の言動に対して感情的に反応せず、常に冷静な対応を心がけましょう。
周囲の同僚にも注意を促し、チーム全体で適切な距離を保てるのが理想です。距離を置くことで、相手の心理的な操作から自分自身を守り、ストレスを最小限に抑えられるでしょう。
■相手の目的を知る
相手の目的を見抜くことも大切です。攻撃の目的が分かれば、回避するための方法を見つけられることもあります
例えば、「周囲から認められたい」という目的なら、先手を打って褒めることで、攻撃的な態度を抑制できる可能性があります。
「自分が優位な立場を保ちたい」という場合には、相手の意見を尊重する姿勢を示すのも有効な対策です。
相手の行動パターンを注意深く観察し、どのような状況で攻撃的になるかを把握することで、事前に対策を講じられます。
■記録を付けて証拠を残す
陰湿な攻撃に対抗するには、発言や行動の記録を残すことが重要です。記録があれば、たとえ相手がうそをついても、客観的事実で反論できます。
記録する際は、日時・場所・発言内容・状況を具体的にメモしましょう。5W1Hを意識し、詳細に残すことが大切です。
スマートフォンの録音機能やメール・チャットの履歴も、有効な証拠となります。記録を残しておくことで、上司や人事部への相談時にも状況を正確に伝えられるでしょう。







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