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「宝飾店」の倒産が過去20年で最少、金高騰とインバウンド向けが好調で半数以上が増益に

2025.08.18

帝国データバンクは2025年1-7月期における「宝飾店」の倒産動向調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

同社によれば、国内外の富裕層向けの販売が好調なほか、中古ジュエリーの需要増、貴金属価格の上昇が経営を支え、2024年度の増益企業は50.5%と過去20年間で最大となったという。

「宝飾店」の倒産は過去20年で最少ペース、金高騰も追い風に

「宝飾店」業界が好調だ。2025年1-7月に発生したジュエリーショップなど「宝飾店」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は5件にとどまり、2024年の同期間(11件)を大きく下回った。このペースが続けば、通年では過去20年間で最少となることが見込まれる。

宝飾店の経営は、国内外の富裕層による販売増に加え、中古ジュエリー需要の増加、国際的な貴金属価格の上昇などに支えられてきた。2024年度の業績が判明した宝飾店の損益動向をみると、前年度から「増益」となった企業は50.5%と半数を超え、過去20年間で最大だった。

前年度からの「減益」(18.9%)や「赤字」(26.1%)を合わせた「業績悪化」の割合は45.0%と約半数を占めたものの、19年ぶりに4割台に低下するなど、宝飾店の好調ぶりが際立っている。

株価や不動産価格の上昇を背景に、富裕層や訪日客を中心に高額なファッションジュエリーの販売が伸長した。また、特にアジア圏からの観光客向けでは中古高級ブランド品の販売需要が旺盛で、買取販売も順調に推移。

店頭販売に比べて客単価が低いネット販売でも、特に若い世代を対象にしたSNS広告や口コミ効果により、安価でデザイン性の高いシルバーアクセサリーなどの需要が好調だった。

なかでも、歴史的な高値圏で推移する金(ゴールド)のほか、銀、プラチナといった貴金属では投資対象として購買需要が高まり、業績の押し上げにつながったと考えられる。

地金販売や貴金属買取販売をメインとする宝飾店では、金やダイヤモンドなどの貴金属で仕入価格が上昇したものの、需要の高まりから価格転嫁が進み、販売数量が前期並みながらも売上高を大幅に伸ばしたケースが多かった。

■物価高による節約志向やフリマアプリとの競合激化など懸念要素も

他方で、金価格は国際情勢や金融政策によって変動するほか、パールなど素材の価格高騰でジュエリー製品の値上げが続き、物価高による節約志向で国内向けでは購買意欲の落ち込みがみられるほか、中古ブランドなどではより安価に取引されるフリマアプリとの競合も激しくなっている。

これまで宝飾店の業績を支えてきたインバウンドも、中国からの訪日客を中心に客数が減少傾向との声も聞かれ、好調な勢いは曲がり角に差し掛かりつつある。

富裕層やインバウンド向けのイベント開催、10万円弱の「購入しやすい」カジュアル商品の拡充や、オンライン販売やSNSを活用したプロモーションなど、多様な販売チャネルを通じた新たな顧客層の開拓戦略が注目される。

調査概要
集計期間/2000年1月1日~2025年7月31日まで
集計対象/倒産は負債1000万円以上、法的整理によるもの

関連情報
https://www.tdb.co.jp/index.html

構成/清水眞希

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