例文付きで解説！「取捨選択」の意味とビジネスシーンでの正しい使い方

「取捨選択（しゅしゃせんたく）」とは、多くのものの中から必要なものを選び、不要なものを捨てるという意味を持つ四字熟語だ。日々、情報や選択肢にあふれる現代において、取捨選択の力はビジネスパーソンにとって欠かせないスキルのひとつだろう。

この記事では、「取捨選択」の意味や使い方をはじめ、例文や類義語との違いも交えながら、わかりやすく解説する。

「取捨選択」とは

まずは「取捨選択」という言葉の意味や類語について解説していく。

■「取捨選択」の意味

取捨選択とは、多くの選択肢の中から「必要なものを選び」「不要なものを捨てる」という意味の言葉だ。日常生活のさまざまな場面でも、使われる機会は多い。

たとえば、就職活動で複数の内定先から一社を選ぶときや、時間管理のためにやることを絞り込むときなどがその例だ。このように、自分にとって本当に価値のあるものを見極めて選ぶことを「取捨選択する」という。

■「取捨選択」の類義語

「取捨選択」に近い意味を持つ言葉に、「取捨分別（しゅしゃぶんべつ）」がある。この言葉も、必要なものと不要なものを見極めて選び分けるという意味を持つ。

「分別」には「見分ける」「判断する」といった意味があり、やや理性的・冷静な判断を強調するニュアンスがあるのが特徴だ。ビジネスや文章表現の中では、「慎重な取捨分別が求められる」などの形で使われることがある。

「取捨選択」の使い方

「取捨選択」は、日常生活からビジネスシーンまで幅広く使われる言葉だ。

必要なものと不要なものを見極めるという意味から、個人の判断力や優先順位の整理といった文脈でよく用いられる。

ここでは、一般的な日常の場面での使い方と、ビジネスシーンにおける具体的な使用例をそれぞれ紹介していこう。

■一般的な取捨選択の使い方

「取捨選択」は、日常生活の中でも広く使われている言葉だ。たとえば、引っ越しや断捨離の際に、必要なものだけを残して不要なものを処分する行為は、まさに取捨選択のひとつだ。

また、限られた時間の中で何を優先するかを決める場面でも、「取捨選択が大事だよね」といった形で用いられる。このように、物や情報、時間、行動などを見極めて選ぶときに使われるのが「取捨選択」という言葉だ。

・一般的な取捨選択の使用例

使用例1：日常生活での整理整頓

「年末の大掃除では、使わない服や家具を思い切って処分するために取捨選択した」

使用例2：時間の使い方に関する会話

 「やりたいことが多すぎて時間が足りないから、今は本当に大事なことだけを取捨選択して進めてる」

使用例3：情報の取扱いについて

 「ネットの情報は多すぎるから、信頼できるものを取捨選択する力が大事だよね」

これらのように、「取捨選択」はモノ・時間・情報など、あらゆる場面で自然に使うことができる便利な言葉だ。

■ビジネスにおける取捨選択の使い方

ビジネスの現場では、「取捨選択」は限られた時間やリソースの中で、最適な判断を下すために欠かせない考え方だ。たとえば、新規プロジェクトの立ち上げ時に、必要な業務を優先し、不要な作業やコストを削減する場面などが挙げられる。

また、会議で多くのアイデアが出たときに、最も効果的なものを選び取る行為も「取捨選択」といえる。このように、取捨選択は業務効率の向上や意思決定の精度を高めるうえで、非常に重要なスキルといえるだろう。

・ビジネスシーンにおける取捨選択の使用例

使用例1：業務効率の見直し

 「業務が多忙なため、優先順位を決めてタスクを取捨選択する必要がある」

使用例2：企画会議での判断

 「新商品のアイデアが出揃ったので、効果やコストを基準に取捨選択を進めましょう」

使用例3：人員配置の最適化

 「限られた人数で最大の成果を出すには、業務の取捨選択と役割分担が欠かせない」

このように、ビジネスの現場では状況判断やリソース管理の中で「取捨選択」という言葉が自然と使われる場面が多くある。適切な判断力を求められる現代の働き方において、重要なキーワードのひとつといえるだろう。

ビジネスシーンにおける取捨選択の注意点

ビジネスで取捨選択を行うときは、「何を基準に選ぶか」を明確にすることが大切だ。
たとえば、長く続けている業務でも、本当に成果に結びついているのかを見直す必要がある。目に見えるコストだけで判断せず、お客さまの満足度やチームへの影響など、見えにくい部分にも目を向けよう。

また、自分たちでやるべきことと、外部に任せたほうがよいことを分けて考えるのもポイントだ。専門性が必要な業務は、外注することで効率や成果が上がることもある。

つまり、取捨選択では「基準」「視野の広さ」「見えない価値」に注目することが成功のカギになる。

※参考：「生産性向上のための取捨選択の極意」https://nano.globis.ac.jp/r/reflections/article/1202

まとめ

「取捨選択」とは、必要なものを選び、不要なものを手放すというシンプルながら奥深い考え方だ。日常生活はもちろん、ビジネスの現場でも重要なスキルとして活用されている。

特に限られた時間やリソースの中で成果を出すためには、何を選び、何を手放すかの判断が大きな差を生む。場当たり的に使うのではなく、言葉の正しい意味を理解しておくことで、より的確に使いこなすことができるだろう。

今後さまざまな選択を迫られる場面に備えて、「取捨選択」の意味をしっかりと押さえておこう。

文／太田　佳祐（おおた　けいすけ）

人材系企業にて求人広告の営業や人材紹介部署の立ち上げやマネジメントを経験。転職し、新規事業部門にて新事業の立ち上げや採用業務に従事したのちに独立（ライター・カウンセラー・セミナー講師）。現在は株式会社レンジャー代表取締役/一般社団法人日本アカウンタビリティ・パートナー協会会長としてプロスポーツチームや自治体、企業や個人の目標達成を伴走型でしながら、ライターとしての執筆や講演活動も行っている。