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知らないと恥ずかしい「布石を打つ」の意味と正しい使い方

2026.05.02

「布石」は囲碁の序盤の石の配置から転じ、ビジネスでは将来を見据えた戦略的な準備を指します。類語の「根回し」「地固め」「伏線」「先手」との違いを理解し、適切に使い分けましょう。

「布石を打つ」とは、将来の展開を見越して、最も適した準備を行うことを意味します。「布石」という語句は、囲碁の石の打ち方に関係しています。本記事では、「布石を打つ」の正しい意味をご紹介します。ビジネスシーンにおける使い方なども参考にしてください。

そもそも「布石」とは

「布石(ふせき)」とは、囲碁の序盤で打つ石の配置のことです。囲碁では陣取りゲームのように白い石と黒い石を交互に打っていきます。

布石の打ち方は、中盤と終盤の流れにつながる重要な要素です。勝敗を左右する可能性もあるため、相手の打ち手を見ながら、先の展開を予測して布石を打つ必要があります。

転じて布石は「将来のために配置しておく備え」という意味も持ちます。ビジネスシーンでは、こちらの意味で使うのが一般的です。

将来を見越した計画や、何かを成し遂げるための手段は「布石を打つ」「布石を打っておく」などと言い表します。

事前準備や計画性が求められるビジネスシーンにおいて、関係性の深い言葉といえるでしょう。

「布石」と類語との違い

「布石を打つ」の「布石」には、以下のような類語があります。

・根回し
・地固め
・伏線
・先手

いずれもビジネスに関係する語句です。ここでは「布石」や「布石を打つ」の違いとともに、それぞれの正しい意味や使い方を確認していきましょう。

■「根回し」

「根回し」は園芸用語のひとつです。樹木の広がった根を、中心を残して切り、細い根の発生を促す行為を指します。

転じて、物事をうまく運ぶため、あらかじめ手を打つことを意味する言葉です。ビジネスでは、目的達成に向けた事前の働きかけや、計画をめぐらせた下準備などを表します。

目標に向け、あらかじめ手を打つ点は「布石を打つ」と同様です。

一方で、「根回し」には裏工作のようなネガティブな印象を持たれることもありますが、ビジネスでは必要な行為といえます。

たとえば、重要な稟議の場合、根回しで承認者や決裁者に内容を伝えておいたほうが、意思決定がスムーズに進みます。

採決を求められる側も、根回しで事前に情報を得ることで冷静な対応ができるでしょう。このように、根回しは意思決定をする側への気遣いも含まれた行為といえます。

とくに、今後の業務に大きな変化が生じる場合や、関係者の数が多いときなどは適切な根回しが必要です。

ビジネスシーンにおける会話では、以下のように活用できます。

・今度のプロジェクトには多大な予算が必要だ。成功に向け、事前に根回しをしておこう。
・今回の計画は関係者が多岐にわたる。会議がスムーズに進むよう、事前に根回しをしておいた。

■「地固め」

「地固め」とは、建物を建てる前に地面をならして堅くすることです。転じて、物事の基礎をしっかりと固めることを意味します。

ビジネスシーンでも地固めは重要です。現在の地固めが、2年後3年後の成功につながるケースも考えられます。

事前に準備する点は「布石を打つ」と同様ですが、「地固め」の場合はしっかりと基礎を固めるという意味合いが強くなります。メールや会話文では、以下のように使用してみましょう。

・今回の駅前店の成功は、後の店舗展開に向けた地固めとなるだろう。
・この度の案件は、社運を賭けた一大プロジェクトになりそうだ。将来に向け、しっかりと地固めを頼むよ。

■「伏線」

「伏線」は、小説やドラマなどの筋書きに対して用いる言葉です。主に、後の展開に備え事前に用意されたエピソードを指します。

ビジネスシーンでは、物事がうまくいくよう、事前にそれとなく用意しておくことを「伏線」と言い表します。

「布石を打つ」との違いは、周囲にはっきりとわからないように準備をする点です。主に、後から「あれが伏線だったのか」と気付くような事案に対して使用します。

日常会話では「伏線を張る」、「伏線を敷く」のように用いるのが一般的です。

・取引を断られたときのことを考え、あらかじめ伏線を張っておいた。
・計画段階から周到に伏線が敷かれていたとは、気付かなかったよ。

■「先手」

「先手」は「布石」と同様に、囲碁用語のひとつです。先に石を打つ人が「先手」、後に打つ人は「後手」と呼ばれます。

囲碁では、先手をとることが重要だといわれています。後手の石を見たうえで、次の一手を検討できるからです。

ビジネスにおいても、先手は重要です。ビジネスシーンでは、先回りをして自分の立場を有利にすることを「先手」と呼びます。

反対に、「後手」は相手に攻められ受け身の立場になったり、対応が遅れたりすることを意味します。受け身の立場になることは「後手に回った」というなど、ネガティブなニュアンスが強い言葉といえるでしょう。

・他者に取引を横取りされるとは。君はいつも初動が遅すぎる。先手をとらないからこんなことになるのだ。

「布石」の使い方

ここからは「布石」の具体的な使用例をみていきましょう。類語との違いを踏まえ、以下のように活用してください。

・大型プロモーションの布石として、キャンペーンの企画を立てた。
・新システムの採用は、将来の展開を見据えた布石といえるだろう。
・長期的な関係を築くための布石として、まずはデモの導入から始めてみてはどうだろうか。

「布石を打つ」の使い方

次に「布石を打つ」の使い方です。将来に向けた下準備をおこなったときや、先を見越して状況を整えたときなどは「布石を打つ」と言い表しましょう。

・新事業成功に向け、考えうる布石はすべて打っておいた。
・この業界でトップを目指すのであれば、今から布石を打っておかなければいけない。
・あらかじめ布石を打っておいたおかげで、無事にプロジェクトを完遂できた。

「布石を打つ」の類語や言い換え表現

「布石を打つ」には、以下のような類語や言い換え表現があります。

・手を打つ
・予防線を張る
・策を練る
・伏線を用意する

それぞれの正しい意味を理解したうえで、シーンに応じた使い分けを検討しましょう。

■「手を打つ」

「手を打つ」も「布石を打つ」と同様、囲碁に関する言葉と言われています。囲碁の世界では、巧みな打ち方を「手を打つ」と言い表します。

また、目標達成のために必要な手段や、策を講じるという意味もあります。さらに、契約や和解が成立したことを表すなど、幅広いシーンで活用できるフレーズです。

・回線が混雑することを予想し、トラブル回避のための手を打っておいた。
・よし、わかった。その金額で手を打とうじゃないか。

■「予防線を張る」

相手に付けこまれないよう、あらかじめ断ることは「予防線を張る」と言い表します。

そもそも「予防線」とは、相手の攻撃に備えて講じる手段のことです。後に非難されないよう、あらかじめ用意する策なども意味します。

気を付けたいのは、「予防線を引く」という言い回しは誤用とされており、正しくは「予防線を張る」です。

線を引くイメージで「引く」という語句を当てはめがちですが、「予防線を引く」ということはありません。知らずに言い間違えてしまわないよう、正しい意味とともに使用例を確認しておきましょう。

・プライベートについて根掘り葉掘り聞かれそうなので、予防線を張り今回の誘いは断ることにした。
・計画書が完成した。部長には、いつも思わぬ点を指摘されるからな。言い淀むことのないよう、予防線を張っておこう。

■「策を練る」

「策を練る」とは、物事における対策について熟考し、改良を重ねることです。行為を指す「布石を打つ」に比べると「考える」というニュアンスが強くなります。

ビジネスでは、課題解決に向け策を練ることが多々あります。目的を達成するためには、
現状と目指すべきゴールを明確にしたうえで、具体的な行動を起こさなくてはなりません。

そのような場面では「策を練る」という言葉で状況を表してみましょう。

・お客様から苦情のメールが届いた。再発防止に向け、問題の原因を明らかにしたうえで何らかの策を練らなくてはならない。

■「伏線を用意する」

「伏線」という言葉は「伏線を張る」、「伏線を敷く」のほか「用意する」という形でも使用できます。辞書における「布石を打つ」の類語は「伏線を用意する」です。

「布石を打つ」場合は、その後の展開につながるかどうかは不確定です。一方、「伏線を用意する」は、後に確実に回収されることを前提とした準備を意味します。

・今回の取引には、思わぬ伏線が用意されていた。
・トラブル回避に向けた伏線を用意しておこう。

ビジネスで「布石を打つ」を活用しよう

「布石を打つ」は、ビジネスシーンで活用できる言葉です。物事を成功させるため、あらかじめ打つ手立てを意味します。

ビジネスでは行き当たりばったりではない、着実な対応が求められます。「布石を打つ」やその他の語句の意味を正しく理解し、仕事に活かしていきましょう。

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