
コロナ禍終息以降、全面的にテレワークへ切り替えた企業が従業員にオフィスへの出社を求めるようになるなど「出社回帰」の流れが加速している。こうした中、ビジネスパーソンの会議の在り方にはどのような変化が見られるのだろうか?
パーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」はこのほど、日本経済新聞社と共同で、社会人男女476名を対象に「2025年 職場の会議実態調査」を実施し、その結果を発表した。
70.2%が「対面の会議が増えた」
回答者全体の476人に会議の実施形態の変化について聞くと、「対面開催が非常に増えた」が12.0%、「対面開催が増えた」が18.1%、「どちらかといえば対面開催が増えた」が40.1%となり、70.2%が「対面開催が増えた」と感じていることがわかった。
出社回帰による会議の在り方の変化について聞くと、「とても感じる」が12.8%、「感じる」が23.5%、「どちらかといえば感じる」が31.3%となり、67.6%が出社回帰による会議の在り方の変化を感じていることがわかった。
68.7%が「会議に不満あり」
回答者全体の476人に会議の進め方に対する不満を聞くと、「とてもある」が14.1%、「ある」が18.3%、「どちらかといえばある」が36.3%となり、68.7%が会議の進め方に不満を覚えていることがわかった。
はたらき方別では、「出社メイン」の不満が73.7%、「テレワークメイン」の不満が66.4%となった。
対面会議へ不満内容、1位は、「議論ではなく共有で終わる」
回答者全体の476人に対面会議へ不満を持つ場面を聞くと、「議論ではなく共有で終わる」が29.6%で最多となり、次いで「発言しづらい空気感があるとき」が28.4%、「対面だがPC画面を見ている」が23.5%となった。
オンライン会議へ不満を持つ場面を聞くと、「参加形態によって温度差がある」が34.5%で最多となり、次いで「空気が読みにくく発言しづらい」が31.7%、「無関係の内職をする人がいる」が26.1%となった。
62.8%が理想の会議実施形態は「対面」と回答
回答者全体の476人に会議の頻度について聞くと、実施頻度・会議時間・参加人数全ての項目において理想と実際に乖離があり“多さ・長さ”を感じている状況だ。会議の理想の実施形態を聞くと、「断然対面」が10.9%、「対面」が16.4%、「どちらかといえば対面」が35.5%となり、62.8%が対面での会議を理想としていることがわかった。
会議の対面参加を選びたくなる条件、「アイデア出し・議論がある」が42.2%で最多に
回答者全体の476人に対面参加を選びたくなる条件を聞くと、「アイデア出し・議論がある」が42.2%で最多となり、次いで「戦略決めなど重要度が高い」が41.8%、「誤解を避けたい場合」が34.7%となった。オンライン参加を選びたくなる条件を聞くと、「一方的な共有がメイン」が44.1%で最多となり、次いで「参加者が多く発言機会がない」が38.2%、「会議時間が30分以内のもの」が33.6%となった。
職場の会議室の充実度合いは?
回答者全体の476人に職場の会議室の充実度合いを聞くと、「とても不足していると思う」が16.6%、「不足していると思う」が23.9%、「どちらかといえば不足していると思う」が32.1%となり、72.6%が職場の会議室の充実度合いが不足していると考えているとわかった。
また、職場の会議室への不満を聞くと、「数の少なさ」が42.9%で最多となり、次いで「取りにくさ(運用面)」が35.8%、「空調などの過ごしやすさ」が30.1%となった。
会議室の会議以外での使い方、最多は、「プライバシー関連の業務対応」、「ランチや休憩スペース」との回答も
回答者全体の476人に会議室の使い方を聞くと、「会議以外でも使う」が39.3%で、「会議のみで使う」が60.7%となった。また、会議室の“会議以外”の使い方を聞くと、「プライバシー関連の業務対応」が44.9%で最多となり、次いで「集中した作業や考え事をする」が37.4%、「ランチや休憩スペース」が34.2%となった。
回答者全体の476人に自由記述形式でコメントを求めたところ、以下のようなコメントが寄せられた。
●オンラインで無駄を感じる瞬間
・ニュアンスが伝わらない瞬間。だったら対面で誤解なくスムーズに伝える方がいい
・大事な内容なのに発言・リアクションの取りにくさがあったので、むしろ無駄に感じた
・アイディア出しなのにオンライン開催だった。みんな発言しづらそうで結局案は出なかった
・音声だの電波だの「聞こえますか」のやり取りが発生しているとタイムロスしている気持ちになる
●対面で無駄を感じる瞬間
・理由もなく対面マストの会議は移動に時間がかかる。会議で仕事したと満足する年配者もいて困る
・20名の上層部が報告だけの会議で召集されており、コストをかけていることに疑問を持った
・会議室の移動で遅刻者がいる時。逆に、対面参加が多い会議でオンラインに繋ぐ際に手間が発生する
・せっかく対面で参加しているのに、発表者がPCを見て話していると出社した意味を感じにくい
<調査概要>
調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年6月11日~6月16日
有効回答数:476人
調査方法 :インターネット調査
出典元:パーソルキャリア株式会社
構成/こじへい