
ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing beauty by MICHIRU」。
連載第5回は、天然ミネラルが豊富なクレイを使用したプロダクトブランド「CLAYD(クレイド)」を訪問。入浴剤を中心としたクレイプロダクトの展開で、クレイを一般市場に浸透させてきたCLAYD代表の羽田賀恵さんに話を聞いた。
全3回の後編では、自然由来の原料を扱うからこそのCLAYDの信念に迫る。
天然ミネラルが豊富なクレイを使ったプロダクトブランド「CLAYD」がつくるウェルビーイングな社会
ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing beauty by MICHIRU」。 連載第5回は、天然ミネラルが豊富なクレイ…
プロダクトブランド「CLAYD」が見出したオーガニック化粧品の可能性を広げるクレイの活用法
ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing beauty by MICHIRU」。 連載第5回は、天然ミネラルが豊富なクレイ…
自然の揺らぎを隠しすぎていた従来のものづくり

MICHIRU:クレイは採取の時期や地層の違いで色やテクスチャが変わるそうですね。ホームページを見て驚いたのですが、それをそのまま生かしていると書いてあって、少し驚きました。これまでのものづくりは、常に同じものを提供することが常識だったと思うので。
羽田:自然のものを原料としているので、本当は変わるのが当然なんです。一般的にはその違いをpH調整や、何かしらの原料を入れて調整しています。ただそれはケミカル成分に頼ることにもなるので、絶対にしたくありませんでした。それにそのままの状態で届けることで消費者のみなさんにも、自然のものは常に均一ではないのが普通だと気づいてもらいたいんです。
MICHIRU:今までのものづくりでは、そういった当たり前に起こる自然の揺らぎを隠しすぎていたということでしょうか。
羽田:そう思います。それが自然のものの良さでもあるのに、もったいないですよね。CLAYDがお届けしているクレイの入浴料は、白っぽいときもあればグレーっぽいときもあります。「クレイウォーター オイル」など原材料に植物が入っているものは、季節によって香りも変わります。だけど今まで一回もクレームは来ていません。ちゃんと伝えれば消費者の方々にもわかってもらえるんですよ。人がみんな同じでなくて良いように、自然のものを使った製品もそうであるのが普通。それが当然となっていけばと願っています。
商品の後ろにあるものを伝えていきたい

MICHIRU:自然といえばお米づくりのイベントも開催されていますが、それもそういったメッセージがあって始めたのでしょうか?
羽田:はじめは特に強い狙いがあったわけではありません。友人の縁で高齢になり田畑を手放すという方と出会い、その土地がコンクリートに固められてしまうのはもったいないと譲り受けることに。それでCLAYDのお客さまたちはこういうことが好きだろうと、みんなで一緒にやることにしたんです。
せっかくやるなら自然農で品種改良したものではないお米を作ろうと、原種に近い「亀の尾」というお米をつくっています。人工的な品種改良をほとんどされていないからか、食べると体の中に詰まらず、巡ってくれる感じがすごくするんですよ。
お米作りは今年で2回目ですが、田植えには100人以上参加してくださって、ここからも伝えられることがあるんだなって。また土壌改良のために土にクレイを混ぜたら、それまであった臭みが消えたんです。田植えの後には手足がすべすべになりました。使ったクレイは2反(奥行き100メートルくらい)の田んぼに1キロだけです。クレイの新しい使い方の発見もとてもおもしろいです。
MICHIRU:前編の印刷機の話もですが、CLAY Dさんは現代社会の中で消えてしまいそうなものを大切にされていますよね。
羽田:そうですね。クレイを販売しているんだけど、届けたいのはその後ろにあるものなんだと思います。本質的に大切なものを大事にしながら、体の内も外も、環境も、循環していく在り方を伝えらえたら。クレイのミネラルって地球に鉱物と水しかなかった時代から存在していた、まさに生命の根源のようなものなんです。私たちが社会に向けて伝えたいことに、これほどふさわしいものはないと感じています。
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羽田賀恵(はだ・かえ)
マザーアース・ソリューション株式会社代表。証券会社勤務を経て渡米した米国で、アメリカ薬草学やローフード食事法を学び、ホメオパシーディプロマを取得。天然クレイを使用した「温泉を超えた入浴剤」で「CALYD(クレイド)」を創業。クレイを用いた天然由来成分のみのボディ・スキンケア商品を百貨店など約500店舗にて展開する.
MICHIRU(みちる)
メイクアップアーティスト・ビューティーディレクター/渡仏、渡米を経て、国内外のファッション誌や広告、ファッションショーやメイクアイテムのディレクション、女優やアーティストのメイクなどを数多く手がける。また体の内側からきれいになれるインナービューティを提唱するなど幅広く活躍中。本連載ではナビゲーターを務める。
取材・構成/福田真木子
撮影/五十嵐美弥