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意外と働きたい人も多い!?「ゆるブラック企業」の魅力について考える

2025.08.19

「ラクだけど成長できない職場」と聞いて、あなたは魅力を感じるだろうか。それとも不安に思うだろうか。残業や過剰なノルマはないが、やりがいや成長も乏しい、通称「ゆるブラック企業」は現役就活生の目にどう映っているのだろうか。アンケート調査から探っていく。

ゆるブラック企業とは?

“ゆる”いのに“ブラック”という一見矛盾した響きを持つ言葉「ゆるブラック企業」をご存じだろうか。

ブラック企業とホワイト企業の中間に位置する「ゆるブラック企業」は、「パープル企業」と呼ばれることもあり、仕事にやりがいや成長を感じにくく、将来のキャリア形成に不安が残ることが特徴だ。労働環境自体はホワイトで負荷が少ないものの、昇給やスキルアップの機会が乏しく、転職にも不利になることが多い。いわば「ゆるすぎてブラックな企業」だ。

比較サイトを中心としたデジタルメディア事業を展開しているキュービックの調査によると、「今の会社で成長を感じない」と答えた人は全体の15.3%に上った。働き方改革などの効果により、2010年代以降ブラック企業の数は大幅に減少したとみられる一方、ホワイト企業と「ゆるブラック企業」の見分けはますます難しくなっている。

この「ゆるブラック企業」を、現役就活生たちはどのように捉えているのだろうか。

就活トレンドから見る「ゆるブラック企業」の人気

令和の就活生は仕事にいったい何を求めているのだろうか。大学生協事業連合UNIVCOOPキャリアナビ事務局が実施した27卒向けのキャリア観調査によると、「仕事に求めること」という問いに対し「やりがいを持った仕事ができること」「自分がやりたいことをできること」がともに50.6%で最多となった。やりたい仕事をやりがいを感じながら取り組むことが重視されていることから、現役就活生から「ゆるブラック企業」は敬遠されがちだと考えられる。

また、同調査では「想定している勤続年数」として「定年まで」と答えた人は37.5%にとどまった。つまり、就活生の6割以上が転職を前提としたキャリアプランを描いていることになる。転職市場では、即戦力となるスキルや経験が重視されるため、それらが得にくい「ゆるブラック企業」は不利になりやすい。この点でも、就活生からの支持は限定的といえる。

「ゆるブラック企業」に行きたがる人も多い!?

とはいえ、「ゆるブラック企業」を肯定的に捉える意見も増えてきている。仕事にやりがいや成長を求めず、「安定していてラクなら十分」という考え方だ。大学生協事業連合UNIVCOOPキャリアナビ事務局の同調査によると、「働き方で重視すること」として「ワークライフバランスがいいか」が去年より約+10ポイント、「残業などの時間外労働がどれくらいあるか」が約+14ポイントと、大幅に増加している。働きすぎへの懸念やプライベートの充実は以前にもまして重要視されていると言える。これが直接「ゆるブラック企業」の人気上昇に結び付くとは限らないものの、実際に自らの職場を「ゆるブラック企業」と認識している人からも、肯定的な意見は少なくなかった。

「バリバリ働くより、穏やかに長く続けられる環境のほうが自分には合っています。昇進欲もないので、定時で帰れて人間関係が平和なら十分です」(営業職・29歳・男性)

「前職は深夜残業や休日出勤が当たり前でした。今は物足りなさもありますが、帰宅後に資格勉強や副業ができるので満足しています」(事務職・26歳・女性)

 結局のところ、「ゆるブラック企業」への評価は、仕事で何を優先するかによって分かれる。成長やキャリアアップを第一に考える人にとっては不満が残る選択になる可能性が高いが、心身の安定と私生活の充実を求める人にとっては、十分に魅力的な選択肢となりうる。そのミスマッチを防ぐためには、口コミサイトや先輩の声を参考にしながら、自分の将来像に適った企業を選ぶことが大切だ。

文/宮沢敬太

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