
部下に避けられる管理職には、ミスを責めすぎる、話を聞かないなど共通の特徴があります。この記事ではその原因と、信頼を取り戻すための具体的な行動を紹介します。
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チームの生産性を左右する、部下との信頼関係。しかし、何気ない言動から「部下に避けられている」と感じる状況に陥ってしまう管理職は少なくありません。
そんな部下に避けられてしまう管理職にはどのような特徴があるのでしょうか。
この記事では、部下に避けられがちな管理職に共通する特徴と、信頼関係を取り戻すための行動を解説します。
部下に避けられる管理職の5つの特徴
部下に避けられる原因は、信頼関係が築けていない、または崩れてしまっているからです。ここでは、部下に避けられる管理職の特徴を紹介します。管理職の方は、自身の振る舞いを振り返り、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
1.部下のミスを必要以上に責める
部下のミスを必要以上に責めることは、信頼関係を壊す典型的な行動です。大声で怒鳴るように感情的に問い詰めてしまうと、部下は一方的に責められたと感じるだけです。それでは、前向きな反省にはつながりません。
さらに、ミスを責めるのではなく、その部下の人格を否定してしまう管理職もいますが、この行動は最も避けるべき行動です。この行動を続けていると、部下の心を深く傷つけ、拭い去れない不信感を植え付けてしまっている可能性まであります。
2.部下の話を聞かない
部下が報告や相談をしている最中に、つい話を遮って自分の意見を言っていませんか。その行動は、信頼を失う大きな原因となります。
部下に「自分の話は聞いてもらえない」と感じさせ、管理職への信頼感を失うだけでなく、自信と発言する意欲までも奪ってしまいます。
部下の話を聞かない状況が繰り返されれば、部下はやがて何も言わなくなります。新しいアイデア生まれにくくなり、成長の機会を失うことにもつながります。
3.感情的になりやすい
自身の気分や感情によって、部下への態度を変えてしまう管理職は、部下の信頼は得られません。管理職の気分にムラがあると、部下はその顔色をうかがうことにエネルギーを割かなくてはなりません。
さらに、感情によって指示が頻繁に変わるなどがあれば、部下は安心して仕事を進めることもできません。その行動は上司に対する不信感を募らせるのも当然と言えます。
4.自己都合を最優先する
管理職が自分の都合ばかりを優先すると、部下との信頼関係は崩れていきます。なぜなら、部下の都合を無視した言動は、部下自身を軽視しているということ。つまり、部下は上司から、尊重されていない、大切にされていないと感じるからです。
管理職が自分のことばかりを優先することが続けば、モチベーションは下がり、チームとしての機能も低下してしまう恐れもあります。
5.相手によって態度を変える
相手によって態度を変える上司は、部下からの信頼を著しく損ないます。
目上の人間と部下で態度が違う、あるいは部下によって接し方に明らかな差があるなどといった上司の姿を、部下は冷静に見ています。その不公平さは上司への不信感だけでなく、同僚間の疑心暗鬼にもつながりかねません。
部下に避けられているかもと感じたら、すぐ行動!信頼関係を取り戻すための3つの行動
部下との信頼関係を再構築したいと考えたなら、まずは自身の行動を振り返ることです。その上で、部下へ関心を寄せ、彼らが本音を話しやすい雰囲気を作り出すこと。そして何より、相手の言葉に深く耳を傾けることが、関係改善の最も重要な一歩となります。
1.自身の部下に対する行動を振り返る
部下との良好な関係を築く上で、自分の言動が部下にどう受け取られているかという視点を持つことが大切です。何気ない一言だったとしても、関係の優位性もあり、本人が思う以上に部下に影響を与えてしまっている可能性もあるのです。
振り返る内容は、上の特徴を参考に、自分自身のコミュニケーションが一方的なものになっていなかったかの確認です。この振り返りを通じて自身の傾向を認識することが、より良い関係を築くための確かな土台となります。
2.話しかけやすい雰囲気を作る
部下との円滑なコミュニケーションは、話しかけやすい雰囲気作りから始まります。表情や態度を意識し、忙しい素振りを見せないといった些細な行動が大切です。
部下から話しかけられたときには作業の手を止め、相手の方を向いて話を聞く姿勢を示すこと。その姿勢は、部下に自分は尊重されていると感じさせ、信頼していくようになります。
3.部下に関心を持って話を聞く
部下への関心を持って話を聞くことは、信頼関係を築く上で欠かせない要素と言えます。
部下のプライベートに踏み込むことが部下の関心を持つことだと思っている方がいますが、それは違います。いきなりプライベートを聞くのではなく、まずは部下のキャリア目標や仕事上の悩みに耳を傾けます。それを繰り返すと、次第に部下は自分の趣味や興味など業務外の話を自然としてくるようになります。それをまた関心を持って聞くようにしてください。
話の聞き方は、相手の話に共感をしながら相槌などのリアクションを行います。ここでは話を遮って自分の意見を伝えてはいけません。まずは部下の話を最後まで聞くこと。アドバイスは求められた場合のみすることが大切です。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。