
スマホやPCの充電はケーブルの選び方でポテンシャルが大きく変わることがあります。そこで、デバイス充電に不可欠なケーブルの端子形状、充電速度(W数)、長さ、耐久性といった重要なポイントを解説します。お使いのデバイスに最適なケーブルを選んで、充電効率を最大化しましょう。
目次
スマホやノートPC、ワイヤレスイヤホンといったデバイスには、充電が必要。ほとんどの人は、USB-CやLightningといったケーブルを利用して、デバイスの充電を行っているでしょう。
充電ケーブルは100円ショップやコンビニ、家電量販店などさまざまな場所で購入できますが、実は充電ケーブルにも性能による違いがあります。
本記事では、充電ケーブルを購入する際に、確認してほしいポイントについて紹介していきます。
充電ケーブルによる違い
それでは、充電ケーブルによる性能の違いについて確認してみましょう。
■充電器はまず端子の形状をチェック

充電ケーブルを使用する上で、大前提ともいえる重要なポイントが、端子の形状です。
端子には、USB Type-A(2.0)、USB Type-B(2.0)、mini USB Type-B、Micro USB Type-B(2.0)、Micro USB Type-B(3.0)、USB Type-C、Lightningといった種類があります。
基本的には、充電したいデバイス、使用するACアダプターの形状に合わせたケーブルが必要になります。
近年のデバイスでいうと、iPhone 15シリーズ以降やほとんどのAndroidスマホ、ノートPCが、USB Type-Cでの充電に対応しています。
iPhone 14シリーズ以前の機種はLightningケーブル、数年前に発売されたAndroidスマホの場合は、Micro USB Type-B(3.0)を使うことが多くなっています。
【参照】ソフトバンクニュース 【解説】USBケーブルの種類がまるわかり! ケーブルの見分け方や使い方を解説します
■USBケーブルにある数字の意味は?
USBケーブルには、2.0や3.0といった数字がついていることがあります。
これは規格のバージョンを示している数字で、基本的に数字が大きいほど、新しいバージョンとなっています。新しいバージョンの方が、転送速度が速いといった利点があります。
■ケーブルによって充電速度は異なる

充電ケーブルは、種類によって充電速度に違いがあります。ケーブルには「○○W」といった表記があり、基本的には、数字が大きいほど、充電速度が速くなります。
また、形状によって電力の最大出力が異なるのも特徴です。
■長さや耐久性も充電ケーブルにとって大事な要素

ケーブルを選ぶ際には、長さや耐久性も重要な要素になります。
ケーブルの長さは、短いものだと数cm程度、長いものだと2m、3mといったものがあります。使用用途によって、使いやすいケーブルの長さは異なるので、適したものを選ぶように心がけましょう。
また、充電ケーブルは内部で断線や劣化が起こりやすいため、耐久性も重要なポイント。ケーブル部分に、アラミド繊維やナイロンといった、耐久性の高い素材を使用しているものもあるので、頻繁に充電ケーブルを買い替えたくないという人は、ケーブルの素材にも注目しましょう。
デバイス別おすすめのケーブルや充電方法の選び方
スマホやPCなど、デバイスによっておすすめのケーブルや充電方法をご紹介します。
■ノートPCへの急速充電はUSB PD対応ケーブルがおすすめ

スマホだけでなく、ノートPCといった電力消費の激しいデバイスへの給電も行いたいという人におすすめなのが、USB PDに対応したケーブルです。
USB PDとは、USB Type-C端子に対応した給電規格の1つで、最大240Wの電力供給に対応しています。
ただし、USB PD対応ケーブルであっても、最大60Wと定められているものもあるので、使用するケーブルはしっかりと確認する必要があります。
【参照】サンワサプライ USB PDとは? (USB Power Delivery)
USB PDと混同しがちなThunderboltとは?

USB PDと混同しがちな規格に、Thunderboltというものがあります。これはインテスが開発した高速データ転送規格となっており、Thunderbolt 3以降のバージョンでは、USB Type-Cが採用されています。
Thunderbolt 4はUSB PDと完全に互換性があり、Thunderbolt 4に対応したデバイスは、USB PD対応デバイスも含まれています。
【参照】Anker 「USB Type-C (タイプC) 」とは?おすすめのType-Cケーブルや充電器を紹介!
■Androidスマホにおすすめの充電ケーブルの選び方
Androidスマホの充電ケーブルの選び方のポイントをご紹介します。
ケーブルの種類
USB Type-C(USB-C):ほとんどのAndroidスマホで採用されている主流の端子です。高速充電や高速データ転送に対応しています。
USB-C to USB-Cケーブル:充電器側もUSB-Cポートの場合に選びます。特にUSB Power Delivery(USB PD)を利用した急速充電にはこのタイプが必要です。
USB-A to USB-Cケーブル:従来のUSB-Aポートの充電器やPCに接続する場合に選びます。急速充電の性能は充電器に依存します。
microUSB:古いAndroidスマホや一部の低価格帯のモデルでは、今でも採用されています。
急速充電規格への対応
Androidスマホの急速充電規格はいくつか種類があります。どの規格に対応しているかを確認して、それに合ったケーブルと充電器を選ぶことが重要です。
USB Power Delivery(USB PD):現在最も普及している急速充電規格です。iPhoneだけでなく、多くのAndroidスマホやタブレット、ノートPCにも採用されています。
PPS(Programmable Power Supply):USB PDの拡張機能で、より細かく電圧と電流を調整し、発熱を抑えながら効率的な充電が可能。最新のハイエンドAndroidスマホ(GalaxyやGoogle Pixelなど)はPPSに対応していることが多いです。

Quick Charge:かつてはUBS PDとは別の規格でしたが、Quick Charge 4以降でUSB PDとの互換性が確保され、Androidスマホに採用されることの多いQuick Chargeというものがあります。
Quick Chargeは、クアルコムが開発している高速充電規格で、接続したスマホに合わせて、最適な電圧と電流にて充電できるのが特徴。Quick Charge 4以降の規格は、USB PDとの互換性も確保されています。
また、Quick Chargeは、給電する側とされる側との間で、それぞれがQuick Chargeに対応しているのかを、データ通信して確かめるという性質から、基本的にデータの転送にも対応しています。
ケーブルのW数(ワット数)対応:USB PD対応ケーブルは、対応する最大ワット数が表記されています。たとえば、60W、100W、240Wなどです。利用しているスマホが対応するワット数以上のケーブルを選ぶようにしましょう。
一般的なスマホは20~30W程度、ハイエンド機種では45~65W程度に対応することが多いです。
ほかにも、各メーカー独自の急速充電規格、たとえばSamsung(Super Fast Charging)、OPPO(VOOC/SuperVOOC)、Xiaomi(Mi Turbo Charge)などもあります。これらの規格を利用したい場合は、メーカー純正品または互換性のあるケーブルと充電器を使用する必要があります。
耐久性
充電ケーブルは消耗品ですが、耐久性の高いものを選べば長持ちします。
ナイロン編み、アラミド繊維などで補強されたケーブルは、断線しにくい傾向があります。そして、シリコン製のケーブルは柔らかく絡みにくいのが特徴です。
さらに、断線しやすいコネクタの根本部分が強化されているものは耐久性が高いです。また、「〇万回以上の折り曲げテストクリア」といった表示がある製品は、耐久性が期待できます。
ケーブルの長さ
適切な長さを選ぶことで、使い勝手は大幅に向上します。
短め(50cm以下):モバイルバッテリーやPCと接続する際にコンパクトで便利です。
標準(1m):デスクやベッドサイドなど、一般的な用途に使いやすい長さです。
長め(1.5m~2m以上):コンセントが遠い場所や、ソファなどでゆったりと使いたい場合に便利です。ただし、長すぎると絡まりやすくなることもあります。
データ転送速度
Androidスマホの多くが利用するUSB-Cケーブルは、種類も方法です。そのため、充電だけでなく、PCとのデータ転送も頻繁に行う場合は、データ転送速度にも注目しましょう。
USB 2.0(480Mbps):一般的なケーブル。充電と一般的なデータ転送には十分です。
USB 3.0/3.1/3.2(5Gbps/10Gbps/20Gbps):大容量のデータを高速で転送したい場合に適しています。
USB4(40Gbps):最新規格で、超高速データ転送や映像出力にも対応します。高機能なケーブルは価格も高くなります。
■iPhoneにおすすめの充電ケーブルの選び方
iPhoneにおすすめの充電ケーブルを選ぶ際には、いくつかのポイントがあるのでご紹介します。
ケーブルの種類
iPhone 14以前のモデル:Lightningケーブルが必要です。充電器側の端子はUSB-AとUSB-Cと2種類あります。
USB-C to Lightningケーブル:現在の主流です。USB Power Delivery(USB PD)に対応した充電器と組み合わせれば、急速充電が可能です。
USB-A to Lightningケーブル:従来のUSB-Aポートの充電器を使用する場合におすすめ。急速充電には対応していませんが、安価なものが多いです。
MFi認証の有無
MFi(Made for iPhone/iPad/iPod)認証により、そのケーブルがAppleの定めた性能基準を満たしていることがわかります。
MFi認証品は、OSのアップデート後も安心して使用でき、互換性や安全性において信頼性が高いです。特にLightningケーブルを選ぶ際は、MFi認証品を選ぶことをおすすめします。
耐久性
充電ケーブルは毎日使うものなので、断線しにくい高耐久なものを選ぶと長く使えます。
アラミド繊維やナイロン製のケーブルは強度が高く、断線しにくい傾向にあります。また、根本部分が強化されているものや、一体成型デザインのものは断線に強いです。
そして、「〇万回以上の折り曲げテストクリア」といった記載がある製品は、高い耐久性がうかがえます。
長さ
短め(50cm以下)のタイプ:モバイルバッテリーと一緒に使う場合や、持ち運びを重視する場合に便利です。
標準(1m前後):自宅やオフィスでの普段使いにピッタリ。デスクやベッドサイドでの使用にも十分な長さです。
長め(1.5m~2m以上):コンセントが遠い場所での使用や、ベッドでくつろぎながら充電したい場合などに便利です。ただし、長すぎると絡まりやすくなることがあるので注意しましょう。
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※データは2025年8月時点での編集部調べ。
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文/F.さとう