
2025年7月17日(日本時間)、ChatGPT エージェントがリリースされました。エージェントモードを指定するだけで利用できる利便性や複数の処理をまとめて指示できる効率性、調査結果を表で提示される視認性の高さなどが特徴です。主な機能や利用方法、注意点を紹介します。
目次
2025年7月17日(日本時間)、Open AI社はChatGPT エージェントのリリースを発表しました。どのような機能なのか、気になっているChatGPTユーザーも多いのではないでしょうか。
ChatGPT エージェントは、Plus・Pro・Teamのユーザーなら、誰でもエージェントモードを指定することで利用できる機能です。ChatGPTのエージェントモードでできることや具体的な使い方、注意点についてまとめて解説します。
ChatGPT エージェント(エージェントモード)とは?

ChatGPT エージェントとは、Open AI社により2025年7月17日(日本時間)にリリースされたChatGPTの新機能です。
対話型AIチャットボットのChatGPTでは、チャット上で自然な会話を繰り返すことで生成AIを用いた返答を得られましたが、ChatGPT エージェントを利用すると、複数の指示をまとめてリクエストできるようになります。
ChatGPT エージェントの機能を支えているのは、独自の一体型エージェントシステムです。次の3つの技術が融合したことで、それぞれの機能の同時利用が可能になり、従来より複雑なタスクを一貫処理できるようになりました。
- Operator(ウェブサイトとの対話機能)
- deep research(情報統合機能)
- ChatGPT(インテリジェンス、会話機能)
なお、ChatGPTには無料で利用できる「Free」と月20米ドルの「Plus」、月200米ドルの「Pro」、オフィスでの利用が想定された1人あたり月25米ドルの「Team」、同じくチームでの利用が想定された「Enterprise」の5つのプランがあります※。
ChatGPT エージェントを利用できるのは、Plus・Pro・Teamの3つのみです。
※2025年8月13日時点。Enterpriseの料金は応相談。
ChatGPT エージェントの機能・できること

ChatGPT エージェントを利用することで、今までの「AIとの会話」といった段階から、「AIにタスクを指示」といった段階にステップアップできます。主なChatGPT エージェントの機能は以下をご覧ください。
- 複数の処理をまとめて指示できる
- 調査結果を要約や表で確認できる
- 安全性を維持できる
いずれの機能もPlus・Pro・Teamのユーザーなら無料で利用可能です。各機能について解説します。
■複数の処理をまとめて指示できる
Operatorとdeep research、ChatGPTの3つの技術の融合により、複数処理を一度に指示できるようになりました。
例えば、「カレンダーを確認して、クライアント別にフロントトークを準備して」「3人分の夕食のメニューを考えて、必要な材料をまとめて注文して」といった指示にも対応できます。
■調査結果を要約や表で確認できる
ChatGPT エージェントでは、調査した結果を要約や表で確認できます。例えば、「競合他社の新製品の開発動向を調べ、トレンドやニーズ分析をスライドでまとめて」のように、調査と要約文の作成、表作成をまとめて指示することも可能です。
また、作成した文章や表は編集可能な状態で提供されます。好みの文体に修正したり、グラフの種類やトーンを変更したりと、自由にアレンジできるのも特徴です。
■安全性を維持できる
ChatGPT エージェントでは、タスクをこなす際にさまざまな過程を踏みます。指示の結果に関わるアクションを実行するときには、過程ごとにユーザーの許可を求めるため、安全性を維持することが可能です。
また、許可を与えなければ処理の半ばでも作業を中断できるため、最初の指示がユーザーの意図せぬ結果となるのを回避できます。安全かつユーザーの意思を反映させた利用が可能になる点も、ChatGPT エージェントの特徴といえるでしょう。
ChatGPT エージェントの使い方

ChatGPT エージェントは次の手順で利用します。
- ChatGPT エージェントモードに切り替える
- 自然言語でプロンプトを入力する
なお、ChatGPT エージェントはPlus・Pro・Teamを契約中の方のみ利用できる機能のため、Freeを選択している場合はChatGPT エージェントモードに切り替えられません。
■1.ChatGPT エージェントモードに切り替える
まずはChatGPTの画面を開けましょう。通常のChatGPTへの会話を入力する部分の「Tools」をドロップダウンし、リストから「Agent mode」を選択してください。
■2.自然言語でプロンプトを入力する
次に自然言語でプロンプトを入力します。「ミネラルウォーターの販売量を調べて、スライドショーを作成したい」「昨年度の経費データを月別にまとめて」などの指示を出しましょう。
なお、エージェントモードは、会話の途中でも選択可能です。エージェントモードでタスクを実行しているときは、画面上に処理内容が表示されるため、どの程度まで進行しているのかリアルタイムで確認できます。
ChatGPT エージェントを利用するメリット

ChatGPT エージェントには、次のメリットがあります。
- 追加設定・料金なしに利用できる
- タスク処理をユーザー側でコントロールできる
- 今後さらに機能が充実する
それぞれのメリットを解説します。
■追加設定・料金なしに利用できる
ChatGPT エージェントは、Plus・Pro・Teamのユーザーなら追加料金なしに利用できます。また、プラグインをインストールするといった追加設定も不要なため、スムーズに開始できるのも特徴です。
ただし、契約内容ごとに利用回数の制限があります。
■タスク処理をユーザー側でコントロールできる
エージェントモードでは処理結果に関わる決断において、ユーザーの許可が求められます。また、処理途中であってもタスクを終了させることが可能です。
■今後さらに機能が充実する
ChatGPT エージェントは、学習しながらタスクを処理するツールです。利用を重ねることで、さらに効率的な処理が可能になります。また、今後は一層機能が充実し、活用範囲が広がることも期待されます。
ChatGPT エージェントの注意点

複数タスクの指示が可能になったことで、利用範囲が広がるChatGPT エージェントですが、いくつか注意すべき点もあります。利用前に確認しておきたいポイントを紹介します。
■機能に制限がかかることがある
ChatGPTではスムーズかつ公平な利用のために、プランごとに制限を設けています。例えば、混み合う時間帯は、Plusユーザーはすべての機能を利用できない恐れがあります。
■許可やログインが何度も必要になることがある
エージェントモード利用中は、結果に関わる決断の前にユーザーの許可が求められます。処理が何度も中断し、ログインが必要になる可能性も想定されます。
■機密情報は慎重に取り扱う必要がある
ChatGPTは多くのユーザーが利用を繰り返すことで、学習し、使いやすさが向上するシステムです。機密情報を安易に入力すると、その情報が共有される恐れがないとは断言できません。情報の扱い方には注意が必要です。
ChatGPT エージェントを使いこなそう

ChatGPT エージェントを使いこなせば、プライベートアシスタントのようなサポートを得られます。ビジネスや作業を加速化するツールとして、利用するのも良いかもしれません。
また、繰り返し使用することで、作業を覚え、効率性が向上するのも魅力といえるでしょう。
構成/林 泉