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ExcelのADDRESS関数を使って効率良くデータ処理を行なう方法

2025.09.09

この記事では、ExcelのADDRESS関数について、基本の構文や参照形式の違いを解説し、INDIRECTやROW・COLUMN関数との組み合わせ、実務での活用例まで紹介している。

ExcelのADDRESS関数は、行番号と列番号からセルの住所を文字列で取得する関数だ。この記事では基本の使い方や構文、実務での活用例をわかりやすく解説するので、Excelで効率よく作業したい人は是非最後までみていってほしい。

ADDRESS関数とは

ADDRESS関数は、行番号と列番号からセルの参照先を文字列で返す関数である。ここではADDRESS関数でできることや、基本の構文について解説する。

■ADDRESS関数でできること

ADDRESS関数でできることとしては下記の通りだ。

  • 行番号と列番号からセル参照を作る
  • 絶対参照や相対参照を選べる
  • A1形式またはR1C1形式を選べる
  • シート名をつけて別シートも指定できる

ADDRESS関数は、セルの「住所」を文字として教えてくれる関数である。例えば「1行1列」と指定すると「$A$1」という結果が返ってくる。住所だけなので、そのセルの値は返さない。

■構文と引数の意味

ADDRESS関数の構文と引数の意味は下記の通りだ。

ADDRESS(行番号, 列番号, [参照の種類], [A1形式], [シート名])

引数の意味

  1. 行番号:参照したいセルの行番号
  2. 列番号:参照したいセルの列番号
  3. 参照の種類:参照方法を数値で指定(省略時は1=絶対参照)
    1=$A$1(絶対参照)

2=A$1(行固定)

3=$A1(列固定)

4=A1(相対参照)

  1. A1形式:TRUE(既定値)ならA1形式、FALSEならR1C1形式
  2. シート名:参照するシート名を文字列で指定(省略可)

ADDRESS関数の基本的な使い方

ADDRESS関数の基本的な使い方について解説する。

■セルの参照先を文字列で取得する

行番号と列番号を指定するだけで、その位置のセル参照が文字列で返る。

数式結果
=ADDRESS(1,1)$A$1
=ADDRESS(5,2)$B$5

■参照の種類(相対参照・絶対参照)の使い分け

3番目の引数で、絶対参照や相対参照を選択できる。

引数表記の意味例(1行1列)
1行と列どちらも固定(絶対参照)$A$1
2行だけ固定A$1
3列だけ固定$A1
4行も列も固定しない(相対参照)A1

絶対参照はコピーしても参照先が変わらない。相対参照はコピー先に応じて変わる。

■A1形式とR1C1形式の違い

4番目の引数で、参照形式を切り替えられる。

形式書き方の特徴例(2行3列)
A1形式(TRUEまたは省略)列=アルファベット、行=数字$C$2
R1C1形式(FALSE)行・列ともに数字で表すR2C3

A1形式は普段見慣れた表記、R1C1形式は数式処理で便利な表記。

■よくあるエラーと対処法

ADDRESS関数でよく出るエラーは次の2つ。

エラー主な原因対処法
#VALUE!行番号または列番号が0以下1以上の数値を入れる
#REF!指定したシート名が存在しないシート名を正しく入力する

ADDRESS関数の活用例と応用

ADDRESS関数は、他の関数と組み合わせることで真価を発揮する。ここではいくつかの組み合わせを紹介する。

■INDIRECT関数と組み合わせて使う

ADDRESS関数はセルの参照文字列を返すだけなので、そのままでは値を取得できない。そこでINDIRECT関数と組み合わせると、文字列参照を実際のセル参照に変換できる。

例えば、=INDIRECT(ADDRESS(3,2)) と入力すれば「B3」のセルの値を取得できる。列や行を変数として扱うと、動的な参照が可能になる。

■ROW・COLUMN関数と組み合わせて使う

ROW関数はセルの行番号、COLUMN関数は列番号を返す。これらをADDRESS関数に渡すことで、現在位置や特定セルの番地を動的に表示できる。

例えば、=ADDRESS(ROW(A2), COLUMN(B1)) と入力すれば 「$B$2」が返る。コピー先でも常にそのセルの番地が表示されるため、セル位置の確認に便利。

■実務での活用例

ADDRESS関数の実務での活用例は次の通りである。

  • データが縦に追加され続ける表で、最新のセル番地を自動で取得する
  • INDIRECT関数と組み合わせて、条件に応じて参照先を動的に切り替える
  • 大規模な表や複数シートで、現在のデータがどのセルにあるかを表示して入力ミスを防ぐ
  • レポートや集計シートで、参照元セルの場所を自動表示し、データの出所を明確にする

これらの活用法により、作成したExcelファイルはメンテナンスが容易になり、データの参照ミスや入力ミスを減らせる。特に、データの行数や列数が変動しやすい表ではADDRESS関数を用いることで参照範囲のズレを防ぎ、常に正しいセルを指し示せる仕組みが作れる。

INDIRECT関数と組み合わせれば、動的に参照先を変えられるため、条件に応じた柔軟な集計やレポート作成が可能だ。また、セル位置を表示しておけば、データの管理やチェック作業がしやすくなり、複数人での共有時にも情報の混乱を避けられる。

さらに、集計結果とともに参照元のセルの場所を示すことで、報告書の信頼性が高まり、後からデータの追跡や修正もスムーズに行える。

まとめ

本記事ではExcelのADDRESS関数について解説した。主なポイントは以下の通りである。

基本的な使い方

  • 行番号と列番号を指定してセルの住所を文字列で取得する
  • 参照の種類(絶対・相対)を指定できる
  • A1形式とR1C1形式を切り替えられる

実務での活用例

  • データが縦に増え続ける表で、最新のセル番地を自動で取得する
  • INDIRECT関数と組み合わせて条件に応じて参照先を動的に切り替える
  • 大規模な表や複数シートで、セル位置を表示して入力ミスを防止する
  • レポートや集計シートで参照元セルの場所を自動表示し、データの出所を明確にする

これらの機能を活用することで、Excelシートの管理が楽になり、誤ったセル参照や入力ミスを減らすことができる。

ADDRESS関数は単なるセルの住所取得に留まらず、他の関数と組み合わせて使うことで、より効率的で柔軟なデータ処理を実現できる便利なツールのため是非活用してほしい。

構成/編集部

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