他人に劣らず優れていることを表す慣用句「人後に落ちない」の正しい使い方

「人後に落ちない」とはどのような意味で、ビジネスシーンでどう活用できるのか──この文章では、学べる知識・体験として、①人後に落ちないの正しい読み方と意味、②その用法、③ビジネスでの具体的な活用例を解説する。仕事上で「存在感」を高めるヒントを解説する。

人後に落ちないとは

「人後に落ちない」は、他人に劣らず優れていることを表す慣用句である。対義の「人後に落つ」との違いも押さえたい。

■人後に落ちないとは

「人後に落ちない」（じんごにおちない）は、「人の後れを取らない」「他人に劣らない」という意味である。優れた技能や知識、人格などで周囲に匹敵することを指す。他人に劣らず優れている様を表している言葉だ。

■人後に落つとは

「人後に落つ」（じんごにおつ）は上記の逆で、「他人に劣ってしまう」という意味。「落つ」は古語で「落ちる」を表す文語形だ。 この語を間違えると、自身の印象を大きく損ねる可能性があるため注意が必要である。

人後に落ちないのビジネスシーンでの使い方

ビジネス文書や会話に「人後に落ちない」を取り入れると、簡潔かつ力強く自分の価値を伝えられる。また、謙虚さや控えめな印象も与えるため、よりスマートな印象だ。以下の場面で特に有効である。

■履歴書・職務経歴書

例：『プロジェクト管理において人後に落ちない実績を誇る』

簡潔に自分の強みを打ち出せる。過度に自慢めいた印象を与えずに能力をアピールできる文章になる。

■社内報告書・プレゼン資料

例：『当社の新製品は市場シェアにおいて人後に落ちない競争力を備えている』

提案内容の説得力が増す。同じく謙虚さを感じる文章であり、顧客に過剰なアピールをして強引な売り込みだと思わせない効果がある。

■評価面談・フィードバック

例：『年間売上目標達成率は人後に落ちない水準にあります』

客観的なデータとセットで用いると効果的。上司へのさりげないアピールになるだろう。

まとめ

「人後に落ちない」は、自分や自社の優れた能力・成果を、他者と比較せずとも端的にアピールできる便利な表現である。 ビジネス文書の要所要所に取り入れることで、自信や商品、会社の強みを意識させつつも、謙虚さを感じさせることができ、信頼感を高めることができる。 営業や職人など、どのような職業でも有用な表現であり、誰でも活用が可能だ。今日から「人後に落ちない」を活用し、あなた自身の価値をより効果的に伝えよう。

文／諏訪 光（すわ　ひかる）

大手ネット系企業にて10数年に渡りプログラマーからプロダクトマネージャーまでを幅広く経験。新規事業から企業再生に至るまで様々な案件の開発に携わる。DX推進者や起業経験を経て現在は大手信託銀行でDX推進を行いながら、フリーランスの新規事業、DX、デジタルマーケティングのコンサルティングも行う。