
MENTAGRAPHは、22~65歳の全国のビジネスパーソン1,800人(管理職900名・非管理職900名)を対象に「働き方と組織意識に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
非管理職はより“直接的なサポート”を求めている傾向にあることが明らかに
今回の調査では、管理職と非管理職の間で、「会社の方針への理解・共感」や「マネジメントに求めること」に対する意識のギャップが発生していることが明らかになった。上司と部下の双方が「良かれ」と思って行動していても、根本的な価値観や期待がズレていることで、現場ではすれ違いやストレスを生んでいる可能性がある。
企業においては、こうした意識ギャップを“可視化”し、上司・部下間で期待値をすり合わせる機会を設けることが、よりよいマネジメント環境づくりにつながると考えられる。
【調査結果】
・会社方針への理解・行動・意欲における「非管理職の壁」
「会社の現在の方針を詳しく理解しているか」という設問では、「当てはまる」と答えた管理職は15.8%、非管理職は9.0%、「やや当てはまる」と答えた管理職は42.8%、非管理職は32.4%という結果になった。この2項目を合算した「会社方針に対して理解している層」は、管理職58.6%、非管理職41.4%と、17.2ポイントの差が生まれている。
また、「日々の業務で会社の方針を意識して行動しているか」という設問では、管理職の43.8%が「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した一方、非管理職は32.8%にとどまり、11ポイントの差が生じた。
さらに、「会社の方針の実現に向けて前向きな気持ちであるか」という設問においても、管理職39.3%、非管理職28.0%と11.3ポイントの差がある結果となった。
今回の調査では、理解・行動・意欲の3軸すべてにおいて、管理職側が高い傾向が見られた。これは、管理職が方針の策定や伝達に携わる立場である一方、非管理職はその背景や狙いが十分に伝わっておらず、「なぜこの方針なのか」「自分の仕事とどうつながるのか」といった納得感が欠けている可能性を示している。
・上司への期待・マネジメント観におけるすれ違いが明らかに
続いて、管理職と非管理職を対象に、「上司がやるべきこと(管理職)」、「上司に求めること(非管理職)」についての認識を調査したところ、管理職と非管理職のあいだに「互いに求める役割」や「マネジメントのあり方」に対する意識の違いがあることがわかった。
まず、「上司はわからないことを事前に教えるべきか」という設問では、管理職で34.9%、非管理職では46.9%と、12ポイントの差が生じた。
また、「上司は手取り足取り教えるべきだ」という項目でも、管理職は31.5%に対し、非管理職では40.3%と、非管理職の共感層は管理職より8.8ポイント高く、非管理職がより“直接的なサポート”を求めている傾向が見られる。
さらに、「上司は自分に合った仕事を振るべきだ」と考える割合は、管理職で48.1%、非管理職で55.7%となり、非管理職の6割近くが、“自分に合わせた配慮”を期待していることがわかる。
・「目標設定」や「進捗管理」における重視度合いのギャップも発生
部下のマネジメントにおいて、管理職は「目標設定」(47.3%)や「進捗管理」(48.1%)を重視している一方、非管理職が上司に重視してほしい項目としては、それぞれ「目標設定」31.7%、「進捗管理」33.3%にとどまる結果になった。この結果から、管理職が重視している「目標設定」や「進捗管理」などの“支援型”マネジメントは非管理職が上司に求める度合いとは大きなギャップが生まれていることがわかった。
さらに、非管理職に上司に憧れているか質問してみると、憧れている非管理職はわずか13%程度にとどまる結果となった。
【調査概要】
調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年12月3日~12月17日
分析期間:2025年7月1日~7月31日
調査対象者:22~65歳のビジネスパーソン1,800人(管理職900人・非管理職900人)
関連情報
https://www.mentagraph.com/
構成/立原尚子