
AI全盛時代、「手に職」の新たな専門職として注目されている「交換士」。トイレやガスコンロなど、住まいの設備の交換を担う仕事だ。住宅設備販売を交換工事とセットで手掛ける上場企業「交換できるくん」ではその育成に注力すべく昨年11月、交換技能アカデミーを開校した。
年収1000万円以上の人も
「これまで採用は即戦力となる業界経験者のみでした。しかしコロナ禍以降、雇用不安などを理由に他業界からの応募が増えた。人手不足もあり、業界未経験者の採用に踏み切ると同時に交換技能を基礎から身につけられる施設を開くことにしたのです」(交換技能アカデミー校長・酒井克知さん)
設備交換工事はもともと水回りなら水道業者、ガス系統ならガス業者、電気系統なら電気業者と、分業で行なわれていた。同社では、その慣習にとらわれず、水・ガス・電気といった全般の施工に対応する〝多能工化〟の体制を構築。アカデミーでもマルチスキルを備える人材の育成をサポートしている。
「リフォーム需要の高まりで、交換業は好調。25年3月期、売上げ100億円を達成しました」(酒井さん)
交換士の中には年収1000万円以上の人もいるという。今後、稼げる人気職になり得るのだ。
【DIMEの読み】
近年、アメリカではAIに代替されにくい職人の仕事が若者に人気で、職人のベルトに因み「ツールベルト世代」と呼ばれている。交換士も同様の職人仕事。日本でも今後、目指す若者が増えるかもしれない。
住設機器交換を実践的に学べる交換技能アカデミーも開校


アカデミー入学後は契約社員として、給料を得ながら住宅設備交換の技術を学べる。期間は約1年。卒業後は正社員または独立のキャリアを自由に選択できる。

※グループ会社KDサービスによる実績値
正社員のほか、独立事業主等の交換士が250名以上在籍する。うち専属契約を結ぶ約半数が年収1000万円以上。契約により安定的に仕事を得られることも魅力だ。
※「交換士」は、株式会社交換できるくんの登録商標です。
取材・文/百瀬康司 編集/原口りう子