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〝学び続ける大人はカッコいい〟書くことに全幅の信頼を寄せて生まれたコクヨのIoT文具「大人のやる気ペン」

2025.07.21

 そう言われると、ノートを撮影してPCに読み込ませればいい気もする。中井が話を続ける。

「しかも専用のペンが書きづらいデザインだったんです。我々は多くのユーザーがペンには非常にこだわりがあることを知っていました。専用のペンでなく、ユーザーが気に入っているペンにデバイスを装着する形ならまだ売れたかもしれません。しかし当時の我々はデジタル技術を取り入れることを念頭に置き、ユーザーに寄り添えていなかったのです」

 結果、長司が『責任を取って辞表を出そうか』と考えるほどの失敗となった。プロジェクトを畳み、販売店に謝って回る毎日に自然とメンバーの表情は暗くなっていく。そんな中、長司は提案した。

「Googleには、勤務時間の20%は自分がやりたいテーマに取り組んでいい『20%ルール』があると知り『我々もやってみませんか?』と話したんです」

 狙いは当たった。中井が話す。

「助かりましたね。『新しいことを考えていい』と認められただけで雰囲気が明るくなりました」

 進め方はシンプルだ。週に1回チームのメンバーが集まり、1人1案ずつアイデアを持ち寄る。ブレインストーミングと同様に、批判をせず、誰かのアイデアを別の誰かが深化させてもOK。ここで長司が少し苦笑いした。

「ただし他部署に見られたくはなかったですね。何か楽しそうなことやってるけど、そんな場合か? と思われても困るので……」

 新商品の案が出ても本当に出せるかわからない、それくらい彼らは追い詰められていた。だが、ブレストを繰り返すうち中井の考えがまとまっていった。

「私は転職してきた人間です。だからこそ当社の独特な空気に気づいていました。現場から役員まで『書く』行為に哲学的なまでの価値を見出しているんです」

 例えば、紙に何かを書くことで思考を深める人もいれば、覚える人もいる。中井は「コクヨはやはり『書く』ことを進化させるべきではないか?」と考えたのだ。

 そうして、「ペンにIoT機器を装着すれば文字数をカウントできる」という案が出て、それが「子どもの勉強を見守れないか?」というテーマに変わっていった。

コクヨがこれまで挑戦してきたデジタル×アナログ新規事業

『やる気ペン』シリーズ。『しゅくだいやる気ペン』は累計5万台を超えるヒット。苦労が花開いた。

デジタルノート『CamiApp S』

デジタルノート『CamiApp S』。紙に書いた内容のデータ化・クラウド連携を可能にした。

『meetima XVDコミュニケーションシステム』

テレビ会議ができる『meetima XVDコミュニケーションシステム』。フルハイビジョン対応だった。

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