
少子高齢化や人口減少、経済の低迷、労働力不足、災害の増加など、様々な問題を抱える現代日本。そんな状況に不安を覚える中高生はどれくらいいるのか?また、その中でどんな将来の夢を抱いているのか?
ソニー生命はこのほど、全国の中学生・高校生(中高生)に対し、今回で6回目となる「中高生が思い描く将来についての意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名(中学生200名、高校生800名)の有効サンプルの集計結果を発表した。ここでは本調査結果から「中高生がイメージする将来」「中高生の将来の夢」の調査結果を抜粋し、紹介する。
中高生がイメージする将来
■中高生の自身の将来についての意識 「10年後は明るい」中学生では61%、高校生では54%
全国の中高生1,000名(中学生200名、高校生800名)に、10年後の自身について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか聞いた。
中学生についてみると、『明るい(計)』(「明るい」と「どちらかといえば明るい」の合計、以下同様)は61.0%、『不安(計)』(「不安」と「どちらかといえば不安」の合計、以下同様)は39.0%となり、高校生についてみると、『明るい(計)』は54.0%、『不安(計)』は46.0%となった。
2024年の調査結果と比較すると、『明るい(計)』と回答した人の割合は、中学生では2024年62.5%→2025年61.0%と1.5ポイント下降、高校生では2024年57.1%→2025年54.0%と3.1ポイント下降した。(図1)
(図1)
■中学生の日本と世界への意識 「10年後の日本が不安」は73%、「10年後の世界が不安」は67%
続いて、全回答者(中学生200名、高校生800名)に、10年後の日本や世界について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか聞いた。
中学生についてみると、『不安(計)』は、【10年後の日本】では73.0%、【10年後の世界】では67.0%となった。2024年の調査結果と比較すると、『不安(計)』は、【10年後の日本】(2024年67.5%、2025年73.0%)と【10年後の世界】(2024年62.5%、2025年67.0%)ともに上昇した。
高校生についてみると、『不安(計)』は、【10年後の日本】では77.3%、【10年後の世界】では71.9%となった。2024年の調査結果と比較すると、『不安(計)』は、【10年後の日本】(2024年71.4%、2025年77.3%)と【10年後の世界】(2024年64.4%、2025年71.9%)ともに5ポイント以上上昇した。
日本国内では、米の価格高騰をはじめとした物価上昇に加え、地震や豪雨といった自然災害など、国際社会では、ロシア・ウクライナ間の戦争、イラン・イスラエル間の対立の激化などを受けて、未来を危惧している中高生は多いのではないだろうか。(図2)
(図2)
中高生の将来の夢
■中高生の将来の夢 男子中学生1位「好きなことを仕事にする」、女子中学生1位「趣味を充実させて生きる」
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、将来の夢について聞いた。
中学生についてみると、「好きなことを仕事にする」(53.5%)が最も高くなり、次いで、「安定した毎日を送る」(50.5%)、「趣味を充実させて生きる」(50.0%)、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(40.0%)、「あたたかい家庭を築く」(38.5%)となった。
男女別にみると、男子の1位は「好きなことを仕事にする」(52.0%)、女子の1位は「趣味を充実させて生きる」(60.0%)となった。また、女子の1位となった「趣味を充実させて生きる」(男子40.0%、女子60.0%)では、男子と比べて女子のほうが20.0ポイント高くなった。
高校生についてみると、「安定した毎日を送る」(49.9%)が最も高くなり、次いで、「好きなことを仕事にする」「趣味を充実させて生きる」(いずれも43.5%)、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(34.1%)、「お金持ちになる」(31.4%)となった。
男女別にみると、男子・女子ともに1位は「安定した毎日を送る」(男子45.3%、女子54.5%)となった。次いで、男子では2位「趣味を充実させて生きる」(39.5%)、3位「好きなことを仕事にする」(37.8%)、女子では2位「好きなことを仕事にする」(49.3%)、3位「趣味を充実させて生きる」(47.5%)だった。(図3)
(図3)
■男子中学生が将来なりたい職業 「公務員」が調査開始以来初の1位に
将来なりたい職業を聞いた。
中学生についてみると、男子中学生では1位「公務員」(16.0%)、2位「プロスポーツ選手」(15.0%)、3位「YouTuberなどの動画投稿者」(14.0%)、4位「会社員」(11.0%)、5位「ITエンジニア・プログラマー」(10.0%)となった。
女子中学生では1位「歌手・俳優・声優などの芸能人」(15.0%)、2位「公務員」(14.0%)、3位「会社員」「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」(いずれも13.0%)、5位「教師・教員」(11.0%)となった。
2024年の調査結果と比較すると、男子中学生では「公務員」が2024年の2位から順位を上げ、2017年の調査開始以来初の1位となった。また、「教師・教員」が2024年の10位圏外(23位)から6位に上昇した。
女子中学生では「公務員」が2024年の7位から2位に上昇したほか、男子と同様に「教師・教員」が2024年10位圏外(13位)→2025年5位となった。(図4)
(図4)
■高校生が将来なりたい職業 男子・女子ともに1位は「公務員」
高校生についてみると、男子高校生では1位「公務員」(13.3%)、2位「ITエンジニア・プログラマー」(11.8%)、3位「会社員」(10.0%)、4位「教師・教員」(9.5%)、5位「YouTuberなどの動画投稿者」(8.0%)となった。
女子高校生では1位「公務員」(12.3%)、2位「教師・教員」(11.8%)、3位「看護師」(9.5%)、4位「会社員」(7.5%)、5位「歌手・俳優・声優などの芸能人」(6.8%)となった。
2024年の調査結果と比較すると、男子高校生では2024年に10位だった「歌手・俳優・声優などの芸能人」が6位に順位を上げた。
女子高校生では「YouTuberなどの動画投稿者」が2024年10位圏外(14位)→2025年9位、「カウンセラーや臨床心理士」も2024年10位圏外(11位)→2025年9位に上昇し、TOP10入りした。(図5)
(図5)
<調査概要>
調査タイトル :中高生が思い描く将来についての意識調査2025
調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の中高生
調査期間 :2025年6月6日~6月16日
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
有効回答数 :1,000サンプル(有効回答から中学生200s、高校生800sになるように抽出)
調査協力会社:ネットエイジア株式会社
出典元:ソニー生命調べ
構成/こじへい