
生真面目とはどんな性格?真面目との違いや、周囲から誤解されやすい理由、短所と長所、柔軟な考え方を取り入れるコツを解説します。生きづらさを感じている人にこそ読んでほしい、生真面目さと上手に付き合うヒントが満載!
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「生真面目な人」と言われて、あなたはそれを褒め言葉として素直に受け取ることができますか?
「生真面目」という言葉には“真面目”という言葉が入っているのに、複雑な気持ちになってしまう人が多いようです。
では、なぜ「生真面目」にはマイナスなイメージがあるのでしょうか。この記事では、生真面目の短所や長所、そして生真面目な部分を持つ自分との上手な付き合い方をお伝えします。
生真面目の意味は?
まず、「生真面目(きまじめ)」とはどのような意味なのかを見ていきます。
小学館のデジタル大辞泉によると、生真面目とは、
・非常にまじめなこと。まじめすぎて融通がきかないこと。また、そのさま。
と記載されています。
意味にあるように、非常に真面目であると同時に、その真面目さが行きすぎて、融通がきかないところがあり、その部分がマイナスのイメージにつながっているのでしょう。
また、融通がきかないということは、周囲からは「堅苦しい」「扱いにくい」といった印象を持たれることも多いことが予想されます。
真面目との違いは?
次に、真面目との違いを見ていきます。「真面目」の意味を小学館のデジタル大辞泉で見てみると、
・うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること。また、そのさま。
・真心のあること。誠実であること。また、そのさま。とあります。
真面目には、マイナスの意味の「融通がきかない」がありません。つまり、「生真面目」と「真面目」の決定的な違いは、“柔軟性”にあります。
例えば、予期せぬ事態が起こったとします。「真面目」な人は、誠実さを保ちつつも、状況に応じて最適な解決策を探そうと柔軟に対応します。一方、「生真面目」な人は、従来のやり方やルールに固執してしまい、瞬時にうまく対応できない傾向があります。
長所であるはずの真面目さも、度を越してしまうと、ネガティブな評価に転じてしまうのです。
生真面目の短所や長所
生真面目という言葉には、融通が利かないといったネガティブなイメージが伴いがちですが、長所といえる特徴もあります。ここでは、そんな生真面目な人の特徴を長所と短所の両面をご紹介します。
短所1.頑固で柔軟性に欠ける
生真面目な人は、「こうあるべき」という強い信念を持ち、一度決めた目標や手順に固執しがちです。状況の変化に応じて目標を修正したり、周囲のアドバイスを取り入れたりすることに、強い抵抗を感じることが少なくありません。仕事など、チームや組織といった複数の人が関わる場面では、円滑な連携を妨げ、周囲を困らせる原因となってしまうことも考えられます。
短所2.臨機応変な対応ができない
生真面目な人は、決められた手順やルールに沿って作業を進めることを得意とする一方で、予測できない出来事への対応を極端に苦手とします。そのため、突発的なトラブルやクレームといったマニュアル外の事態に直面すると思考が停止してしまい、臨機応変に対応することができません。
決まった業務では非常に頼りになる存在ですが、応用力が求められる場面ではその実直さがかえって足かせとなってしまうことがあるのです。
短所3.自分だけでなく他人にも厳しい
生真面目な人は自分に厳しいだけでなく、その高い基準や価値観を他人にも同じように求めてしまう傾向があります。これは、基本やルールから逸脱することへの強い違和感から来ています。自分では許されない間違いを他人がしているのを見ると、たとえ些細なことであっても指摘せずにはいられなくなります。
この妥協のない姿勢は、周りの人々にとっては窮屈に感じられることもあるでしょう。
長所1.忍耐強い
生真面目な人の長所として、忍耐強さが挙げられます。一度決めたことはどんな困難があっても最後までやり遂げるという、強い責任感を持っているのです。
この最後までやり抜く姿勢は、周囲の人々に忍耐強いという印象を与えます。また、設定した目標の達成のために努力を惜しまないところや、物事を予定通りに完遂させる力は、周囲からの信頼を得やすく、リーダー役に抜擢されることも少なくないでしょう。
長所2.規則正しい
生真面目な人は、決められたスケジュール通りに動くことを善とします。いつも通りの生活を大切にしており、それを崩すことに強い抵抗を感じるのです。そのため、必然的に日々の生活は規則正しいものになります。
同じルーティンを行い続ける姿は、周囲に落ち着いた印象を与えます。
長所3.妥協せず目標に邁進する
生真面目な人は基本に忠実であると同時に、妥協せず目標に邁進する、高い向上心の持ち主でもあります。目標を実現するためにはいかなる努力も惜しみません。
物事に真剣に取り組みコツコツと努力を重ねる真面目さ、一度決めたことを最後までやり遂げる強い責任感は、安心して仕事を任せられる存在と言えます。
生真面目な部分を持つ自分との上手な付き合い方
自分の中にある生真面目な部分に悩みを抱えている人もいるでしょう。ここでは、長所の部分を認めつつ、少しだけ柔軟な思考を取り入れる方法をお伝えします。
1.完璧を求めすぎない
生真面目な性格を和らげるためには、まず何事にも完璧を求めすぎないように意識することが大切です。
常に完璧を目指していると、心の余裕が失われて視野が狭くなりがちです。その結果、かえって全体の質が落ちてしまうなど、逆効果になることも少なくありません。客観的に見て合格ラインに達しているのなら、そこで一度区切りをつける勇気を持ちましょう。
2.過程よりも結果を重視する
過程よりも結果を重視するという意識を持つことも有効です。
生真面目な人は、仕事の成果だけでなく、そこに至るまでのプロセスにも強くこだわる傾向があります。他人のやり方が自分の理想とする手順と異なると気になってしまい、つい自分のやり方を押し付けてしまいがちです。
しかし、大切なのは、最終的に成果が出ることです。結果を出すという共通の目的に向かって、過程についてはある程度の柔軟性を持つよう意識してみてください。
3.周囲のアドバイスに耳を傾ける
日頃から周囲のアドバイスに意識して耳を傾けることも、生真面目な性格をより良い方向へ導くための大切なことです。
生真面目な人は、自分の価値観やルールにこだわるあまり、無意識のうちに主観に偏りがちです。常に客観的な視点を保つためにも、他人の意見を積極的に取り入れてみましょう。もちろん、自分の意見を捨てる必要はありません。自分の考えを大切にしながら、同時に他人の考えも尊重することを意識してみてください。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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