ヒストグラムによる分析の注意点
ヒストグラムを作成する際には、いくつか注意すべき点がある。以下で説明する。
■データの頻度や範囲の設定
適切な区間設定がされていないと、データの傾向が正確に表現されない。区間が狭すぎるとグラフが複雑になり、逆に広すぎると分布の特徴が見えにくくなる。
全体のデータ件数や分布に応じて、バランスのよい設定が求められる。
■ビン幅の設定
「ビン幅」とは、1本の棒が表すデータの範囲のことだ。意図に合ったビン幅を設定することが、正しい分析につながる。小さすぎると、全体の傾向がわかりにくい
■外れ値への対応
極端に大きな数値や小さな数値が含まれていると、ヒストグラムのスケールが歪み、全体の傾向が読み取りにくくなることがある。外れ値を除外するか、別途注釈を付けるなどの工夫が必要である。
まとめ
ヒストグラムは、データの分布を直感的に把握できる強力なツールである。エクセルを使えば、専門的な知識がなくても誰でも簡単に作成できる。
実際の業務においても活用できる場面は多いので、この機会にエクセルでヒストグラムを作る方法や使い方をマスターしてほしい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
- ヒストグラムとは
- 数値データを一定の区間(ビン)に分け、各区間に含まれるデータ数(頻度)を棒の高さで表現する。
- 棒グラフとの違い
- 棒グラフは独立したカテゴリの比較、棒の間に空白あり
- ヒストグラムは連続データの分布表示、棒の間に空白なし、形状から分布傾向を読み取れる。
- エクセルでのヒストグラムの作成手順
- データをエクセルに入力
- 範囲を選択(空白・文字列に注意)
- 「挿入」→「統計グラフの挿入」→「ヒストグラム」を選択
- 「軸の書式設定」でビン幅や区間数を調整
- 主な活用シーン
- マーケティング:購買金額や年齢層分析
- 教育:点数分布から指導計画立案
- 製造:寸法・重量のばらつきや異常値の検出
- 注意点
- 区間設定が狭すぎる/広すぎると分布が見えにくくなる
- ビン幅の設定は傾向把握に直結
- 外れ値はグラフを歪める可能性あり、除外や注釈で対応が必要
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構成/編集部