
FORECAST関数は、既知の値を使って将来の値を予測する関数だ。似たような関数に、TREND関数やGROWTH関数などもある。
目次
ExcelにFORECAST関数というものがあると知ったものの、どのような場面で使う関数なのか分からないという方もいるのではないだろうか。FORECAST関数は、商品や企業の将来的な売上やユーザー数を予測したい場合などに活用できる。
本記事ではFORECAST関数の使い方について解説する。また、FORECAST関数と関連するTREND関数とGROWTH関数の使い方についてもまとめた。
ExcelのFORECAST関数とは?
FORECAST関数は、既知の値を使って将来の値を予測する関数である。たとえば、来月の商品の売上金額を予測したい場合などに使える。これまでの売上金額のデータが揃っていれば、FORECAST関数にそれを読み込ませるだけで、来月の売上金額を予測してくれる。
FORECAST関数では「単回帰分析」という手法を用いて、将来の値を予測している。
■FORECAST関数の基本的な構文
FORECAST関数の構文は次のとおり。
- =FORECAST(新しいx値, 既知のy値, 既知のx値)
たとえば、過去1〜6月の売上金額のデータがあり、次の7月の売上を予測したいという場合は、「=FORECAST(7,{売上データの範囲},{月数範囲})」、というように指定する。実際のFORECAST関数の使い方は次の項目でみていこう。
FORECAST関数の基本的な使い方
FORECAST関数の基本的な使い方を次の2つの手順に分けて解説する。
- 売上表を作成する
- FORECAST関数を使う
■1.売上表を作成する
ここでは、FORECAST関数を使って1〜6月までの売上金額のデータを元に、7月の売上金額を予測する方法について解説する。
まずは、以下のように、月ごとの売上金額が書かれた表を用意する。7月の売上金額はこれから予測するので、空欄にしておく。

■2.FORECAST関数を使う
H2のセルに「=FORECAST(H1, B2:G2,B1:G1)」と入力する。
これで、H1(7月)の売上金額を、B2からG2までの売上金額を元に予測できる。

FORECAST関数を実行すると、以下のように、7月の売上予想が表示されている。来月の売上予想として、無理のない金額になっていることを確認できる。

FORECAST関数を使ってデータ分析を行う際の注意点
FORECAST関数は線形的なデータに対して使うことができるが、指数的に増加するデータとは相性が悪い点には注意が必要だ。たとえば、ウイルスの感染者数などは、線形的ではなく指数的に増加する場合がある。
急激に数値が増えることが予測されるデータに対しては、FORECAST関数ではなく、後述するGROWTH関数を使った方が良い可能性がある。
また、FORECAST関数のようなデータ分析関数は、与えられた過去のデータに基づいて分析するだけで、外部要因を考慮することはできない。たとえば、経済の状況や競合他社の動向、ユーザーの変化、などを考慮して売上予測することが難しい。