
しながわ水族館は、開館から30年以上経ち、社会情勢の変化や競合水族館の増加などにより、2025年度からリニューアル工事に着工し、2027年度にリニューアルオープンを予定しています。これに伴い、人気のイルカショーは終了が決定しており、観覧を希望する場合は早めの来館がおすすめ。リニューアル後は「品川らしさ」をテーマに、知的好奇心を満たす次世代の水族館を目指します。
目次
1991年10月19日に開館した「しながわ水族館」。
首都圏(都内)で初めてイルカショーが観られる水族館として話題となり、開館当時はイルカショー人気もあり、年間160万人を越える利用者がありました。
2022年には入館者2000万人を突破! そして、営業開始から30年を越え、水族館は時代の変化と共にリニューアルを予定しています。
しながわ水族館は今後どうなるのか? まとめてみました。
しながわ水族館の魅力。イルカショーはいつから始まった?
まずはしながわ水族館の魅力と、イルカショーについての基本情報をご紹介します。
■いつ開館したの?
しながわ水族館は、都市化の中で失われつつある自然とのふれあい、特に品川とゆかりの深い、海と川とのふれあいをテーマとした水族館として、1991年(平成3年)10月19日オープンしました。
■どこにあるの?
しながわ水族館は品川区内最大の区立公園「しながわ区民公園」の中にあります。

公園の東側には首都高速1号羽田線が走り、その奥に「大井競馬場」があります。
水族館の南側は勝島南運河と面しており、その先には「ボートレース平和島」などがあります。
京浜急行の「大森海岸駅」を下車すると徒歩約8分で、JR京浜東北線の「大森駅」を下車すると北口改札から徒歩約15分で着きます。
■何が観られるの?
しながわ水族館は1階「海面フロア」と地下1階「海底フロア」の2フロアでできています。
イルカショーとアシカショーは「イルカ・アシカスタジアム」で開催しています。

青空をバックにダイナミックなジャンプをするイルカショーやユーモラスで愛嬌のあるアシカショーが楽しめます。

また、南アメリカ沿岸に棲んでいるマゼランペンギンを観察できる「ペンギンランド」も人気。

愛らしいゴマフアザラシに出会える「アザラシ館」、品川の海岸地域をジオラマとともに再現した「品川と海」など、様々な展示が行われています。

地下1階も確認してみましょう。
まずは約70種400点もの魚たちが泳ぎ回る大海原が、天井いっぱいに広がる「トンネル水槽」は見逃せません。

イルカが泳ぐ姿を間近で観察できる「イルカの窓」も大人気。

「クラゲたちの世界」「カワウソ〝小さな狩人〟」「シャークホール」といった展示も楽しいです。



オープン以来5年おきに、ペンギンランド(1996年)、シャークホール(2001年)、アザラシ館(2006年)を新設するなど、展示の充実を図ってきたしながわ水族館。現在は450種4000点にのぼる多種多様な生物を展示しています。
■イルカショーはいつ始まった? その人気の理由とは?
「しながわにイルカが舞う!」と銘打ち、都内初のイルカショーは1991年(平成3年)10月19日の開館当初から観ることができました。
都内初のイルカショーということもあり、大いに人気を集めました。
しながわ水族館がリニューアル
開館から30年以上の年月で多くの人々から愛されたしながわ水族館も、時代の変化により大きく変わろうとしています。
その状況をご説明します。
■リニューアルの理由と変更点
しながわ水族館がリニューアルされる理由は以下のようになっています。
1.施設や設備の老朽化が進行。
2.娯楽性の高い水族館が同一路線上に複数開館。
3.競合水族館による娯楽要素の高いイルカショーが増えて集客力が低下
4.水族館などの利用者が子どもから大人に変化
これらの状況変化を主な理由に、1992年の160万人超の利用者をピークに減少傾向となり、コロナ禍においては40万人を割る年もありました。しかし近年では様々な営業努力もあり50万人前後の利用者数を維持しています。

■今後はどうなる?
しながわ区民公園内の勝島の海に隣接する位置に、延床面積5000㎡程度の規模で施設を建設。年間利用者数を初年度100万人、5年後60万人想定としています。リニューアルにあたっては、最新の水族館かつ最新の社会教育施設としての役割を果たす水族館を目指すことになっています。
現在、しながわ水族館の魅力向上に向けて、さらなる民間活力の導入を検討するとともに、リニューアルオープン時期などのスケジュールについても見直しを実施しています。 品川は東京湾に面した海のまちとして古くから栄え、江戸時代から漁村として発展、海苔養殖や潮干狩りなど江戸前の海の象徴です。
そして、東海道最初の宿場町「品川宿」があり、古代に遡ると、縄文時代の早くから人が居住し、縄文時代の貝塚や古墳時代の古墳群など集落の遺跡が発掘されています。
そんな品川のまちの立地や歴史文化を背景に、区民が誇れる「品川らしさ」のあふれる施設として、
1.しながわ区民公園と一体的な魅力の向上
2.水中感あふれる美しい展示
3.文化と歴史を取り入れた展示
4.東京湾にこだわりを持った展示
5.品川の情報発信と区内他施設との連携
6.区民アイディアを取り入れた展示
をかなえる水族館が誕生する予定です。
イルカの展示は終了予定
しながわ水族館は開館当時、都内初のイルカショーが観られることで大きな人気を集めました。
イルカショーの人気は根強いものの、リニューアルに伴いイルカの展示・イルカショーの廃止が決定されています。

■なぜ終了するの?
競合水族館の開業で独自性が失われたことや、イルカの飼育による財政負担が大きいことが、イルカの展示とイルカショーを終了する主な理由です。
■いつまで観られるの?
リニューアル工事着工と並行して終了されると目されます。終了時期については品川区ホームページや同館のホームページなどを参照してください。
イルカショーはリニューアル以降実施されない予定なので、イルカの展示やイルカショーを観るなら現在の水族館が営業する間にご来館ください。
【参考】しながわ水族館
しながわ水族館リニューアルの 方向性について -東京|品川区
こちらもチェック!
閉館後の水族館を貸し切りにしてLOVOTと過ごせる限定イベントに行ってみた
行ってみたい!19歳の美大生が描く、夢がつまった「古生代水族館」
【週末散歩】隅田川を渡りながらモダンとレトロを堪能する「浅草~亀戸コース」
※当記事に掲載している価格などのデータは2025年7月時点でのものです。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/中馬幹弘
ガジェット・MONO・マネー編集/ライター。慶應義塾大学卒業後、野村證券にて勤務。アメリカンカルチャー誌編集長、モノ情報誌編集を歴任。iPhone、iPad登場時より実務に携わる