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なぜ、マツキヨのPB化粧品は売れるのか?化粧品メーカーを脅かす、ドラッグストアの静かなる下剋上

2025.08.27

化粧品の主戦場が百貨店からドラッグストアに移ったことで、業界を取り巻く環境が一変しました。ドラッグストアの運営会社がプライベートブランド(PB)を展開し、競争が激化しているのです。

化粧品のPB商品でリードしている会社がマツキヨココカラ&カンパニー。低価格帯の「ドラコス(ドラッグストアで販売される化粧品)」の枠を超えて高付加価値化にも取り組み、化粧品業界の勢力図を塗り替えようとしています。

値段だけで決めない賢い消費動向を持つZ世代

Z世代を象徴するキーワードといえば「コストパフォーマンス」。価格に見合う満足度や機能性の高さを重視し、ブランドそのものにあまり価値を見出さなくなったと言われています。

美容メディア「Kirei Style(キレイスタイル)」の運用を行うビズキは、化粧品を購入する場所に関する調査を年齢別に行っています。全年齢の購入場所として他を圧倒しているのがドラッグストアで61.7%。百貨店は15.1%で、ブランドの公式サイトは18.3%でした。

興味深いのは20代の動向。ドラッグストアが63.2%と高いのは他の世代と同じ。しかし、百貨店が18.6%であり、他の世代と比べて4ポイント程度比率が高くなっているのです。Z世代は高価格帯の「デパコス」も積極的に購入をしており、単純に安いものを求めているわけではありません。

品質や価値に見合う金額の商品を求めているのです。

そして、20代はブランドの公式サイトの購入比率が8.8%で、10%を下回るのはこの世代のみ。ブランドそのものにほとんど価値を見出していないことがよくわかります。

こうした消費動向を巧みに拾い上げているのがマツキヨ。マツキヨの化粧品の売上比率は4割近くであり、2割に満たないウエルシアやツルハなどを大きく引き離しています。

マツキヨは戦略的に利益率の高い化粧品の比率を高めてきました。2015年に美容専門員が常駐する「matsukiyo LAB(マツキヨラボ)」の1号店をオープン。「ドラコス」の殻を破りました。そして2025年7月、銀座に化粧品特化型の旗艦店をオープンし、「デパコス」の取り扱いを開始したのです。

高価格帯の新ブランドを次々と市場投入

マツキヨはPBにおいても、低価格帯と高価格帯の2つのカテゴリーを巧みに使い分けています。価格重視のブランドが「matsukiyo」。洗顔フォームや化粧水、クレンジングオイルなどスキンケア商品だけでなく、日用品、食品など幅広いラインナップを取り揃えています。マツキヨPBの主力ブランドです。

高価格帯では、様々なメーカーとタッグを組み、オリジナルのブランドを立ち上げています。2025年4月1日から販売を開始した「コンクレッド」もその一つ。OEMの化粧品を数多く手がけるカラーズとの協業で誕生したシャンプーで、髪のダメージ要因によって流出したアミノ酸を特定し、流出した量以上のアミノ酸を配合することで補修するという新たな手法をとりました。機能性を徹底的に追及しています。

価格は1980円で、ドラッグストアのヘアケア商品の主流である価格帯1500円よりも割高な設定にしました。

「コンクレッド」以外にも、マンダムと組んで開発した男性向けの「ナレッジ」は人気商品の一つです。乳液の本体価格は2300円。ナショナルブランドの商品よりも割高ですが、超微細なバイセルカプセルを角質に浸透させてうるおいを行き渡らせるなど、機能的な商品です。

「コンクレッド」や「ナレッジ」は、他の商品との違いが一目でわかる高い機能性を持っています。それが明確な差別化要因になっているのです。

こうした商品を生み出す背景にあるのが、顧客接点から得られる膨大な購買データを用いた分析。消費者がどんな価値観を持って購入へと至っているのかを割り出し、商品開発に活かしています。機能性重視で商品開発を行う原動力になったのがこうしたデータの力なのです。

顧客を起点として商品開発やマーケティングができるのは、大量の商品を扱うドラッグストアならではの強みと言えるでしょう。マツキヨは小売とメーカーの在り方を変える可能性さえ持っているように見えます。

エリクシールの好調も続く

マツキヨのPB売上構成比率は13.6%。ウエルシアの9.4%、ツルハが11.4%で、マツキヨが競合を一歩リードしています。ドラッグストアは食料品や生活雑貨などを幅広く扱うようになり、安さを武器にしてスーパーマーケットから一部の顧客を奪いました。

集客効果を高めた一方、利益率の低い食料品は収益性を犠牲にするものでもありました。その点、粗利率の高いPB商品はドラッグストアにとって価値の高いものなのです。

ただし、化粧品メーカーの猛追も始まっています。資生堂は主力のエリクシールが好調。2025年1-6月は1割の増収でした。かつては20代から50代までの幅広い年齢層をターゲットとしていましたが、エイジングケアをキーワードにターゲットの選択と集中を進め、中高年層から絶大な支持を得ています。

コーセーの雪肌精は2025年1-3月が1割の減収と苦戦したものの、4-6月は1割の増収へと持ち込んでいます。10月1日からは値上げを予定しており、粗利率の改善を進めます。

各社の激しいせめぎあいはしばらく続きそうです。

文/不破聡

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