
スプレッドシートはGoogleが提供する無料のクラウド型表計算ソフトでGoogleアカウントがあれば誰でもすぐ使える。基本的な機能はエクセルと同様で、共同作業に強いため、ビジネスに便利。
目次
ビジネスの現場において、表計算ソフトは欠かせないツールである。これまで表計算ソフトといえばエクセルが使われていたが、近年では、Googleスプレッドシートが、誰でも無料で使えるクラウド型ツールとして注目を集めている。
この記事では、スプレッドシートの概要からエクセルとの違い、PC・スマホでの基本操作、メリット・デメリットまでを解説する。
スプレッドシートとは

まずは、Googleスプレッドシートについて、どのようなサービスか、どのような特徴があるか、といった基本的な事項を確認しておこう。
■Googleスプレッドシートの概要
Googleスプレッドシートとは、Googleが提供するクラウド上で利用する表計算ソフトである。Googleアカウントさえあれば誰でも無料で利用でき、Webブラウザやアプリから手軽にアクセス可能だ。ソフトをインストールする必要がなく、すぐに利用できるため手間がかからず便利に使える。
■主な特徴
自動保存機能
Googleドライブと連携しており、作業内容はリアルタイムで自動保存される。データの消失リスクが低く、バージョン履歴から過去の状態に戻すことも可能だ。
リアルタイムでの共同編集
複数人が同時に1つのファイルを編集でき、コメント機能や変更履歴も活用できるため、チームでの作業がスムーズに進む。
マルチデバイス対応
PCはもちろん、スマホやタブレットでも利用でき、外出先からでもデータに簡単にアクセスできる。
エクセルとの違い
Googleスプレッドシートとエクセルは、どちらも表計算ソフトだが、その仕様や使い勝手にはいくつかの違いがある。ここでは3つのポイントから違いを確認しておこう。
■クラウドとオフラインの違い
スプレッドシートはクラウドを前提としたサービスであり、ファイルはGoogleドライブ上に保存される。一方、エクセルは基本的にローカル保存型になっている。クラウド機能も備えているが、Microsoft 365のOneDriveとの併用が必要になる。
■互換性・操作性の違い
Googleスプレッドシートでエクセルのファイルを読み込んだり、Googleスプレッドシートで作成したファイルを、エクセル形式でダウンロードできたり、と両者にはかなりの互換性がある。
また基本的な操作方法や利用できる関数なども共通している部分は多い。
■料金の違い
スプレッドシートは完全無料で利用できるのに対し、エクセルは買い切りか、Microsoft 365のサブスクリプションの有料契約が必要である。無料で使えるオンライン版のエクセルもあるが、機能は限定的だ。
スプレッドシートの基本操作【PC版】
ここでは、PC版スプレッドシートを使う際の基本的な操作方法を紹介する。
■新規シートの作成と保存
- Googleドライブを開く

- 左上の「+新規」→「Googleスプレッドシート」をクリック

- 新しいシートが作成され、自動で保存される

作業内容は保存の必要がなく、変更内容はすべてリアルタイムで保存される。
過去のバージョンに戻る場合は、「ファイル」→「バージョン履歴」から確認・復元可能だ。
■表作成・セル操作

セルに文字や数値を入力する操作はクリックして入力するだけでよい。
背景色や罫線、文字の配置なども、上部のメニューバーから簡単に設定できる。
行や列の挿入・削除、セルの結合もメニューから素早く操作できる。
■関数の利用

スプレッドシートでは、エクセルと同様に多くの関数が利用可能である。関数の入力の方法もエクセルと同じなので、エクセルに慣れていればすぐに活用できる。
SUM関数やIF関数、VLOOKUP関数など基本的な関数が使えるが、エクセルで使用できる一部の高度な関数はスプレッドシートで利用できない場合もあるので注意が必要だ。
■共有と権限管理

右上にある「共有」ボタンをクリックすると、指定したユーザーとファイルを共有できる。メールアドレスを入力する方法と、リンクを発行して共有する方法がある。
共有した相手に与える権限については、閲覧のみ・コメント可能・編集可能といった設定ができ、状況に応じて柔軟に管理できる。
スマホでのスプレッドシートの使い方
Googleスプレッドシートは、スマホアプリでも利用できるため、外出先での確認や軽い編集作業に役立つ。ここでは、スマホでの基本的な使い方を紹介しよう。
アプリのインストールと起動方法

まず、App StoreやGoogle Playで「Googleスプレッドシート」アプリをダウンロードする。アプリを起動後、Googleアカウントでログインすれば、Googleドライブ上の既存ファイルにアクセスしたり、新規シートを作成したりできる。
■基本操作(スマホ編)

セルをタップして選択し、ダブルタップすると編集モードに切り替わる。入力はスマホのキーボードで行い、コピーや貼り付けも長押しでメニューが表示される。
行や列の挿入・削除は、セルを選択してメニューアイコンから操作可能である。
■スマホならではの便利機能
音声入力を使ってデータを入力することができ、キーボード入力の手間を省ける。また、スマホで撮影した写真をGoogleドライブに保存し、それをシートに挿入することで、資料作成にも役立つ。移動中にデータを確認したり、小さな修正を加えたりする際にも便利である。
■注意点と制限事項
スマホでは画面が小さいため、複数人での同時編集はできるものの、PCほどの操作性はない。細かい書式設定や複雑な関数の入力、グラフの作成などは、PCでの操作の方が適している。また、オフラインでの編集は一部制限があるため、事前に対象ファイルをオフライン対応に設定しておく必要がある。