
ここ数年は数多くの雑誌の表紙を、毎月・毎週のように飾るグラビアアイドルとして有名な東雲うみさん。その一方、2020年10月にはYouTubeチャンネルを開設し、同年12月に投稿した「【ガチ自宅】オタクがZガンダム作ってみた」という動画がバズり、現在までに549万視聴を記録。プラモデル制作の動画を主体とする同チャンネルは、登録者数が115万人(動画総視聴数約1億3500万回)まで伸びており、東雲さんはトップYouTuberとしても名を馳せている。そんな彼女に、ガンプラとの出合いをはじめ、プラモデル制作へのこだわりや楽しみ方を聞いた。
〝Zガンダム〟に一目惚れしてガンプラにハマった
——東雲さんが初めてガンプラに触れたのはいつ頃で、最初に作ったガンプラは何でしたか?
私のガンプラとのファーストコンタクトは大学1年生の時でした。だから、9年くらい前ですかね。当時、TVアニメの『魔法少女まどか☆マギカ』(以下『まどマギ』)が大好きで、秋葉原に『まどマギ』のフィギュアを買いに行った店頭にディスプレイされていた〝Zガンダム〟が目に入りました。『何てカッコいいんだろう!』と、まさに一目惚れでした。それで結局『まどマギ』のフィギュアではなく『HGUC 1/144 ゼータガンダム』のプラモデルを買ったんです。オタクなので、それ以来どんどんガンプラにハマって、数が増えていった感じですね(笑)。
——YouTubeで拝見する東雲さんのプラモデルはクオリティーが高いですが、最初から塗装や仕上げなどにこだわって、ガッツリ作り込んでいたのですか?
プラモデル作りのイロハなんて知らず、Zガンダムのキットを〝見た目買いした〟くらいだったので。最初は〝素組み〟(※塗装しないで説明書どおり組み立てること)して遊んでいました。今のガンプラって、組み立てるだけでもクオリティーが高くて可動域も広いし、それだけでも十分楽しいですよね。
それから7~8体は素組みして遊ぶというのを繰り返していたのですが「ほかの人はどんな感じで作っているのかな?」「ちゃんとやればもっといいものになるのかな?」と思うようになりました。それで、SNSを見たり、雑誌や本を読んだりして勉強しました。すごいモデラーさんの作品を見て憧れて、自分でも本屋さんに行って、初級、中級、上級まで本を買いあさって、モデラーとしての道を歩み始めたんです。そういう勉強って、苦にならないんですよ。
DIME最新号は45周年のガンプラを大特集!特別付録は〝赤い〟USBリューター!
2025年はガンプラが誕生してから45周年という節目の年。 接着剤が不要の組み立てやすさ、塗装をせずとも見映えがいい色分けの再現度、コクピットハッチの開閉や変形…
〝パッと見〟の印象が大事。思い浮かんだイメージを目標にする
——現在プラモデルを作る際、どういうことを心がけていますか?
私は制作に取りかかる前に、まずそのプラモデルを「どう仕上げたいのか」というゴールを設定します。そこから逆算して「こう仕上げるにはこういう塗装をして……」「そのためにはあの色の塗料で……」「これくらいの期間が必要かも……」というふうに、工程とスケジュールを決めてから制作を始めます。
——そのゴールは具体的にはどういうものですか?
プラモデルはパッと見た時に抱く印象が大事だと思っています。なので、単体のプラモデルの場合、自分の頭に浮かんだイメージをカタチにすることが多いですね。例えば「朝、早朝4時から5時の空の色」とか。それを再現することを目標にして逆算していきます。ガンダム作品のシーンなどの画を参考にする時もありますね。ただそれは、あくまでもイメージをカタチにするためのことなので、厳密にガンダム作品のシーンに対する忠実さやリアルさとは少し違うんですけど。
——瞬間的なイメージを大事にして、そこから緻密な計画を立てていくという手順がおもしろいですね。作業を進める中での技術的なこだわりはありますか?
プラモデルのディテールとしては、なるべく原作(アニメ作品)と同じに見えるようにしたいと思っています。『HG 1/144 GQuuuuuuX』のキットは、組んだだけだと脚の一部が切り離されていなかったり、ちょこっと丸いラインになっていたりする箇所があるんですよ。そこをもっと鋭利にして原作に近づけたりしました。ちょっとした工作処理で見栄えが大きく変わってくるので、それらは塗装前の最初期の段階で丁寧に処理します。
もちろん、アレンジしてオリジナルの風合いで作る時もありますけど、最初の下処理はその後の出来上がりにすごく関わってきますので。ヒケ(※大きいパーツなどに見られる製造時の歪み)をきれいにしたり、リューターやヤスリを使ってすごく丁寧にゲート処理をしたりといった仕込みの作業を丁寧にしっかりするのが私のこだわりです。
——東雲さんが最近制作したガンプラで改心の一作を教えてください
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に出てきた「軍警ザク」の迷彩バージョンですね。使用したのは『HG 1/144 軍警ザク』のキット。「迷彩が似合いそう!」というイメージが湧いてきました。迷彩のパターンは、マスキングしまくりで塗装しました(笑)。小さなパーツがあって大変でしたが、イメージどおりにカッコよく作れた自信作です。
作ったものをSNSにアップするのも、モチベーションにつながっています。モデラーさんの多くはSNSを運営していて、SNSで仲良くなったモデラーさん仲間たちといろいろな感想を言い合うんですけど、それも制作のモチベーションになっていますね。
東雲うみが「〝赤い〟USBリューター」を使ってみた
——雑誌『DIME』2025年9・10月合併号に付く「〝赤い〟USBリューター」を試してみていかがでしたか?
まず「これが付録なんだ!」ってビックリしましたし、使い方や仕組みがすごくシンプルだから初心者でも気軽に使えると思いました。これがあれば、ゲート処理もラクになる人も多いでしょうね。削り過ぎには注意が必要ですが、気を付けて使えば時短にすごくつながると思いました。回転している先端の安定感もありますし、交換用の先端が用途別に付いているのもいいですね。すごく使いやすいですし、先端の取り外し方もわかりやすい。普通に即戦力として使えますから、持っていていいアイテムだと思います。
それに何といっても色がいい! ピンクがかったような赤は女性も結構好きな色で、赤い工具ってあまり見ないですし。私がもともと持っているリューターは渋い緑色で、ポイッと置いてしまった時に行方不明になりがちなんですけど、この赤なら目立つのですぐに見つかりそう。しかも〝赤い〟っていう名前が付いているのも、ガンダムファンにとっては嬉しいところ。お店で売っていたら、思わず買っちゃいますよ(笑)。
——東雲さんは普段、このようなリューターを制作時にどう使っていますか?
以前に〝ゴジラvsコング〟をコンセプトにしたジオラマを作った時にはリューターが大活躍でしたね。レジンという素材で水面の波紋を表現するのに使用しました。それと、ソフビのゴジラの皮膚をゴツゴツした感じにしたくて、パテを盛ってリューターで凹凸を付けました。また、コングの毛並みは尖った先端を使って表現しました。なので、リューターは特にジオラマ作りの際に使いどころが多くて必須のアイテムです。
「パテを活用する」から「表面を削る」へ——鋳造表現に使えそう
——〝赤い〟USBリューターで、今後どんなことに挑戦してみたいですか?
どなたかの投稿で知った「鋳造表現」という加工です。リューターの先端を左右に動かしてプラモデルの表面を傷付けながら凹凸の表現を付けるというもので、そこに塗装するのがおもしろそうだなって。過去に私も1度だけ〝筆でパテを粗く盛る〟という方法で『遊☆戯☆王』のエクゾディアを作ることに挑戦したことはありますけど。リューターを使った「鋳造表現」はまだやったことがないので、チャレンジしたいと思いました。
私の今まで実践してきたことだと、動物の毛とか皮膚の造形は〝赤い〟USBリューターだと作りやすいと思いますね。むしろリューターじゃないと難しいかも。あとは人型のフィギュアで髪の毛をより立体的にする時などにも使えそう。ほかにはドリルの代わりとして使って、見えない部分の穴開けにも役立つのではないでしょうか。
ハサミと同じくらい持っていてもおかしくないツールだと思いますし、この赤い色は可愛いですね、やっぱり。DIMEさんには今後も「〝赤い〟○○」シリーズの付録を作ってほしいです!
東雲うみさん
グラドルやコスプレイヤーとしてコミック誌の表紙を飾る一方、モデラーとしてガンプラ製作に注力。SNSなどで作品を公開している。
東雲うみさんが〝ゴジラvsコング〟をコンセプトにした
【ゴジラvsコング】ソフビを改造&リペイントしてジオラマを作ってみた【東雲うみ】
東雲うみさん鋳造表現に挑戦した
【デカい】エクゾディアをガチで作ってみた【東雲うみ】
取材・文/吉澤直哉 撮影/藤岡雅樹 編集/田尻健二郎
■撮影協力にご協力いただいた模型製作スペース「CRAFTNEST」の詳細はコチラ!
駅から5分で組み立て開始!好立地の模型製作スペース「CRAFTNEST」は〝本格塗装派〟にも〝パチ組派〟にもおすすめ
7/16発売DIME最新号は「ガンプラ」を大特集!
プラモデルの常識を打ち破ってきた45年の軌跡と〝その先〟を徹底取材!
2025年はガンプラが誕生してから45周年という節目の年。
7月16日発売のDIME9・10合併号では、その45年の歴史を振り返り、ガンプラが今後どのように進化していくのかを大特集! 夏休みのお供として、ガンプラファンにもおすすめの特別付録「〝赤い〟USBリューター」と合わせてお楽しみください!
さらに表紙違いのスペシャル版では、クライマックスを迎える「機動戦士ガンダム サンダーボルト」とコラボ! 作者の太田垣康男先生のインタビューと共にスペシャル表紙を作成しました!ぜひこちらもご注目ください!
※表紙のみが通常版と異なります。付録・内容は通常版と同一です。
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