
「辞めたい」と言う人ほど辞めず、何も言わない人が突然いなくなる──そんな経験はありませんか?実は、相談もなく会社を辞める人には共通点があります。自信家・真面目・人間関係が苦手など、本人の性格や心理状態が関係していることも。この記事では、辞める人に見られる前兆とその特徴を解説します。
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周囲に会社の愚痴をこぼしたり、「辞めたい」と何度も口にするものの、実際には辞める決断ができない人がいる一方、誰にも何も言わず、相談もせずに本当に辞めてしまう人もいます。
辞めると周囲に言いふらす人と、静かに退職の意思を固める人の違いは何なのでしょうか?今回は相談もなしに会社を辞める人の特徴、そして、辞める人が見せる前兆をご紹介します。
相談もなしに辞める人の特徴
誰にも何も言わずに辞めてしまう人について、皆さんはどう思っていますか?周囲からは、何の相談もなしに突然辞めることを決めたように映り、あまりいいイメージがないという人も多いのでは。
相談もなしに辞める人には、優秀というプラスの面と、忍耐力がないといったマイナス面の両方があります。ここではその特徴を見ていきましょう。
1.自分に自信がある
自分に自信がある人は、他人に辞めることを相談しない傾向があります。なぜなら、自分の判断が正しいと信じているからです。
この仕事が自分に適していない、または自分のキャリアに必要ないと思うと、迅速に行動に移します。
2.真面目
真面目な人は真摯に仕事と向き合い、手を抜かずに完璧に仕事を遂行しようとします。もちろん、それは素晴らしいことですが、真面目過ぎると気を緩めることができずに、ストレスを抱えてしまうことにもつながります。
また、真面目な人は周囲に愚痴や不満を漏らすことも苦手なこともあり、それが周囲からは突然辞めたというように映るようです。
3.上昇志向が強い
現状で満足することなく、より高いレベルを目指して自分のキャリアを向上させようとする人も、辞めることを周囲に相談することは少なくなるでしょう。なぜなら、すでに辞めることを決めている場合、目線はすでに別の場所にあります。今働いている会社の人たちのことを過去のことと割り切ってしまっている場合があるのです。
元々、この特徴がある人は周囲にも厳しく、うまく人間関係を築くことができずに孤立してしまっている可能性もあります。
4.人付き合いが苦手
人付き合いが苦手という特徴を持つ人には、周囲に気軽に愚痴を漏らす人や、相談できる人がいない場合があります。本当なら相談したいけれど、うまく人間関係を築くことができないが故に、周囲からは黙って退職したように見えてしまっているだけかもしれません。
5.忍耐力がない
忍耐力がない人は、少しでも会社の嫌な部分が見えてしまうとすぐに辞めたいという思考になりがちです。なので、何度も転職を繰り返しているといった、辞め癖がついてしまっている可能性もあります。
何度も繰り返してしまっている人には、何度か「辞めたい」と相談してもその不満が改善しなかった経験があるはずです。もう相談することに意味がないという思いから、周囲に相談することをやめてしまっていることも考えられます。
決断してしまう前に!会社を辞めそうな人が見せる前兆
周囲からは突然辞めたように見えていても、本人は考えた末の決断であることが多いもの。決断してしまう前には、辞めるかどうか迷っている期間があるはずなのです。
ここでは、普段の様子から変化するポイントをお伝えします。
1.評価を気にしなくなる
周囲からの評価を気にしなくなっていたら、注意が必要です。評価は給与アップにつながるだけでなく、仕事に対するモチベーションに深く関係しています。
モチベーションが低下してしまうと、仕事が雑になったり、集中力が続かずに離席することが増えたりということが増えていくので注意深く観察してみてください。
2.意見や発言が減った
仕事を辞めようという考えを持っている人は仕事に対しての積極性が減少していきます。いつもよりも会議などの発言が減った、自分の意見を言わずに周囲に同調するようになったなどはサインの1つです。
決断してしまう前に声掛けや相談に乗ることをおすすめします。
3.新しい仕事に消極的になる
今まであれば積極的に参加していたはずなのに、新規プロジェクトの参加を渋るなど、新しい仕事に対して消極的な態度を取る場合には、辞めることを考えている可能性があります。
新しい仕事を断ってきた場合にはもう決断している可能性が高いのですが、渋っているのであればまだ間に合うかもしれません。
話を聞くときに、聞き出すという態度は余計に口を閉ざしてしまうことにつながりかねないので、まずは声掛けから始め、相手が話してくれたことには少しオーバー気味に相槌をしながら話を聞くように心がけてください。
4.コミュニケーションが減る
今までよりもコミュニケーションが減った場合も要注意です。コミュニケーションを積極的に取らないことは、社内の人に興味がなくなっているサインでもあります。
また、辞めようと考えている人は孤立感も強くなっている可能性もあるので、積極的な声かけを行い、相談しやすい雰囲気を作るようにしてください。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。