
ホテルに宿泊する時に、待ち時間が発生しやすい「チェックイン」。
フロントでスタッフが対応するほか、最近は効率化のためにセルフチェックイン機が導入されているが、自分で名前や予約番号を入力する必要がある。
これからは、そんな手間がなくなるかもしれない。
2025年8月5日(火)、宇都宮市の「宇都宮東武ホテルグランデ」でサービスを開始したのが、日本初となる「指をかざすだけでチェックイン」。どうやって指をかざすだけでチェックインするのか──、その詳細を紹介しよう。
生体認証サービス「SAKULaLa」を活用し、指3本でチェックイン
「指をかざすだけでチェックイン」は、生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を活用したもの。
株式会社日立製作所、東武鉄道株式会社、日本NCRビジネスソリューション株式会社の3社による取り組みで、指をかざすだけでチェックインと決済が完了できるのは、日本で初めてだ。
事前決済が完了している場合は、セルフチェックイン機の予約検索方法で「SAKULaLa(生体認証)」を選択→生体認証端末に指をかざす→確認で、チェックインが完了する。自分の名前を入力する必要はなく、スマートフォンで予約番号を探す手間もいらない。
決済をホテルの現地で行う場合は、
セルフチェックイン機の予約検索方法で「SAKULaLa(生体認証)」を選択
→生体認証端末に指をかざす
→支払い方法選択画面で「SAKULaLa(生体認証)クレジット」を選択
→生体認証端末に指をかざす→支払いクレジットカードを選択
→決済完了&チェックイン完了、となる。
実際に使わないと複雑そうに見えるが、ゲストは案内に沿って「選択」と「指をかざす」だけ。財布から現金やクレジットカードを出す必要はなく、チェックインにかかる時間は予約情報を自身で入力する従来のセルフチェックイン機と比較し、約30~50%短縮されるという。
そもそも「SAKULaLa」は日立・東武鉄道が提供している生体認証サービス。生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームで、指をかざすだけで「決済」や「ポイント獲得」ができるサービスを2024年4月より提供してきた。
現在、利用できるのは東武ストア一部店舗、東京スカイツリーオフィシャルショップ、大阪のジョーシン 日本橋店など合計29施設で、2026年度にはファミリーマート100店舗への導入を目指している。
そして今回は、ホテル向けセルフチェックイン機国内シェアNo.1の日本NCRビジネスソリューションが協力し、「指でかざすだけでチェックイン」が実現した。
こういった最先端のサービスが開始される時に、気になるのはデジタルネイティブ以外の人にとっての使いやすさだ。
例えばいま世の中で広く利用されているQRコード決済は、スマートフォンを持っていない人の場合利用が難しい。
しかし「SAKULaLa」は最初の登録だけサポートしてもらえば、指のみで決済やチェックインを完了させることができる。実際、東武ストアで「SAKULaLa」を利用する利用者のうち約4分の1が60~70代で、半数以上が50代以上。
「サービスをきっかけにポイントが貯まるようになった」という70代男性の意見もあり、その使いやすさは実証されているようだ。