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〝よしず〟で作る玉露はなぜ美味しいのか?玉川徹が京都の茶園の16代目園主に直撃

2025.07.24

農業は手間を惜しむことができない

玉川 丸利吉田銘茶園さんでは摘み取った茶葉をこちらの工場で玉露にしていますが、特に重要な工程やこだわりは?

吉田 ともかく水分を徹底的に飛ばすこと。そして機械だけに頼らず、人の目と手を使うことが大切です。お茶の葉はそのままの状態だと酸化して発酵してしまいます。それを防ぎながら玉露にするためには、蒸して発酵を止め、最終的には乾燥機で95%くらいまで水分を飛ばさなければなりません。その途中の工程で特に重要なのが、葉を〝揉む〟こと。葉の細胞を破壊し、より酸化しにくくするのです。業界の主流は〝機械揉み〟ですけど、うちではそれだけでなく伝統の〝手揉み〟も行なっています。昭和45年から〝手揉み製法〟は、無形文化財に指定されました。玉露は最後に目で色を確認し、白実や古い葉などを手で取り除きます。美味しいお茶づくりには人の手が不可欠です。

玉川 手間と苦労が玉露の旨味に大きく影響しているのですね。ありがとうございました。さらに次回はお茶に関連する近況や革新についてお話を伺います。

茶葉に含まれる95%の水分を飛ばす徹底した乾燥の工程

茶葉に含まれる95%の水分を飛ばす徹底した乾燥の工程

酵素の発生を抑えるために蒸らした茶葉は、すぐ冷却。その後いくつかの工程を経て水分を徹底的に出し切る。

茶葉に含まれる95%の水分を飛ばす徹底した乾燥の工程
茶葉に含まれる95%の水分を飛ばす徹底した乾燥の工程

手摘みの際に古い葉が混ざることも。そのため、最終工程で混在している古い葉を人の目で見て判断し、取り除くそうだ。

今月の取材で深めた京都が発祥と言われるお茶の主な分類

今月の取材で深めた京都が発祥と言われるお茶の主な分類

※玉露は収穫時に葉を覆う。葉を覆わず収穫して揉むと煎茶。

今回のまとめ

「苦い」「渋い」または「爽やか」といった一般的なお茶の印象とは異なり、玉露が「うまい!」と感じるのは、カテキンやタンニンではなく、テアニンという旨味成分が多いから。そんな玉露を手間ひまかけて作り、その魅力を誇らしく話す吉田さんがとても凛々しかったです。そのほかに印象的だったのは、手揉みの工程に使う台に江戸時代の帳面などから用いられた和紙が貼られていたこと。今でも〝江戸時代が生きつづけている〟わけです。新しい試みについても積極的で、新旧の技術をバランスよく活用する姿勢は、お茶づくり以外の仕事にも通じるところがあるように感じました。皆さんも好きなことを探究し、このような学びを得る機会にしてほしいですね。

玉川 徹さん

玉川 徹さん
テレビ朝日系、朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』のレギュラーコメンテーターとしておなじみ。パーソナリティーを務めるレギュラー番組『ラジオのタマカワ』(TOKYO FM/毎週木曜日11:30 ~13:00)が大好評オンエア中!

取材・文/柿川鮎子 撮影/佐藤信次 編集/田尻健二郎

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