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「昇進したくない」「競争したくない」Z世代のリアルな仕事観と上司世代の本音

2025.07.27

世代が違えば当然、価値観も異なるものだ。Z世代からしたら、上司世代の考えが「アップデートできていない」と古臭く感じるかもしれない。一方で、上司世代からしたらZ世代の言動に「イマドキの若者は…」と眉を顰めたくなることもあるだろう。

では、20代のZ世代と、40代の上司世代の仕事観にはどのようなギャップがあるのだろうか?

SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」と「金沢大学 金間研究室」はこのほど、20代の会社員457名と40代以上の会社員480名を対象に「Z世代と上司世代の仕事観ギャップ」をテーマに共同調査を実施し、その結果を発表した。

【1】約6割の項目に仕事観ギャップあり。一方で世代を超えた共通認識も

今回、20代会社員である「若手世代」と40代会社員である「上司世代」を対象に、働くうえでのコミュニケーションや仕事の進め方・ビジネスマナー・成長意識について、アンケート調査を実施した。その結果を統計学的手法にて分析し、ギャップがある項目とほぼ共通認識と思われる項目を分類した。

その結果、41項目のうち、若手世代と上司世代の間にギャップが生じている項目が24項目、共通の認識が持たれている項目が17項目あることが明らかになった。

■SHIBUYA109 lab.所長コメント

若手世代へのインタビューでは、「マニュアル化されていることも多く、上司世代よりも下の30代の先輩たちが丁寧に教えてくれている」という、20代と40代のはざまである先輩社員の活躍も垣間見ることができました。一方で若手世代と上司世代のギャップに目が向けられがちですが、共通認識も多く見られます。違いよりもおなじ部分に目を向けることで、距離を縮めていきましょう。

【2】若手世代の働く価値観:「みんなで一緒に同じくらい」「周りに迷惑かけたくない」

若手世代の働く価値観の傾向について深堀をしていくと、「みんなで一緒に同じくらい」「周りに迷惑かけたくない」がキーワードであることがわかった。

働く価値観について聴取した設問の上位項目では、「集団の一人として見られたく、目立ったり一人で注目されることは避けたい(28.4%)」「出世よりもライフスタイル優先で成長にも興味がない(26.9%)」、「必要最低限のコミュニケーションしか取りたくない(24.1%)」となった。

定性調査では、「昇進すると仕事もプライベートも関係なくずっと働くことになるんじゃないかと不安」「成長して手に入れたいものはプライベートの充実」などの声が聞かれており、仕事よりもプライベートを優先したライフスタイルの実現を重視する考えの強さがうかがえた。

また、上司世代とのギャップを分析したところ、「失敗は、誰かに迷惑をかける可能性があるため極力避けるべきだと思う」「同僚や先輩に対して競争心を持ったことはない」「(批判を繰り返してでも切磋琢磨しながらというよりは)同僚とはぶつかり合うことなく折り合いをつけながら仕事がしたい」「(自分ならではの武器を持つというよりは)周りの人たちができることを身に着けたい」「親近感のある先輩でありたい」といった項目について、若手世代の特徴が出ている。ここから、仕事における成長に対する意識においても上司世代とのギャップがあることが明らかになった。

■SHIBUYA109 lab.所長コメント

仕事の優先度や成長意識は多様ではありますが、若手世代は集団の一部でいることを重視する傾向が強いことから、成長意識に特徴が出ています。

また彼らは消費行動において、受け身でいてもSNSで情報が入ってくる環境があり、事前に予習や準備、前例確認をしてから行動をしますが、上司からのアクションを待っていたり、マニュアルを求める傾向は、彼らの消費者としての実態ともリンクしています。

【3】上司世代は若手を尊重する姿勢。背景には忖度と時代への過剰適応も?

上司世代の傾向を見ると、時代の流れもくみ取りながら、若手世代の意思を尊重することを意識する姿勢が見られた。

定量調査では、「上司や先輩が残っていても、定時になったら退社する」「出社について、上司よりも早く出社しなくとも、始業時間に間に合えば良い」「エレベーターのボタン押しは新人ではなく近くにいる人がする」「職場の先輩・同僚や仕事関係の人への年賀状・暑中お見舞いの送付は任意だ」「会社の飲み会は自由参加だ」という質問について、若手世代よりもより一層賛同する意見が見られている。

定性調査では、「今はマナーを学ぶ機会にお金も時間もかけらない時代になってきているし、怒られる機会も少ない。だから、知っている世代の私たちがエレベーターのボタンを押しています。それでいいじゃない、そういう時代だと思っています。」「相手が不快になったり、自分が損しないような、最低限のマナーができていればいいと思います。」などの声が聞かれている。

また、「個人のワークライフバランスやライフスタイルを尊重した働き方をさせたい」と回答する上司世代は64.4%となり、半数以上を超えている。(※図10参照)

さらに、インタビューで若手世代に対して意見を述べる際にも「自由だとは思うんですが」「時代が違うとは思うんですが」など、時代の変化を考慮する枕詞を伴った発言が多く、若手への尊重の気持ちだけでなく、時代の変化を鑑み、適応しようと努めている上司世代の様子が見られた。

■SHIBUYA109 lab.所長コメント

40代前後の上司世代へのインタビューでは、「自分たち(40代)は昭和の働き方からの転換期にいた世代である」という声も聞かれており、若手に昭和的な働き方を押し付けないように接している姿が印象的でした。また、若手世代に対して、手厚いフォローをしている様子も特徴的で、上司というよりも親のような接し方にも感じられました。

【4】SHIBUYA109 lab.所長が分析!

今回、Z世代の若手社員と上司世代の意識実態の比較をすることで、生まれ育った時代背景や社会に出た時の就業環境によって、働き方の当たり前や就労意識に違いが生じていることがわかりました。また、フィードバックの仕方(され方)やワークライフバランスの項目については同じ時代を生きているからこそ共感する項目があることを観測できました。

しかし、上司世代は変化し続ける社会の常識を受け、若手世代に対して必要以上に手厚いフォローや気遣いをしている様子も垣間見られます。過剰な時代適応から新たな世代間ギャップも生じているかもしれません。

今後世代を問わず働きやすい環境を作るためには、若手世代・上司世代の双方から歩み寄りと理解の促進が必要なのではないでしょうか。

SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣(おさだ・まい)氏
総合マーケティング会社にて、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPR サポートを経て、2017年に株式会社SHIBUYA109エンタテイメントに入社。SHIBUYA109マーケティング担当としてマーケティング部の立ち上げを行い、2018年5月に若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」を設立。現在は毎月200人の「around20(15~24歳)」と接する毎日を過ごしている。

出典元:SHIBUYA109 lab.

構成/こじへい

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