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「あの人は話が長い」がなくならない本当の理由

2025.09.03

あの人は話が長い

会議等のビジネスシーンで「話が長い人」と聞いてどんな人を想像しますか?

「結局何が言いたいのか分からない」「話が色々散らかってしまっていて論点が定まっていない」、そんな人を想像すると思います。

そして、「長い」と感じたその話を聞き続けることを苦痛に感じることも少なくないと思います。そして、自分は「話が長い人」にはなりたくないと思います。

しかし、あなたも「話が長い人」になってしまう可能性は十分にあります。

誤解を招く可能性のある表現を避けようと、回りくどい言い回しや、補足的な説明を重ねてしまう場合など。相手のリアクションや態度で、「あ、今話長いと思われているかな?」と気が付いたことは、誰もが経験あると思います。

話が長い人が多い会社のリスクとは

話が長い人が多い組織では、会議や打ち合わせの時間が不必要に長くなりがちです。これは、本題から逸れた話や、すでに共有されている情報の繰り返しが多くなるためです。結果として、本当に重要な議論に費やす時間が減り、コミュニケーションの効率が著しく低下します。

また、各メンバーが自分の意見を簡潔にまとめられないため、情報伝達に時間がかかり、認識の齟齬が生まれやすくなります。これは、チーム全体の連携を妨げ、最終的には組織の生産性を低下させる大きな要因となります。

話が長いとされる行動の理由

「話が長い」という行動は、無駄な確認と認識のズレによって引き起こされると考えます。これは、相手との間に共通の認識がないために、不必要な説明を繰り返してしまう状態です。

識学でいう共通のルール認識が無い状態です。

「話が長い」人の特徴

1. 「事実」と「解釈」を混同している

事実とは、誰が見ても変わらない客観的な出来事です。解釈とは、事実に基づいた個人の考えや意見です。 話が長い人は、この二つを混同しがちです。例えば、「彼はやる気がない」というのは解釈ですが、あたかも事実のように話を進めます。すると、聞き手は「なぜそう思うのか?」という疑問を抱き、話の前提を理解するために無駄な質問や説明が必要になります。

主観的な表現が多い会話は、プライベートでは楽しい会話になる場合もありましが、業務を効率的に進めていく上では、ロスタイムになってしまう可能性が高いです。

2. 相手に「判断」を委ねる

「どう思いますか?」「どっちがいいと思いますか?」など、相手に判断を委ねる質問が多いと、話は長くなりがちです。識学では、組織において責任者は明確であるべきだと考えます。 本来、意思決定は責任者が行うべきものです。それを相手に丸投げすることで、話が収束せず、延々と議論が続いてしまいます。

判断を仰ぐ人、判断する人が明確に決まっている環境下では、「話が長い人」が発生しにくくなります。

3. 無駄な「プロセス」を説明する

結論に至るまでの思考プロセスや、過去の経緯を細かく説明しすぎることがあります。聞き手が知りたいのは、多くの場合結論と、次の行動です。 話が長い人は、自分が苦労した点や、物事の複雑さを伝えたいという気持ちから、結論に至るまでの無駄な情報をすべて開示してしまいます。その結果、話の焦点がぼやけてしまいます。

結論に至るまでの思考プロセスとは、主観であり、主観が多い会話はロスタイムになることが多いのです。

ここまで理解できれば「話が長い」はなくなるのか?

上記から、個人の話の癖や、思考プロセスを整理すれば、「あの人は話が長い」は解消されるはずです、、、が、そうとも言えないようです。

それでも「あの人は話が長い」はなくならない

さて、これで解決ではありません、それでも「あの人は話が長い」はなくなりません。それは単なる個人の話し方だけではなく、企業文化に原因があるからです。

組織中に「位置認識のズレ」と「目的意識の欠如」が常に存在しているからです。

「あの人は話が長い」がなくならない本当の理由

以下のような組織文化・組織構造が原因として考えられます。

1. 「事実」と「解釈」を区別しない文化

多くの組織では、個人の解釈(「~だと思う」「~という感じがする」)が、あたかも事実のように扱われることがあります。この文化が根付いていると、誰もが自分の解釈を正当化するために、冗長な説明や過去の経緯を語り始めます。

本来、組織の共通認識は客観的な事実に基づいて形成されるべきです。しかし、解釈の余地があることで、「私の認識はこうです」「いえ、それは違います」といった水掛け論が発生し、話が収束しなくなります。

2. 責任の所在が不明確な組織構造

識学では、組織内のすべてのポジションに明確な役割と責任を定めます。しかし、これが曖昧な組織では、「誰が最終的な決定を下すのか」が不明確になりがちです。

結果として、話の結論が出せなくなり、全員が納得するまで延々と議論が続くことになります。話が長い人は、無意識のうちに「自分の責任で結論を出したくない」という心理から、多くの情報を開示し、他者の判断を仰ごうとしている可能性があります。

3. 「プロセス」を評価する誤った評価制度

多くの組織では、「頑張ったプロセス」や「熱意」といった、結果に至るまでの過程を評価する傾向があります。この評価制度があると、メンバーは「一生懸命やっているアピール」をするために、話が長くなる傾向があります。

識学では、結果(=成果)のみを評価の対象とします。

これにより、メンバーは無駄なプロセスを省き、いかに最短で成果を出すかを考えるようになります。しかし、プロセスを評価される環境では、話が長いことが「熱心さ」として捉えられ、改善されないまま放置されるのです。

まとめ

「話が長い」という問題は、個人の話し方を注意するだけでは根本的な解決にはなりません。識学的に解決するためには、以下の3点を組織全体で徹底する必要があります。

1. 「事実」と「解釈」を明確に区別する文化を築く。
2. すべてのポジションの役割と責任を明確にする。
3. 「結果」を正しく評価する制度を導入する。

これらの組織文化や構造を改善しない限り、「話が長い人」は生まれ続け、その問題は解消されないでしょう。

識学はこの3つを組織構造として設計構築し、組織に浸透させるサービスを4600社以上にわたり実践してきました。是非、今日から、「あの人は話が長い」が発生しない組織作りを実践してみてください。十分に実現可能です。

文/識学コンサルタント 熊谷康

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