LAMBDA関数のメリット
LAMBDA関数には、他の関数と違ったメリットがある。使いこなすために確認しておこう。
■関数の再利用が容易
一度定義すれば何度でも使い回せるため、同じ処理の繰り返しがしやすくなる。一度作成した関数を名前を付けて保存し、何度でも呼び出せるため、使っているうちに数式が崩れるのを防ぐことができる。
■数式の複雑化を回避できる
関数に名前を付けて処理させることで、シンプルな関数呼び出しにできる。数式が複雑にならないため、理解しやすく間違いが発生しにくくなる。
■チーム内で共通の計算ルールを共有可能
関数をテンプレート化すれば、全員が同じ計算式を使うことができる。メンバーが勝手に書き換えたり、独自のやり方で属人化したりするのを防げる。
注意点
LAMBDA関数は、古いバージョンのエクセルでは使用できないため、利用環境を確認しておくことが重要だ。また、関数の定義を誤るとエラーの原因になるため、定義の際には引数の数や順番には注意する必要がある。
実際に関数を作る場合には、名前を付けた関数が増えすぎると、管理が複雑になりやすい。適切な数に留めておこう。
まとめ
LAMBDA関数は、業務の標準化や計算ミスの削減、属人化の回避にも効果的なため、特にチームでエクセルを利用する場合には、大いに活用すべき機能だ。関数をただ使うのではなく、作って使うことを取り入れてみてほしい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
- LAMBDA関数とは
- ユーザーがエクセル上で自作の関数を定義できる新機能。
- 基本構文
- =LAMBDA(引数1, 引数2, …, 計算式)
- 例:=LAMBDA(a, b, a + b)(3, 4) → 7
- 使用時のポイント
- セルで直接使うには引数を即時渡す必要あり。再利用するには「名前の定義」と併用する。
- 関数の作り方(手順)
- 関数を定義(例:=LAMBDA(価格, 価格*1.1)(1000))
- 「数式」タブ →「名前の管理」→「新規作成」
- 名前欄に「税込金額」、数式欄に =LAMBDA(価格, 価格*1.1) を入力し保存
- セルで =税込金額(1500) と入力して利用
- 実務での活用例
- 利益率計算:=LAMBDA(売上, 粗利, 粗利 / 売上)
- 名前結合:=LAMBDA(姓, 名, 姓 & ” ” & 名)
- メリット
- 一度作れば再利用が簡単
- 複雑な数式を整理できる
- チームで関数の統一が可能
- 注意点
- 旧バージョンでは非対応
- 引数の数や順序に注意
- 関数が増えすぎると管理が煩雑になる
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構成/編集部