ハイテク満載の走りは別次元だった
R1300GSの目玉機能はASA(Adaptive Shaft Assistant)とACC(Adaptive Cruise Control)の組み合わせによる自動運転感覚のクルージングである。ASAはカンタンに言えばオートマである。左手のクラッチはなくなり、左足のシフトも必要ない。MODEをMからDに切り替えればマシンが自動的に変速してくれるのだ。その真の実力はオフロードで発揮されるらしいのだが、まだ未体験。もちろん一般道でも高速道路でもその恩恵は多大でとにかくエンストしないので立ち転けの心配がない。さらにアクセルワークだけで自動変速されるので疲れない。もし自分でシフトチェンジしたいなら左足を使ってチェンジできる。
これと組み合わせてさらに楽を出来るのがACCなのだ。ONにすると現在の速度を保って走ってくれる。さらに前のクルマとの車間距離を約40m(調整可能)に保ってもくれるため、アクセルワークからも開放され、直線道路ならクルーザーに乗って移動しているような気分になれる。ACCは1km単位で加減速設定ができ、長押しで10km単位の設定ができる。ブレーキを使うと即解除される。ブレーキはフルインテグラルなので、前後どちらをかけても連動して動作する。さらに新規搭載されたFCWという機能もあり、前方から急速に接近するクルマなどを感知すると警告表示に加えて自動的に軽くブレーキがかかるのだ。
これとは別に走行モードの切り替えとDSA(Dynamic Suspension Adjustment)の働きも素晴らしい。停車時にシート高が30mm下がるだけでなく、サスの減衰力とスプリングプリロードも自動調整してくれる。荷物が重いとかタンデム時の調整かなと漠然と思っていたが、走行モードをロードからダイナミックにするとアクセルレスポンスだけでなく、サスのセッティングが自動的に変更され、かなり硬めになるのだ。これによりコーナーの踏ん張りが変わり、早いタイミングでアクセルが開けられるようになった。効果抜群である。走行モードはなんと7種類もあって、最大4種類をメーター登録できる。レイン、エコ、ロード、ダイナミック、エンデューロ、エンデューロプロとダイナミックプロがあり、プロモードでは詳細設定をカスタマイズできる。何とも奥が深い。私はレイン、ロード、ダイナミック、エンデューロを登録している。