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ExcelのTREND関数を使って翌月の売上を見積もる便利なテクニック

2025.09.17

ExcelのTREND関数は、過去データから将来の値を予測できる便利な関数である。基本的な使い方や構文、実務での活用例に加え、#N/Aや#VALUE!などのよくあるエラー原因と対処法まで解説する。

Excelで「過去のデータから将来の数値を予測したい」と思ったことはないだろうか。そんなときに役立つのが TREND関数である。本記事では、TREND関数の基本的な仕組みや構文、実務での活用シーン、さらにエラーが出たときの対処法まで詳しく解説する。

TREND関数とは

ここでは、TREND関数でできることや構文の仕組み、実務での活用場面を解説する。

■ TREND関数でできること

TREND関数は、過去の数字の流れを読み取り、その延長線上にある未来の値を予測できる関数である。例えば、数か月分の売上データがあれば、それをもとに次の月の売上を見積もることができる。

また、アクセス数や利用者数の推移から将来の数値を予測することも可能である。Excelが自動で最適な直線を引いて計算してくれるため、複雑な操作をせずに将来の傾向を把握できる点が特徴である。

■ 数式の構文と引数の意味

TREND関数の基本構文は以下の通りである。

=TREND(既知のy, [既知のx], [新しいx], [定数])

  • 既知のy:予測の基準となる既知のデータ(例:売上の実績値)
  • 既知のx:既知のyに対応するデータ(例:月や日付)
  • 新しいx:予測したいデータ(例:未来の月や日付)
  • 定数:直線の切片を0に固定するかどうかを指定する(省略すると自動で計算される)

これらを指定することで、Excelが自動的にデータの流れを読み取り、未来の値を予測する。

■ 実務での活用シーン

TREND関数はビジネスや日常のさまざまな場面で活用できる。代表的な例は以下の通りである。

  • 売上や利益の推移から将来の見込みを予測する
  • 在庫量の変動を把握し、仕入れ計画に活かす
  • アクセス数や利用者数の推移をもとに今後の成長を見積もる

このように、TREND関数はデータを活用した将来予測を簡単に実現できる便利な関数である。

TREND関数の使い方

TREND関数は、これまでのデータをもとに将来の数値を予測することができる。ここでは、売上データを例にして、基本的な使い方から応用までを紹介する。

■ TREND関数の基本的な使い方

例えば、A列に「月」、B列に「売上」を入力しているとする。

売上
1100
2120
3130
4150

この場合、「既知のy」はB2:B5(売上の実績値)、「既知のx」はA2:A5(月)となる。5月の売上を予測したいときは、セルに次のように入力する。

=TREND(B2:B5, A2:A5, 5)

すると、Excelが1〜4月の売上の流れを読み取り、自動的に「5月の売上予測値」を返してくれる。

■ 複数の既知のxに対する予測方法

売上は「月」だけでなく、「広告費」や「店舗数」など複数の要因で変化する場合がある。そのようなときは、複数のxをまとめて指定できる。例えば、C列に「広告費」、D列に「店舗数」を入力している場合、以下のように使う。

=TREND(B2:B5, A2:D5, 5)

このように範囲を広げるだけで、複数の要素を加味した予測を行える。

■ 未知のxを指定する場合の活用方法

未来のデータを予測する際には、まだ存在しない「新しいx」を入力する。例えば、上記の例で1〜4月のデータしかない場合、6月の売上を予測したいときは「6」を指定する。

=TREND(B2:B5, A2:A5, 6)

これにより、Excelは1〜4月の売上推移から傾向を計算し、6月の予測値を算出する。

この方法を使えば、来月や来期の売上を見積もる、在庫数の変動を先読みするなど、実務で役立つ予測が可能になる。

TREND関数のよくあるエラーと対処法

TREND関数は便利である一方、設定を誤るとエラーが表示されることがある。ここではよくあるエラーと対処法を解説する。

■ エラー(#N/Aや#VALUE!)が出る場合

#N/Aエラーは、既知のxと既知のyの範囲が揃っていないときに出やすい。例えば、売上データを4行分指定しているのに、月のデータを3行しか指定していない場合である。この場合は、両方の範囲を同じ行数に揃えれば解決できる。

#VALUE!エラーは、データの中に文字列が含まれているときに出る。例えば、売上の列に「未集計」といった文字が混じっている場合である。この場合は、数値以外を削除するか、別セルに数値だけを整理して使うとよい。

■ xやyの範囲が一致していない場合

既知のyがB2:B10であるのに、既知のxをA2:A9と設定してしまうと、行数が合わないためエラーになる。この場合は、必ず同じ行数になるように範囲を揃える必要がある。

■ 空白や文字列データが含まれる場合

データの中に空白や「未定」「-」といった文字列があると、TREND関数が正しく計算できないことがある。この場合は、空白を「0」や適切な数値に置き換えるか、不要な文字列を削除してから計算すればエラーを防げる。

このように、TREND関数のエラーは多くの場合「範囲が合っていない」「文字列や空白が含まれている」といったシンプルな原因で起きる。データを整理するだけで解決することがほとんどである。

まとめ

TREND関数は、過去のデータから将来の値を予測できる便利な関数である。売上やアクセス数の推移など、ビジネスや日常の幅広い場面で活用できる。

TREND関数のポイント

  • 既知のデータから最適な直線を算出し、未来の値を予測できる
  • 単純な延長計算ではなく、より精度の高い予測が可能
  • 複数の変数を使った分析にも対応できる

よくあるエラーと解決方法

  • 範囲の指定が合っていない場合は、xとyの行数や列数が一致しているかを確認する必要がある
  • データの中に空白や文字列が含まれている場合は、不要なデータを整理し、数値だけを残すことで解決できる
  • #N/A や #VALUE! といったエラーが表示される場合は、入力範囲や引数の指定が正しいかを見直すことが重要である

基本的な注意点を押さえておけば、複雑な統計ツールを使わなくても、Excelだけでシンプルに将来予測ができる。データを活用する場面が多い人は、ぜひ実務に取り入れてほしい。

構成/編集部

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