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じつは間違える人が多い「黙示録」の読み方と言葉の正しい意味

2025.09.07

「黙示録」はキリスト教の終末を描く書物で、宗教的意味のほか、映画や漫画など多様な作品のテーマとして親しまれています。

「黙示録」は、世界の終末を表す言葉です。新約聖書に書かれた「ヨハネの黙示録」に由来しています。本記事では、言葉の正しい意味や使い方について解説します。「黙示録」に関連する映画や漫画なども、あわせてチェックしていきましょう。

「黙示録」とは

「黙示録」には、宗教にまつわるものと一般的に使用されるもの、2つの意味があります。

まずは正しい読み方も含め、それぞれの意味について確認していきましょう。

■読み方は「もくじろく」ではなく「もくしろく」

「黙示録」の正しい読み方は「もくしろく」です。「もくじろく」は誤読にあたるため、注意してください。

「黙示(もくし)」とはそもそも、口に出すことなく意志や考えを表明することです。キリスト教では、隠れた真理を示すことを「黙示」と言い表します。

また、「黙示録」の「録」には、書き記すという意味があります。

つまり「黙示録」は、自分の考えを言葉で発することなく、書物に残したものです。

「黙示」の意味にキリスト教が関係するように、「黙示録」もまた、宗教と深い関わりがあります。

■「黙示録」は2つの意味をもつ言葉

「黙示録」には、以下の2通りの意味があります。

1.新約聖書の最後の一書
2.破滅的な状況や世界の終末を示したもの

新約聖書とは、キリスト教の聖典とされる書物のことです。主に、キリスト誕生後の神の啓示について記されています。

その最後の一書である黙示録は、「ヨハネの黙示録」と呼ばれています。詳しくは後述しますが、内容は当時迫害されていたキリスト教徒を励まし、世に警告を与えるものです。

それらが転じ、一般的には破滅的な状況を「黙示録」と言い表します。世界の終末も意味し、それらをテーマにした映画や小説などのタイトルとしても用いられてきた言葉です。

「黙示録」という言葉の使い方

「黙示録」という語句は、日常会話で以下のように活用できます。正しい意味をふまえ、会話に取り入れてみてください。

・話題の映画は黙示録をテーマにしているようだ。
・黙示録を思わせるような恐ろしい夢を見て、朝から気分が悪い。
・黙示録を読んでみたが、自分には難しい内容だった。
・戦争に大災害と、まるで黙示録を思わせる世の動きに不安を覚えている。

「黙示録」の類語「アポカリプス」

「黙示録」の類語は「アポカリプス」です。黙示のほか、神が示す啓示を表します。

「黙示録」に関する映像作品や書物などには、しばしばアポカリプスに関する情報が登場します。それらを深く理解するため、ここでは語句の意味を確認しておきましょう。

■「アポカリプス」はキリスト教用語

「アポカリプス」は、キリスト教用語であり、英語です。「apocalypse」と表記し、黙示や啓示などの意味があります。

「アポカリプス」という語句が誕生したのは、ヨハネの黙示録がきっかけです。本来ギリシャ語だった「黙示」が英訳され「アポカリプス」という語句が生まれました。

当時は神の導きや啓示を「アポカリプス」と表現したといいます。近年は宗教を超えた意味合いで用いるのが一般的です。

「黙示録」のように、世界の終末を指す言葉として活用できます。

■フィクションのジャンル「ポストアポカリプス」

「ポストアポカリプス」は、サイエンスフィクションのジャンルのひとつです。主に、人類文明が壊滅した世界を舞台に物語が繰り広げられます。

「ポストアポカリプス」の代表作として挙げられるのが、1979年に第1作目が公開された「マッドマックス」です。廃墟と化した近未来を舞台とした作品は好評を博し、後にゲーム化されました。

また、「ポストアポカリプス」と並列して語られることが多いのは「ディストピア」です。

「ディストピア」は、理想とかけ離れた非人道的な世界を意味します。政府によって抑圧された世界や、極度な貧困社会を指すのが一般的です。

世界が壊滅した「ポストアポカリプス」と抑圧社会を意味する「ディストピア」は、異なるようでありながら、世界の終末を感じさせる点は共通しています。

また、近年は「黙示録」や「ポストアポカリプス」だけでなく、「ディストピア」をテーマとした小説やマンガも世に登場しています。

「黙示録」の由来「ヨハネの黙示録」とは

「黙示録」という言葉の由来は、「ヨハネの黙示録」にあります。そもそも「ヨハネ」とは、イエスの愛弟子とされる人物のことです。

つまり、「黙示録」はヨハネが記した書物ということになります。ヨハネはイエスに仕えた12使徒のなかでもっとも若く、90歳で亡くなるまでイエスの信仰を守り抜きました。

十字架に貼り付けられるイエスが、自身の母マリアをヨハネに託したことからも、ヨハネへの厚い信頼が伺えます。

ここでは「ヨハネの黙示録」について解説します。書かれた時期や内容などに注目しながら、言葉の意味を紐解いていきましょう。

■「ヨハネの黙示録」が書かれた時期

「ヨハネの黙示録」が書かれたのは、キリスト教が迫害を受けていた時期だと考えられています。

迫害を受けた時期は、大きく2つにわかれます。1つは紀元64年頃のネロ帝による迫害、もう1つは、紀元96年頃のドミティアヌス帝による大規模な迫害です。

「ヨハネの黙示録」は、このいずれかに書かれたのではといわれています。

今では世界へと広がりをみせているキリスト教ですが、その歴史は前途多難といえるものでした。

キリスト教が迫害を受けたのは、当時の皇帝崇拝を拒否したからだといわれています。

使徒であったヨハネもまた、イエス亡き後も迫害を受け続けていました。エーゲ海のパトモス島へと流されたヨハネは、ある日神の啓示を受けます。

啓示で未来の出来事を目にしたヨハネは、内容を書き留め、現在のトルコ西部にある7つの教会へと手紙を送りました。

手紙には、各教会を激励するための言葉がそれぞれ記されていたといいます。

■「ヨハネの黙示録」の内容

「ヨハネの黙示録」には、ヨハネが見たという未来の出来事が記されています。それは戦乱や飢餓、大地震などこの世の終末を予感させるものでした。

天の玉座には神、周囲には24人の長老が登場します。また、その周囲を以下に似た4つの生き物が取り囲んでいました。

・ライオン
・雄牛
・人間
・鷲(わし)

神の手には7つの封印がされた巻物があり、7つの目、7つの角を持つ小羊が封印を解くたびに災いが地球を襲います。

後半には、ラッパを手にした7人の天使や、最後の審判などについても記されていました。

審判においては、「命の書」が天国へ行くか地獄へ行くかの鍵を握っています。書に名前がないものは、天国へ昇ることができません。また、黙示録の最後では、救世主イエスの再臨についても触れられています。

黙示録には象徴的な数字や生き物が登場するため、明確な解釈が定まっていない部分も多くあります。

一方で、近年は紛争やテロ、地球温暖化の問題などが後を絶たず、「ヨハネの黙示録」が世界の終末を予言しているという見方もあります。

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