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10年経っても色あせない!ホンダ「S660」が今でも愛され続ける理由

2025.08.24

ホンダ「S660」は、2022年に生産終了したものの、その唯一無二の存在感から現在も注目を集める本格的な軽スポーツカーです。MRパッケージや新設計ターボ、軽自動車初の6速MTなど、「走る喜び」を追求した設計が特徴です。生産終了モデル「Modulo X Version Z」は新車価格を上回る中古車価格で取引されるなど、その価値は高まる一方。10年先もS660とのドライブを楽しむためには、中古車選びのポイントを押さえることが重要です。

クルマって、ただの移動手段ではないんです。

運転するだけで心が躍る、日常が冒険に変わるような相棒がいるとしたら……

そこで注目したいのが、小さいけれど本格的なスポーツカーのホンダ「S660」です。

2022年に生産を終えてしまったけれど、その唯一無二の存在感は今も輝きを増すばかり。

2015年3月に誕生してから早10年。時間が経っても色褪せないS660は、これからの10年、いつもの暮らしに彩りを与えてくれるはずです。

さあ、この小さな相棒と最高のドライブへ出発しませんか?

ホンダ「S660」の魅力とは?

ホンダ「S660」は、まるであなたの「走りたい!」という気持ちとシンクロするために生まれてきた、Hondaらしい「マイクロスポーツ」です。

■S660とは?

S660はMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)パッケージを採用し、ドライバーのすぐ後ろで658cc直列3気筒DOHCエンジンが鼓動します。

新設計されたターボチャージャーのおかげで、アクセルを踏んだ瞬間のレスポンスは驚くほどです。

しかも、軽自動車に初の6速MTを搭載、CVTモデルもアクセル操作に対して超リニアな変速が可能です。

まるで車と一体になるような「シンクロ感覚」を追求したインテリアは、シートの設計からステアリングの形、操作系の配置まで、全部が「走ること」をサポートしてくれるように設計されています。

S660は、運転が好きな人もこれから挑戦したい人も、あらゆる人が「ドライビングの楽しさ」で笑顔になれる、ホンダが本気で作り上げた一台なのです。

■なぜ誕生した?

ホンダS660が登場したのは2015年3月30日のこと。私たちの日常に、もっと「走る喜び」を届けようという、ホンダのアツい想いから誕生したのです。

ただの移動手段ではなく、クルマに乗ること自体で「思わず笑顔になってしまう」、そんな身近なスポーツカーを目指すため開発陣が問いかけたのは、「本当に求められるハードウエアとは何か?」というクルマの本質。

そこで選ばれたのが、高い旋回性を生み出す低重心で低慣性のMRというパッケージングでした。

さらに、新設計のターボチャージャーを備えた658cc直列3気筒DOHCエンジンは五感をくすぐり、運転初心者からベテランまで、誰もが「クルマのパフォーマンスを活かしきって走る楽しみ」を存分に味わえるよう設計されています。

それは、ホンダにしかつくれない特別な一台……それがS660なのです。

■生産終了の背景

多くの人に愛されたS660は、惜しまれつつも2022年3月に生産を終えました。しかし、その最後はただの終わりではありませんでした。

これまでS660を愛し続けてくれたみなさんへの感謝を込めて、特別なモデル「S660 Modulo X Version Z」が2021年3月12日に発表されたのです。

この「Version Z」は、S660 Modulo Xが持っていた上質でしなやかな走りをそのままに、特別色のソニックグレー・パールを身にまといました。

そして、スポーティーで機能美を追求したエクステリアも完璧。インテリアにはカーボン調パネルやVersion Zロゴ入りのアルミ製コンソールプレートなど、所有する喜びを最大限に高める工夫が凝らされていました。

しかも、この最終モデルは「ご好評につき、予定していた生産台数分につきましてはオーダー受付を終了いたしました」と公式に発表されるほど、大人気を博したのです。

もちろん、生産終了は悲しいですが、最後の最後まで私たちをワクワクさせてくれる、そんなS660らしい幕引きでした。

■中古車相場はどうなってる?

S660が生産終了した今、その存在感はますます特別になっているかもしれません。 2015年3月の発表から2022年3月まで、約7年間にわたって私たちを魅了し続けてきたS660は、どのモデルも愛されてきました。

特に、生産終了直前の2020年1月発表モデルは、「S660 α(6MT)」が232万1000円、「S660 β(6MT)」が203万1700円というメーカー希望小売価格でしたが、こちらにはオーダーが殺到しました。

「S660 α」

「S660 β」

この状況は、中古車市場での人気を後押しし、今ではもう新車では手に入らない車であり、手に入れたい人は多くいます。

実際に大手中古車販売サイトでS660の中古車相場を確認したところ、2022年式「S660 Modulo X Version Z」の走行距離493kmのモデルの車両本体価格は429万8000円。

2021年の3月12日発表当時の新車価格が315万400円であったことを考えると、すでに100万円もの値上がりとなっているのです。

もちろん、スタンダードモデルも値上がりしています。

2020年式で走行距離330kmの白の「S660 α(6MT)」は車両本体価格318万8000円。2022年式で走行距離6000kmのシルバーの「S660 β(6MT)」は車両本体価格239万円と、いずれも新車価格を上回る中古車価格となっています。

もちろん、中古車なのでコンディションで価格は大きく変動します。ご紹介した3台はオーナーによって大切に大切に扱われてきたことは間違いないでしょう。

しかし、S660は今後、減ることはあっても増えることはないのです。もしかしたら今、手にしなかったなら、あの感動と出会う機会は失われるのかもしれません。

■S660の特別仕様車とは?

S660は、駆け抜けたその歴史の中で、私たちの心を震わせるたくさんの特別な表情を見せてくれました。中でも心に残るのはこのようなモデルでした。

「Bruno Leather Edition」(2017年5月発表)

ベルベットマルーン・メタリックのボディとジャズブラウンインテリアが、落ち着いた大人の色気を漂わせる、期間限定の特別仕様車でした。

「#komorebi edition」(2017年10月発表)

「ヒダマリアイボリー・パール」のボディカラーとブラウンルーフトップが、木漏れ日のように優しく、シックな魅力を放つモデル。

「S660 Modulo X」(2018年5月発表)

ホンダ車を知り尽くした熟練エンジニアの「匠の技」が光るコンプリートモデル。専用サスペンションやエアロパーツで、まるで体の一部のように操れる、最高の走りを提供してくれました。

「Trad Leather Edition」(2018年12月発表)

ライトタン×ブラックのトラッドレザーインテリアやブラウンロールトップが、英国スポーツカーのように上品な雰囲気を醸し出す一台。

「S660 Modulo X Version Z」(2021年3月発表)

S660の生産終了に先駆けて登場した、機能美を極めた最後の特別仕様車でした。専用のソニックグレー・パールやステルスブラックのホイール、カーボン調のインテリアが、所有する喜びを最高潮に高めます。

S660を中古で買って10年後の未来へ

誕生してから10年、S660はひとつの節目を迎えました。そして、オーナーとして10年後の未来へ走り続けるために、今知っておきたいことは何でしょうか?

■S660を中古車で買う前にチェックしたいポイント

生産者の誇りのもと、高いクオリティで作られたS660。すべての車両が良好なコンディションでいてほしい、そんな願いはありますが、10年後まで安心して乗り続けるためには、厳しくチェックしなければなりません。

中古車は新車ではありません。あくまで自己責任となります。こちらに記したのは、一般的な中古車の確認を含めたチェックポイントですが、いちばんの相棒に出会えるよう願っています。

走行距離の目安

一般的に年間1万kmが走行距離の目安とされています。S660はスポーツ走行されることも多く、走行距離が長くてもメンテナンスがしっかりと行われていれば問題ない場合もありますが、走行距離が多いと部品の消耗が進むリスクが高くなります。

整備記録簿の有無と内容

重要なチェックポイントの1つです。ディーラーや信頼できる整備工場で定期的なメンテナンスを受けていたか、また、どのような整備を実施してきたかが確認できます。整備記録簿のない車両は避けた方がよいでしょう。

ターボエンジンの特性

S660はターボエンジンを搭載しています。そのため、エンジンオイルの管理が非常に重要です。スラッジの有無を確認したり、エンジンオイルの色や量、臭いなどを細かくチェックする必要があります。

アイドリングの安定性

試乗時にアイドリングが安定しているか確認しましょう。不安定な場合はエンジントラブルの可能性が高いです。

加速時の異音

加速した時やターボのブースト圧がかかる際、カラカラ音などの異音がしないか注意して聞きましょう。

オイル漏れ・にじみ

エンジンルームを隅々まで見回して、オイル漏れやにじみがないかチェックしましょう。

クラッチの状態(6MT車の場合)

クラッチの遊び、滑りがないかを確認します。

サスペンションの異音

段差を通過した時などで、「カタカタ」「ギシギシ」といった異音がないか確認しましょう。

スタビライザーリンクやブッシュ、アッパーマウントなどの劣化が原因となっている場合があります。

タイヤの摩耗状態

タイヤの溝の残り具合や、偏摩耗がないかを確認します。スポーツ走行などに使われていた場合、消耗が異常に早い場合があります。

ブレーキの状態

ブレーキパッドの残量を確認しましょう。スポーツ走行向けのパッドが装着されている場合、通勤などに使うと消耗が早い場合があります。

ボディ・外装の修復歴の有無

ボンネットやフェンダー、ドア、トランクなどの隙間が均一か確認します。ズレがある場合は骨格部分に修復歴がある可能性があります。

また、車全体が左右対称であるかも必ず確認しましょう。

修理痕や塗装の剥がれ

ボンネットの取り付け部分や、各パネルの継ぎ目など、修理痕や塗装の剥がれがないかを確認します。

トランクの床下

トランクの床下に溶接の痕や歪みがないかを確認します。

中古車査定表の「R」表記

中古車の査定表に「R」マークがあると、修復歴がある車両です。

ボディ下部・フロントリップの損傷

S660は車高が低いので底を擦りやすいです。ボディ下部やフロントリップに大きな傷や損傷がないかを確認します。

錆の有無

全体を確認しつつ、特に下回りやボディのつなぎ目などに錆がないかを確認します。

内装の使用感

たとえ走行距離が少なくてもシートの破れやへたり、ダッシュボードの割れ、ステアリングの擦れなどがある車両はリスキーです。内装全体の使用感が年式・走行距離に相応かを確認します。

電装品の動作確認

エアコンやパワーウィンドー、ナビ、オーディオなど、電装品が正常に動作するか確認しましょう。

警告灯の点灯

エンジンチェックランプやVSA警告灯など、走行中に警告灯が点灯していないかを確認します。

実際に試乗してみる

必ず試乗させてもらいましょう。エンジン音や走行時の異音、ブレーキの効き具合、ステアリングのフィーリング、乗り心地などを体感して、状態を把握することが大切です。何となく違和感を覚える場合は、何か不具合がある危険性が高いです。

試乗で異音を確認

走行中に足回りやエンジンルームからの異音がないか注意して聞きます。

販売店が信頼できるか

信頼できる中古車販売店で購入することが大切です。アフターサービスや保証の有無も確認します。

カスタマイズの状況

過度なカスタマイズが施されている車両の場合、ノーマル車よりも注意が必要となります。

S660は人気車種です。その分、中古車市場にも数多く車両が出回っていますが、状態のばらつきも大きいです。

まずは焦らず、落ち着いて車両の状態を確認し、納得の一台を探すことが大切です。

できれば1人ではなく、詳しい人に同行してもらったり、プロの鑑定を購入前に受けることも検討ください。

■10年後のS660の価値とリセールバリュー

S660は、2022年3月に生産が終了しました。しかし、人気が衰えるどころか、むしろ「もう新車で買えない!」というプレミア感が加わり、注目が高まっている感もあります。

実際に、最終バージョンは新車価格を上回る中古車価格の車両もあります。10年後に価値が上がるかどうかは誰にもわかりませんが、S660という唯一無二の存在価値が下がることはないでしょう。

■コスパの高い選び方とおすすめグレード

さまざまな特別仕様車が登場したS660。もちろん、「S660 Modulo X Version Z」などは至極の一台として見逃せないです。

ただし、クルマとしての基本性能を高めたS660は、ベーシックなグレードはコスパが高いといえるでしょう。

「S660 β」はコスパが高く、S660へのエントリーモデルとして適切なグレードでしょう。

また、「S660 α」は、アルカンターラを採用するなど、装備がより充実。快適性や内装の質感を重視するなら、優れた選択肢といえそうです。

【参考】S660(2022年3月終了モデル)|Honda公式サイト

Honda|今まで販売したクルマ|S660

タイプ・価格・装備|S660(2022年3月終了モデル)

S660|歴代モデル紹介|SPORTS DRIVE WEB

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※当記事に掲載している価格などのデータは2025年6月時点でのものです。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/中馬幹弘
ガジェット・MONO・マネー編集/ライター。慶應義塾大学卒業後、野村證券にて勤務。『lightning』編集長、『DIME』『Goods Press』『BestGear』編集を歴任。iPhone、iPad登場時より実務に携わる。国土交通省・アパレルブランドの広報経験も持つ

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