
Excelのダークモードは、目の疲れを軽減し、集中力アップやバッテリー節約にも効果的。設定方法や利用時の注意点、見やすくするカスタム方法を紹介し、快適な作業環境づくりをサポートします。
目次
Excelを長時間使うと目が疲れたり、集中力が続かなかったりすることがある。そんな悩みを解決するのが「ダークモード」だ。画面が暗くなり目に優しいだけでなく、バッテリーの節約にもつながる。
この記事では、WindowsとMacでのダークモード設定方法をわかりやすく紹介。さらに、使うときの注意点や見やすくするコツも解説するので、快適な作業環境づくりに役立ててほしい。
Excel(エクセル)でダークモードにするメリット
Excelを日常的に使用していると、「目が疲れる」「集中力が続かない」といった悩みを抱えるユーザーも多い。こうした問題を軽減する手段として、ダークモードは有効である。以下に、その代表的なメリットを3つ紹介する。
■目の疲れを軽減できる
明るい白背景の画面を長時間見続けると、目に大きな負担がかかる。特に、室内の照明が暗い環境では、画面の光がより強く感じられ、眼精疲労を引き起こしやすい。
例えば、夜間に残業でExcelの帳票を作成していると、次第に目がかすんでくるという経験は少なくない。ダークモードを使えば、画面の明るさが抑えられ、視覚への刺激が軽減されるため、快適な作業が持続しやすくなる。
■バッテリーの消費を抑えられる
外出先でノートパソコンを使って作業する場合、気になるのがバッテリーの持ちである。ダークモードは黒を基調とする配色であり、有機EL(OLED)ディスプレイを搭載した端末では、発光量が少なく済むため電力消費を抑えられる傾向にある。
例えば、新幹線やカフェでExcelのプレゼン資料を修正している最中、バッテリー残量を気にせずに作業を続けられるのは大きな利点である。
■集中しやすい作業環境になる
ダークモードに切り替えることで、画面全体が暗くなり、文字や数値といった作業対象が視覚的に浮き上がって見える。その結果、周囲の装飾や余計な情報が目に入りにくくなり、自然と集中力が高まる。
例えば、大量の売上データを関数で処理したり、VLOOKUPでデータを紐付けたりする場面では、背景が暗い方が情報に集中しやすく、作業効率も向上する。
Excel(エクセル)をダークモードに設定する方法
Excelをダークモードに設定する方法は、使用しているOSやExcelのバージョンによって多少異なるが、基本的には「Officeのテーマ」を変更することで設定できる。ここでは、Windows版・Mac版それぞれの手順を紹介する。
■Windowsでの設定方法
- Excelを起動し、画面左上の「ファイル」タブをクリックする。
- 表示されたメニューの下部にある「オプション」を選択する。
- 「Excelのオプション」画面が開いたら、左側メニューの「全般」を選ぶ。
- 画面右側の「Microsoft Officeのユーザー設定」セクションにある「Officeテーマ」から、「黒」または「濃い灰色」を選択する。
- 「OK」をクリックして設定を保存すれば、Excelがダークモードに切り替わる。
「黒」は最も暗いテーマであり、背景がほぼ黒になる。一方「濃い灰色」は柔らかめの暗色で、好みに応じて選択できる。
■Macでの設定方法
Macでは、Excel単体でダークモードを切り替えることはできず、macOS全体の外観設定に従う仕様となっている。以下の手順で設定を変更する。
- メニューバーから「Appleメニュー」を開き、「システム設定(またはシステム環境設定)」を選択する。
- サイドメニューの「外観」をクリックする。
- 表示モードの中から「ライト」「ダーク」「自動」のいずれかを選ぶ。
- 「ダーク」を選択すれば、Excelを含む対応アプリが自動でダークモードに切り替わる。
「自動」に設定した場合、昼はライト、夜はダークに自動的に切り替わる。
ダークモード利用時の注意点とおすすめ設定
ダークモードは視認性の向上や疲労軽減に効果的であるが、使い方によってはかえって見づらさを招く場合もある。ここでは、ダークモード利用時に注意すべき点と、それを補うためのカスタム設定について解説する。
■セルやグラフの色が見えにくくなることがある
ダークモードでは背景が黒や濃いグレーになるため、セルの背景色や文字色、グラフ・図形に使用した色が暗い背景に埋もれてしまうことがある。
例えば、白背景で作成されたExcelファイルをダークモードで開いた際、黄色や淡いグレーで塗ったセルがほとんど見えなくなる場合がある。また、グラフの文字や線が細い場合、暗い色では認識しづらくなることもある。
このような場合は、必要に応じてセルの色を明るめに変更するか、グラフの配色を見直すことが望ましい。
■印刷プレビューやPDF出力時の見え方に注意
ダークモードは画面表示上のテーマであり、印刷やPDF出力の際には反映されない。
例えば、画面上では暗い背景に白い文字が表示されていても、印刷プレビューやPDFに変換すると、背景が白く戻り、文字が白のままだと何も見えなくなるというケースがある。
印刷や共有を前提とする資料の場合は、ダークモードの状態で配色を変更しないよう注意するか、作業時だけダークモードを利用し、出力前に元のテーマへ戻すといった対応が必要である。
■視認性を上げるおすすめカスタム設定
ダークモードを快適に使うためには、いくつかのカスタマイズを行うのが有効である。
例えば、セルの文字色は白や明るい色を選び、背景とのコントラストを確保する。加えて、条件付き書式や太字・色分けなどを積極的に活用することで、視認性の高いシート作成が可能となる。
また、グラフの軸や凡例の色も意識して調整し、背景に溶け込まないようにすることが推奨される。特にプレゼン資料や社内報告書では、表示環境を問わず見やすくする工夫が重要である。
まとめ
Excelのダークモードは、画面の明るさを抑え目の負担を軽減できるため、長時間作業に適した機能である。特に暗い環境や夜間の作業で効果を実感しやすく、バッテリー消費の節約にもつながるため、外出先での利用にも向いている。
ダークモードのメリット
- 目の疲れを軽くできる
- バッテリーの消費を抑えられる
- 集中しやすい環境を作れる
ダークモードの注意点
- セルやグラフの色が見えづらくなることがある
- 印刷やPDFにすると画面の見え方と違う場合がある
- 文字色やグラフの色を調整して、見やすくカスタムするのがおすすめ
これらのポイントを踏まえて適切に設定すれば、快適で効率的な作業環境が実現できる。ぜひダークモードを活用し、Excel作業の質を向上させてほしい。
構成/編集部