「黙示録」の英語表現「Revelation」

「黙示録」は英語で「Revelation」と表します。ただし、キリスト教の黙示録を指す場合は「Apocalypse」を使うケースも多々あります。
実際には「the Revelation」と「the Apocalypse」両方の表現があることを理解しておきましょう。
・I read the message at the end of the Revelation.(黙示録の最後に書かれたメッセージを読んだ)
・It’s like the apocalypse.(まるで黙示録のようだ)
「黙示録」に関連する映画や漫画

「黙示録」の世界観を知りたいときは、映画や漫画から入るのもおすすめです。ここからは、「黙示録」をテーマにした作品や、関連する作品などをご紹介します。
■映画「地獄の黙示録」
「地獄の黙示録」は、1979年に公開された映画です。ベトナム戦争下のジャングルを舞台に、戦争の狂気が描かれています。第32回カンヌ国際映画祭では、最高賞となるパルムドールを受賞しました。
手掛けたのは、「ゴッドファーザー」を代表作にもつフランシス・フォード・コッポラ監督です。主役のウォルター・E・カーツ大佐は、「ゴッドファーザー」にも登場したマーロン・ブランドが演じています。
また、2016年には、コッポラ監督自らが再編集したデジタルリマスター版が公開されています。
■映画「第七の封印」
イングマール・ベルイマン監督の「第七の封印」は、1957年にスウェーデンで製作された作品です。第10回カンヌ国際映画祭にて、審査員特別賞を受賞しています。
「ヨハネの黙示録」には、「第七の封印」を小羊が解くと、天が沈黙に包まれたという一節があります。
映画は中世ヨーロッパを舞台に、人間の生と死、神の存在について問いかける内容です。主人公の騎士アントニウスは、死を宣告され、自分の命を賭けて死神とチェスの勝負をします。
主人公を演じたマックス・フォン・シドーは、今作を皮切りにベルイマン作品に数多く出演し、世界にその名を博しました。
■映画「愛の黙示録」
「愛の黙示録」は、1997年に公開された日韓共同作品です。孤児救済に尽くした実在の日本女性・田内千鶴子を石田えりが演じました。
千鶴子は幼いころ家族で韓国に渡り、後に孤児院の園長を務める尹致浩と結婚します。第二次世界大戦が終わり、夫がスパイ容疑で逮捕されるなどの混乱のなか、千鶴子は1人で孤児たちを守り抜きました。
千鶴子の息子である尹基の著書「母よ、そして我が子らへ」を原作に描かれた作品です。
■映画「クリスマス黙示録」
「クリスマス黙示録」は、俳優・天海祐希の映画初主演作です。多島斗志之の同名小説を原作に、日米合作で製作されました。
物語はクリスマスイブを控えたシアトルが舞台です。ある日を境に、日本人だけを狙った爆弾事件が多発します。
犯人は日本人抹殺計画「クリスマス黙示録」の信奉者だと思われていました。天海は、日本の警視庁から派遣された警部補役で登場します。
ロケはすべてシアトルでおこなわれ、天海の台詞も全編英語です。天海祐希は今作にて、第20回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。
■漫画「太陽の黙示録」
「太陽の黙示録」は、漫画家かわぐちかいじの作品です。大震災で分断された日本を舞台に、壮大な人間ドラマが描かれています。
2002年、連鎖して起こった大地震により、日本列島は琵琶湖を境に南北に分断されます。主人公の少年・舷一郎は、富士山にほど近い場所にいながら奇跡的に生還し、行方不明の両親を探し始めました。
物語の日本では、中国や米国の救援受け入れをきっかけに、さまざまな問題が勃発していきます。国民は各国へ避難するものの、やがて日本は南北に統治され、両国間の渡航も困難な事態に陥っていきました。
舷一郎の成長物語でもある本作は、2002年に連載がスタートし2008年に1部が終了、2010年に第2部が完結しています。
「沈黙の艦隊」「ジパング」などを代表作にもつかわぐちかいじは、本作にて第51回小学館漫画賞、第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞しました。
■漫画「黙示録の四騎士」
「黙示録の四騎士」は、週刊少年マガジンに連載中の作品です(2025年7月時点)。同誌で連載された「七つの大罪」の続編として、主人公パーシバルの物語が展開します。
作品では「黙示録の四騎士」は世界を破滅に導く存在として描かれています。
「ヨハネの黙示録」における四騎士は、4つ目の封印が解けた際に現れる人物たちです。それぞれが地上における4分の1の権威をもち、剣や飢餓、病、獣などにより人間を殺す権利があると記されています。
漫画「黙示録の四騎士」はアニメ化され、2023年に第1期、2024年に第2期がスタートしています。
「黙示録」という言葉を正しく知ろう

「黙示録」は、キリスト教用語のひとつです。ヨハネが見た未来を記した書物であり、その内容に由来し、『世界の終わり』を意味する言葉として使われるようになりました。
世界の終末を予感させる「黙示録」は、古くから映画や小説などのモチーフとして描かれてきました。大災害や紛争などが頻発する昨今は、その内容を、現代の状況や近未来への警鐘と捉える人もいます。
日常生活では宗教的な意味合いがある点も含め、「黙示録」について正しく理解し、会話やメール文などで使用しましょう。
文/編集部